花がいっぱい。

どんな花も無心に
咲いているから素敵なんだって。
無心になんかなれないよ。
どれもこれも気になっちゃってるんです

八月納涼歌舞伎 一部

2014年08月18日 | 歌舞伎
三部、二部とみた八月納涼歌舞伎。残すところの第一部に
新歌舞伎といっていいのかな谷崎潤一郎の「恐怖時代」と舞踊「龍虎」
谷崎潤一郎の「恐怖時代」う~ん。
谷崎潤一郎っていうとさ耽美派っていうイメージがあってさ、美を追求するが故に、
きわどさが光るっていうんでしょうかねえ。
冷酷、惨殺であっっても美しく。って

私の中では、蜷川幸雄×浅丘ルリ子×朝倉摂
っていう印象が強いです。
蜷川幸雄さんってどうしてそこまで出来るの?ってくらいに残酷なシーンに力を入れてません?
で今も美しいけど、蜷川さんの舞台に立たれた浅丘ルリ子さんの妖艶な危ない美しさ。
泉鏡花とは、またちがいますが、三島由紀夫作品の歌舞伎を演じる玉三郎さんの美しさ
ようは、並外れた美しさあってこその残虐な場面ありきで、また朝倉摂さんの斬新な舞台芸術ありきだったような。

今も蜷川幸雄さんの舞台は、シンプルであったとしてもお金かかっていそうなイメージですが、
今回の歌舞伎座の「恐怖時代」は.....

せっかく33年振りなんだし、8月の納涼なんだし、演目だけでなく冒険ありきでもよかったんじゃないのかなあ?
っと思う程、お家騒動の「伽羅先代萩」より中途半端感が残るお家騒動。
30年ちょい前、新橋演舞場で恐怖時代に出演していたのは、玉三郎さん。
お相手が、菊五郎さん。

お家を乗っ取ろうとする 悪玉は、自分の息子を領主にしようと企てる殿の妾のお銀の方。
彼女は、美しい小姓の伊織之介を愛しているのだが、息子を領主にしたいが故に伊織之介との仲をひた隠し
家老である靭負(ゆきえ)と梅野を利用してことをなそうとするものの。

って見る前からして、ご本人たちの意欲はわかるけれど、戯曲を離れて実写版。

実写版にありがちな、イメージ違うんだってば!!ってあるじゃないですか。
今回はまさにそれ。
ストーリーも自分の息子を領主にしようと企てるお銀の肚が、
最後、息子の首を切られたことにならないとわかならい状態で
伊織之介を愛してるというのもなにか弱いのね。
扇雀さんは、普通の歌舞伎からだと「伽羅先代萩」の八汐なんです。
お父さんの藤十郎さんはあんなに色っぽいのになせかこの人にはその色っぽさが薄い。
 

そして舞踊の「龍虎」
こちらは、以前、龍を愛之助、虎を獅童で踊っていたのを新橋演舞場で見ましたが、
その時とは、多分衣装もセットも一新。
龍を獅童、虎を巳之助での踊りです。

う~~~~んこれもねえ。
両人汗びっしょで一生懸命なのはわかるんだけど、ちょっと残念。いやかなり残念かな。
って演舞場のときよりは良くなっていたと思う獅童ですが、
龍として舞踊を引っ張って行くのだと思いますが、それが出来てない。
踊りに重さ、重心が下にがないのです。手振り腕ぶりも軽いのね。
かなり勢いで踊ってる。腕や手、そして足などすべて「止める」仕草が弱いのです。

それに比べると巳之助の足で空(くう)をとんでいるような裁き方や止めの場面は、
今後の期待を感じるところ。

お二人を見ていてこの動きは、若さがないと踊りきれないかな?と思う程
ダイナミックさを感じるものでしたが

龍として完全復活した三津五郎さんと巳之助くん親子でみてみたいものです。
三津五郎さんならではの龍がみれるような気がしてなりません。
連獅子とは違う男の勝負って。

一部は、共にイマイチ感がのこった舞台でした。

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