平地治美の漢方ブログ 

漢方(漢方・薬膳・鍼灸...)全般についてのブログです。コメント大歓迎。


寝たきりにならないための「骨と血管を強くする」方法

2016年11月28日 | お知らせ
週刊大衆2016年10月17日号にコメントさせていただいた記事が日刊大衆

公開されています。

興味のある方はお読みください。

寝たきりにならないための「骨と血管を強くする」方法
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やってはいけない「危険な食べ合わせ」

2016年11月23日 | 養生
以前に週刊大衆でコメントさせていただいた

 やってはいけない「危険な食べ合わせ」

の記事が、日刊大衆で配信されています。

興味のある方はお読みください。

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セックスレスと室女病

2016年11月16日 | 養生
性生活は漢方医学の大きな柱である養生に含まれます。
貝原益軒の「養生訓」には過度の性生活を戒める記載が多くあり、年齢別に理想の回数まで書かれています。

では、全く性行為をしなければ気が減ることもなく元気でいられるのか?
というとそうではないのです。

性行為の頻度が過度に少ないセックスレスも、し過ぎと同じように気を消耗しあらゆる病気の原因になるとされています。
それを「室女病(しつじょびょう)」と言います。
室女病は、別名「独身病」ともいわれますが、未婚の女性だけでなく、寡婦(未亡人)や尼僧、つまり男性と性行為をしない女性にみられる病だったそうです。

江戸時代の名医・香月牛山の「牛山活套(ぎゅうざんかっとう)にも室女に関する記載が多くあります。以下にその一部を挙げます。

・婦人室女・寡婦・尼の類は七情(心因性)の気、鬱しやすし
・室女は其病多くは気鬱より発するなれば鬱を開き気を順(めぐ)らすべし
・寡婦は其病欲鬱して気順(めぐ)らざるより発するもの多し
・室女寡婦の思想叶わず、或いは婦人の男に得られず、、、必ず気鬱して骨蒸労咳 
 となる

室女病は女性だけでなく男性も罹りますが、女性の方が受け身であり発散することが難しいためこのような病名がつけられたのかもしれません。


韓国ドラマの許浚(ホジュン)にもこの室女病のシーンが出てきます。
ホジュンは漢方医学の歴史に残る文献であり世界遺産になった「東医宝鑑」を編纂した名医を主人公にしたドラマです。
このドラマの中でずっと独身だった医女・ホンチュンが原因不明の高熱が出る病気になります。ホジュンは脈を診て「これは室女病だ」と診断し、生地黄(しょうじおう)という、潤いを与えて体内の熱を冷ます生薬を処方します。

(以下にホジュンの台詞を引用します)
男は精気が旺盛なら女を思い、女は陰が成長すれば胎児を求めるものです。
独り身が長いと陰だけが盛し陽がないので陽と接したくてもできずに葛藤し
体の中で陰陽が争い、熱が出ます。
症状は瘧疾(ぎゃくしつ・マラリア)と似てます。
柴胡抑肝湯(さいこよくかんとう)を処方しましたが、男の陽気を受け入れるべきです。


………….なるほど。
これは昔の病気ではなく、生涯未婚率は上昇の一途をたどり、独身でなくてもセックスレスの夫婦が多い現代の方がむしろ多い病態かもしれませんね。

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平成28年11月19日(土)「第1回精神科薬 減薬セミナーin 宮崎」

2016年11月14日 | お知らせ

第1回精神科薬 減薬セミナーin 宮崎 のお知らせ
平成28年11月19日(土)

~プログラム~
【教育講演】
『うつ病を克服する栄養学的アプローチ』
奥平智之(おくだいらともゆき)先生
医療法人山口病院 精神科部長(埼玉県)
東京女子医科大学東洋医学研究所 非常勤講師
新宿溝口クリニック 栄養療法&漢方外来担当医師
埼玉メンタルヘルス交流会 会長

【座談会】
奥平智之(おくだいらともゆき)先生
長野仁美 (ながのひとみ)先生(Mrs.GAGA) 
場所:ホテルマリックス 2階会議室 宮崎県宮崎市千草町15-8
12:30 開場
13:00 スタート
15:30 終了

会費:2500円 
定員:100名

お申込み:
①FAX 0985-88-1017 
②Mail info@from-m.org  
③Web http://from-m.org/1119  Pass Market にて 公開中 
お問い合わせ 090-8224‐8622(和田)

主催:市民団体フロム・エム    
後援:食事栄養療法倶楽部

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「ストーカー加害者の告白(1)(2)」

2016年11月01日 | お知らせ
11/1(火)、2(水)Eテレ 20:00〜20:30
2夜連続でストーカー加害者の治療についての番組です。

依存症治療の第一人者である平井慎二先生の研究成果がわかりやすく解説されるとの

ことでとても楽しみにしております。


ストーカー犯罪はテレビで報道され急増しているのはご存知かと思いますが、
自分とは関係ない遠い世界のこと、と思いきちんと学ぶという意識がありませんでした。
そしてその治療法があるということも初めて知りました。

依存症もそうですが、何かの拍子に陥る可能性は誰にでもあるように思います。

その病理や治療法を正しく知る良い機会ですのでぜひご覧ください。

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栄養精神医学フォーラム2016in埼玉のお知らせ

2016年11月01日 | 学会 勉強会
~栄養精神医学フォーラム2016in埼玉のお知らせ~

日時: 平成 28 年 11月 3 日 (木・祝) 14時~16時半頃
会場: ウエスタ川越 会議室1 埼玉県川越市新宿町1-17-17
   TEL. 049-249-3777
プログラム
【座長】森林公園メンタルクリニック 院長 稲見浩太先生
【一般演題】『精神科におけるタンパク質代謝の理解』 栄養療法専門看護師 高原健一先生
【教育講演】『精神科における栄養学的視点の大切さ』医療法人山口病院精神科部長/新宿溝口クリニック 奥平智之先生
【特別講演】『精神疾患と腸管』医療法人徳洋会聖みどり病院副院長 喜多洋平先生

参加費無料
当日は直接会場にお越しください。

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『漢方腹診考~症候発現のメカニズム』寺澤捷年

2016年10月19日 | 古典・書籍
寺澤捷年先生の新刊『漢方腹診考~症候発現のメカニズム』が出版されました。

以下にいただいた発刊の辞には寺澤先生の自信が満ち溢れておりますが、
本を読んでいただければその理由を納得できるかと思います。

これまでの腹診の本は、様々な腹証とそれに対応する漢方薬は記載されていましたが、

・なぜそうなるのか

というメカニズムは書かれていませんでした。
それが解説された初めての本です。

寺澤先生は漢方医であるとともに、もともとは西洋医学の分野では神経内科がご専門でした
(そちらの分野でもかなり優秀でいらしたと聞いております)。

だからこそ解明できた、腹証と神経系の関係です。

「寺澤ポイント」が発表された東洋医学会学術総会のご講演は私も拝聴しておりましたが、
格調高い情熱的な講演に、会場は割れんばかりの拍手に包まれておりました。
吉益東洞の欠点を補い、病理を明らかにして治療の再現性を高めていくのだという、
寺澤先生の高い志を感じます。

幅広い視点から書かれ鍼灸の記載も多く、漢方医だけでなく鍼灸師も必読の書です。

「あかし出版」(神保町)のHPから購入申し込みができます。
定価5000円+税/送料





『漢方腹診考~症候発現のメカニズム』発刊の辞
                  寺澤捷年

 昨年、嶋田 豊教授が富山市で主催された日本東洋医学会学術総会で私は特別講演の機会を与えて頂きました。何か新規性のある話題をと考えていた折に、噴門部痙攣と推測される固形物が食道に痞えて食べられないという患者に遭遇。強い心下痞鞕を伴っていましたので、利膈湯を処方。さらに背部の兪穴の凝りに鍼施術をしたところ、帰路にハンバーグライスを食べたというビックリする結果となりました。そこで背部の兪穴や新たに見いだした棘下筋の硬結(寺澤ポイント)、あるいは『井見集』に記されていた痞根などへの鍼刺の効果を梃子に、様々な腹候の発現メカニズムを明らかにすることが出来ました。臍傍やS状部、回盲部の圧痛も「血海」などへの鍼刺で消失するのです。
そこで、研究の範囲を拡大し、腹診で見られる全ての腹部症候(腹候)の発現のメカニズムを神経生理学、解剖学、MRIとCT画像、超音波エコー画像などで明らかにすることができました。未だ不明な点や推測に留まる部分も多々ありますが、2016年の時点での見解として提示しました。
目次は第1章:腹診法の概説、第2章:腹力、第3章:腹部鼓音、第4章:心下痞鞕、第5章:腹直筋攣急、第7章:胃部振水音、第8章:腹部動悸、第9章:小腹不仁と正中芯、第10章:鼠径部の筋緊張と圧痛、第11章:瘀血の圧痛点、第12章:終章です。
各章の構成はたとえば、第5章・心下痞鞕の項は
1.字義
2.診察法
3.立位診による心下痞鞕の検出
4.心下痞鞕と証
5.心下痞鞕の発現メカニズム
と、なっています。
終章では「発現のメカニズムが分かったとして臨床的にはどの様な意義があるか?」という疑問に答え、さらに今後に残された課題を整理しました。
 漢方2000年の歴史を塗り替える画期的な著作と自負しています。

 「あかし出版」(神保町)のHPから購入申し込みができます。
定価5000円+税/送料
 

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「コ2 腹診第4回 」

2016年10月13日 | お知らせ
コ2 腹診第四回

今回は各腹証についてです。

興味のある方は連載月は無料で読めるようです。


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小山尚也先生&奥平智之先生講義のご案内:埼玉メンタルヘルス交流会2016.10.10

2016年09月12日 | 学会 勉強会

◎健康の三本柱◎
~プログラム~       
教育講演
「 精神疾患と食事~減薬をめざして~」奥平智之(おくだいらともゆき)先生 医療法人山口病院(川越)精神科部長 / 東京女子医科大学東洋医学研究所 
特別講演
「 健康の三本柱 ~食事・運動・睡眠~」小山尚也 (おやまひさや) 先生 社会医療法人 壮幸会 行田総合病院 救急総合診療科部長


平成28年 10月 10日 (月・祝)13時半開場 14時~17時頃
会場:ウェスタ川越 2階活動室1 
埼玉県川越市新宿町1-17-17 電話049-224-601
http://www.westa-kawagoe.jp/access
JR・東武東上線 川越駅西口徒歩5分

~メンタルヘルス栄養セミナー~ 
今月のセミナーは、 “健康の三本柱 ~食事・運動・睡眠~” がテーマです。
特別講演は、小山尚也 (おやまひさや)です。新しい情報をわかりやすくお伝え致します。

先着96名です。途中参加・退出は自由です。 事前申し込みはございません。
当日会場に直接お越しください。
参加者には、充実した教材を、会場受付にて毎月配布予定です。
本会とは別に、会の後18時より隣の会場で、懇親の場も兼ねて『食事栄養療法倶楽部』
http://www.saitama-m.net/cont9/main.html が開催されます。 
LadyBird代表 ペアレントメンター・栄養士の須藤直美(すどうなおみ)先生の教育講演、教材やハーブティー等もあります。


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山田和男先生&乾明夫先生講義:埼玉小江戸漢方カンファレンス2016秋のご案内

2016年09月12日 | 学会 勉強会

~医師会・薬剤師会学術講演会~
日 時: 平成28年 10月 4日 (火) 19:00 ~ 21:00
~プログラム~
【座長】
医療法人山口病院 精神科部長/東京女子医科大学東洋医学研究所
奥平智之(おくだいらともゆき)先生

【教育講演】『精神科領域における漢方治療の実際 』
東京女子医科大学東医療センター精神科教授
山田和男(やまだかずお)先生

【特別講演】『フレイルと漢方』
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科心身内科学分野教授
乾明夫(いぬい あきお)先生


場 所: ラ・ボア・ラクテ 川越駅西口 埼玉県川越市脇田本町22-5
Tel049-243-6600
お問い合わせ  村田 09096804548
どなたでもご参加いただけます。
事前申込み不要です。
途中参加・退席自由です。★どなたでもご参加いただけます。

ご参加予定の方はメッセージをお願い申し上げます

事前申込み不要です。

途中参加・退席自由です。




★どなたでもご参加いただけます。

ご参加予定の方はメッセージをお願い申し上げます

事前申込み不要です。

途中参加・退席自由です。


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第1回 日本栄養精神医学研究会(JaNP)2016のご案内

2016年09月12日 | 学会 勉強会


日時: 平成 28 年 9月 27 日(火)19:00~21:00
会場: ウエスタ川越 2階 活動室1 埼玉県川越市新宿町1-17-17 TEL. 049-249-3777

~プログラム~
座長:飯田英信(いいだひでのぶ)先生 医療法人西川病院 
【教育講演】
「血糖調節障害と副腎疲労」竹野良平(たけのりょうへい)先生
社会医療法人財団石心会 埼玉石心会病院 メンタルヘルス科副部長
【特別講演】
「栄養学と減薬」奥平智之(おくだいらともゆき)先生
医療法人山口病院精神科部長/東京女子医科大学東洋医学研究所
新宿溝口クリニック

*どなたでもご参加いただけます。
*事前申し込みは不要です。当日、会場にお越しください。
*薬剤師の方は、認定薬剤師1単位が取得できます。
*教材:2000円
*軽食、スライド教材をご用意しております
*お問い合わせ 松山 090-6480-1964
http://www.j-np.net
https://www.facebook.com/nutrition.psychiatry

共催:日本栄養精神医学研究会Japanese society of Nutritional Psychiatry
川越市薬剤師会、狭山市薬剤師会



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栗木安弘先生&奥平智之先生 座談会のご案内 ~食事栄養療法俱楽部2016in神戸 第二部~

2016年09月12日 | お知らせ


2016年10月1日(土)17~19時

◎栗木安弘(くりきやすひろ)先生
甲子園栗木皮膚科クリニック 院長
http://www.kuriki-clinic.net
http://kurikiclinic.blog25.fc2.com


◎奥平智之(おくだいらともゆき)先生
医療法人山口病院(川越)精神科部長/新宿溝口クリニック
埼玉メンタルヘルス交流会 会長 
食事栄養療法俱楽部 代表
http://www.saitama-m.net
https://www.facebook.com/eiyou.med
http://www.saitama-m.net/cont9/main.html

参加費:無料。飲食代のみ各自。
第一部:兵庫県神戸市中央区神戸港地方口一里山 「ジャンカルド」 Tel 0782515268にて、
マリー秋沢先生(ビューティーニーズ代表 /栄養士)  http://beautyneeds.net と、奥平智之先生を囲んで座談会がございます。

第二部:神戸三宮駅 周辺
事前申し込みが必要。定員になり次第締め切りとさせていてだきます。
申込方法:所属、役職、資格、当日の連絡先、住所、参加理由などの自己紹介を添えて、 syokujieiyo@gmail.com にご連絡をお願い致します。
参加条件:原則として、医師、栄養士などの医療関係者で栄養学的なアプローチに関心が高い方


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コ2 漢方入門 腹診第3回

2016年08月27日 | お知らせ
コ2 漢方入門 腹診第3回

ちょっと間が空いてしまいましたが、引き続き連載をしていきますので
よろしくお願いいたします。



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「週刊大衆」に連載中です

2016年08月19日 | お知らせ
週刊大衆

「0円健康法」に4回の連載中です。

熱中症、夏バテ、便秘、痔

についてです。

興味のある方は勇気を出して(笑)ご購入ください。


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「井見集 附録」が出版されました

2016年08月17日 | 古典・書籍
寺澤捷年先生の解説付きで出版されました。

お手伝いを始めたのが故・ジャーナリスト油井富雄さんが亡くなった直後の4年ほど前
ですから月日の経つのは早いものです。

序文に寺澤先生の熱い思いが綴られておりますので、許可を得て掲載いたします。

ご購入はあかし出版へお問い合わせください。
(定価10000円+税・送料です)


序文
 このたび山田業精先生の遺稿『井見集』および『附録』を約百年後に電子入力によって世に出すことになった。日本漢方が到達した一つのたおやかな高峰の輝く姿を目の当たりにして私は非常な感動を覚えている。
本書に取り組む契機になったのは北里研究所・東洋医学研究所・医史学研究部の小曽戸洋先生の強いお勧めによるものであった。今から四年前のことである。この遺稿に対峙するには相応の国語力と臨床経験がなければならない。ちょうどこの頃、私は『吉益東洞の研究』(岩波書店・二〇一二年)を出版したが、小曽戸先生はこの実績を評価して下さり、私に白羽の矢を立てたのであろうと考える。
そこで早速に本書を通読したところ、これはわが国の漢方医学が到達した一つの偉大な高峯であることを知った。これを埋もれたままにしておくことは出来ない。私に課せられた重大な歴史的使命であると悟った。本書はこれまでに治験録部分を抜粋した『近世漢方治験選集(一三)』(名著出版)が出版されており、更に本書の底本としたオリエント出版の『臨床和方治験選集(第二冊)』(一九九七年)があるが、これらは遺稿を影印出版したものである。これらには大きな二つの不便がつきまとっている。ひとつは「検索」が不可能なこととであり、もう一つは手書きの草稿であるため読解不可能な箇処が数多く存在していることである。
本書はこの遺稿の電子入力を第一の目的としたが、その最大の利点は索引の作製が極めて容易になり、本書の臨床的利用価値が飛躍的に高まることである。しかし、この電子入力の作業は容易なことではなかった。山田業精先生の遺稿は縦書き原稿用紙に毛筆で手書きされたものである。今回定本としたオリエント出版のものはこの原稿用紙四葉を上下に配置し一頁に収めたもので、全五〇三頁の大作である。私は試みに一頁の電子入力を実行したところ約二時間を要した。これは難解字・難読字、そして略字・異体字の解読を含む作業が伴うために要した時間である。この試行的作業によって得た結論は、この入力作業を私一人でやり遂げることは不可能であるということであった
そこで友人の助力を得ることとしたが、この作業を実行できる人材は容易には見いだせなかった。その理由は漢方医学に関する知識を十分に有し、しかも国語力の高い人でなければならないからである。困り果てて居た折りに協力者として名乗りをあげて下さったのがジャーナリストの油井富雄氏である。油井富雄氏が名乗り出て下さらなければ本書の出版はなかったのである。ところが、不孝なことに油井富雄氏はこの作業を開始した約四ヶ月後に突然急逝されたのである。しかし「至誠天に通ず」の言葉どおり、天は私を見捨てなかった。油井氏と親交の厚かった山田真知子女史がこの緊急の事態を知って協力してくれることになったのである。山田女史は漢方医学関連図書の編集作業の経験の持ち主で、多忙な日常生活の中で多くの貴重な時間を割いて入力作業に取り組んで下さった。そして更にその数ヶ月後には油井氏と山田女史お二方と親交の厚かった平地治美女史が協力を申し出て下さったのである。平地治美女史は薬剤師と鍼灸師免許の持ち主で。私の勤務先病院の至近で鍼灸院を開業しており日常的にお世話になっている方である。お二人の協力が得られたこの時点で山田女史は『井見集』本論の入力作業中であったので、平地女史には末尾の『附録』巻九から溯上する形で作業に加わって頂いた。トンネル掘削に喩えると出口・入口の双方から掘削作業をして頂いたのである。兎も角もトンネルを貫通させなければならないと私は考え、難解文字や不明な文字は□で入力頂き、その箇所は時間を掛けて私が埋めて行くという手順を採用した。またお二人の入力下さった文書について、原文と照合しながら〔語釈〕の作業を並行して行ったのである。トンネルの貫通は二〇一三年十二月であった。
 ところが貫通と同時に新たな問題があることに気づいた。それは本書に登場する極めて多数の生薬と漢方方剤についての調査である。この難題に取り組んで下さったのが富山大学・和漢医薬総合研究所・附属伝統薬物研究センターの伏見裕利准教授であり、その令夫人・直子女史である。伏見裕利ご夫妻は本書にしばしば引用されている『証類本草』に精通している薬学者である。この作業に約一年間を要した。
 その間、私は【臨床の目】を執筆する作業を行ったが、読み進む内に山田業精先生から「それで平成の漢方は如何。お主の考えを聞きたい」との声が心に響いた。この心の響きに導かれて「心下支結」「正中芯」「立位診」「心下痞鞕」「胸脇苦満」に関する論説や原著論文を日本東洋医学会雑誌に投稿したのである。これらの論文を投稿するためには各々数ヶ月を要した。その間は本書の作業は中断されたので、本書の出版計画を立ててから瞬く間に四年間の歳月が経過してしまったのである。
 この【臨床の目】を書くことを実は私は当初、非常に躊躇した。その理由は二〇一五年時点での医学知識、しかも私の個人的能力の範囲でコメントすることは、五〇年も経過すれば物笑いの種にされかねない。むしろ何のコメントも加えずにそのままを出版するのが良いと考えたのである。この躊躇の心を娘・礼子に打ち明けたところ「後世の批判に曝されるのは当然で、先人の誤りを乗り越えるところに学問の進歩があり、本質がある」と諭されたのである。そこで気を持ち直して【臨床の目】に挑むこととなったが、これにはもう一つの利点があって、現代医学的な病名をここに記しておくと、現代病名から該当箇所を検索できることになるのである。これは本書の利用価値を高めることになる。もう一つ心懸けたことは絶え間なく進歩する診断・治療学の大きな歴史の流れ中に我々は生きているといことを、特に若い学徒に伝えることである。この意図を汲んで【臨床の目】をお読み頂ければ幸いである。
 さて、本題に入りたい。本書の著者・山田業精先生についてである。業精先生は一八五〇(嘉永三)年に生まれ一九〇七(明治四〇)年にお亡くなりになっている。享年五八歳であった。先生はその父君・山田業広(一八〇八―一八八一)の次男として誕生し、儒学の学習と共に父君から漢方医学を学んだ。本書には父君の診療に陪席して見聞した明治五(一八七二)年から晩年の明治三九(一九〇六)年十一月までの治験や医論が記されている。『附録』には晩年の体調不良の様子が記されているが、毛筆で手書きされた草稿の巻九の文字はそれまでの凛々しい力強さが失われており、体調が良くない状況で記されていることが分かる。
 ところで、本遺稿が執筆された動機は明らかである。それは漢方復興運動の最終段階でこの伝統医学が如何に有用であるかを広く世間に知らしめる必要に迫られたからであった。
なぜこの様な推論が成り立つか。それは『附録』中に記された「序文」の草稿が明治二十七(一九〇一)年四月となっており、この年の一〇月に開会された第八回帝国議会でこの案件が審議されることになっていたからである。誠に残念なことにこの帝国議会で漢方医学の存続は否決されたのであった。この悲惨な結果が齎された後にも業精先生は臨床に励み本書の執筆を継続された。従って本書を通読すると、本論から『附録』の前半までは国会闘争を明確に意識して執筆され、国会で否決された後は、自らが獲得した知識を後世に書き残しておくという意識の下になされていることが明らかである。
 業精先生は二〇歳(一八六九年)の時、高崎藩主の命により東京大学医学部の前身である大学東校に入学し、二年間の西洋医学の教育を受けたが、廃藩置県によって中退を余儀なくされている。しかしここで得た西洋医学の解剖学あるいは病理学の知識はその後の医論形成に大きく影響しており、漢方復興運動に際しても双方の有用性を活かすことと、漢方医学そのものも西洋医学の知識によって新たな理解が可能であり、この路線を採用すれば漢方医学の更なる発展が望めるという思想を形成するに至ったのである。
 この業精先生の医療哲学は復興運動に加わっていた守旧派の厳しい批判に曝された。父君・山田業広先生が初代社主を務めた政治結社「温知社」から業精先生は脱退しているが、その大きな理由はこの守旧派との争いが無意味なことを悟ったからであると私は考えている。先生の形成された医療哲学は私が現在開拓している「和漢診療学」とも重なるもので、私自身も先生と同様の苦渋を味わってきたのである。それは大学医学部で漢方医学の臨床・教育・研究をする立場は純粋に漢方医学に専念している人々からは大いに批判された。他方、西洋医学の牙城である医学部内にあっては異端児的存在であり、私は誰からも理解されない孤独な闘いを強いられたからである。和漢診療学という名称を用いた理由もここにあるのであって、漢方医学という言葉の持つ呪縛からこの学問体系を解き放ちたいと考えたからである。
 本書には山田業精先生の豊富な知識と臨床経験が記されているが、先生はその効果があるものは民間療法であれ、古典に記されていない方剤であれ幅広く採用している。医療の本来の面目は、「あらゆる知識を動員して患者を救うこと」である。政治的には抹殺された漢方医学の叡智を後世に書き残しておく。先生の遺言書として本書は存在するのである。この遺徳にどの様に応えるか。本書を熟読玩味し、自ら深く考えなければならない。
            
  二〇一六年五月              寺澤捷年 識

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