解放のゆくえ --イラクは今 第5回 米中間選挙に見るイラク情勢/イラク情勢ニュース

2006-10-22 12:56:51 | イラク

イラクでは20日、イラン国境から約50キロしか離れてない南部のアマラで、マフディ軍が警察署を襲撃して全市の統制を掌握したというニュースが入った。アマラはバグダッドとバスラのあいだ、チグリス川沿いにある人口30万人ほどの都市で、今年8月にイギリス軍からイラク側に治安権限が委譲されたばかり。イラク政府は急きょ、緊急展開部隊をアマラに派遣し、イギリス軍の部隊も待機状態にあるという。

URUK NEWS イラク情勢ニュース           
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2006/10/22 (日)

  [飛耳長目録 today's news list]

☆解放のゆくえ --イラクは今・・・ 2006/10/22
  第5回 米中間選挙に見るイラク情勢

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☆★米中間選挙に見るイラク情勢
解放のゆくえ --イラクは今・・・  by山本史郎
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http://www.geocities.jp/tomesannew/uruknews_Shiro_Yamamoto.html

 イラクでは20日、イラン国境から約50キロしか離れてない南部のアマラで
、マフディ軍が警察署を襲撃して全市の統制を掌握したというニュースが入った
。アマラはバグダッドとバスラのあいだ、チグリス川沿いにある人口30万人ほ
どの都市で、今年8月にイギリス軍からイラク側に治安権限が委譲されたばかり
。イラク政府は急きょ、緊急展開部隊をアマラに派遣し、イギリス軍の部隊も待
機状態にあるという。

 その後もマフディ軍がアマラを支配しているかどうかについては、幾つかの異
なる情報が錯綜していて定かではない。この直前のアマラの状況については、英
・ガーディアン紙の取材によると、犯罪者集団、テロリスト、複数の民兵組織、
政治勢力が互いに武器もとって戦う戦場となっていて、誰が誰か一般市民には判
らない状態だったと地元住民が語っている。

※ Shia fighters seize Iraqi city
http://www.guardian.co.uk/Iraq/Story/0,,1927685,00.html
 

■米中間選挙に見るイラク情勢

 バグダッドの惨状とあわせて、混沌状態には違いないが、マリキ政府(と占領
当局)に統治能力がないというべきか。統治能力というより、彼らアメリカの占
領当局から認知された傀儡(かいらい)勢力には、最初からあるのは野心ばかり
で、国を治めるとか、国民生活の安定や公共サービスを保障するといった最低限
の意識さえもないようだ。ある意味、ブッシュ政権が掲げた「イラク解放」の内
実とはこの程度のものだと教えている。

 イラク戦争の泥沼化はここにきて一気にアメリカ国民に強い関心を集めている
。それはブッシュ大統領の指導性に対する不信、偽りの「大儀」によって国民が
イラク戦争に引きずりこまれてきたという不信であり、イラク情勢が泥沼化すれ
ば早晩、直面することがわかっていた事態でもある。ブッシュ陣営と共和党は、
前回の大統領選挙ではイラク政策で明確な方向性を出せない民主党に助けられ、
「決断力がない」と民主党を非難することで勝利したものの、今はそのようなレ
トリックが通用しない状況に陥ってしまった。

 最近の各種世論調査においては、大統領の不支持率はつねに3分の2前後であ
り、イラクからの撤退を求める世論も高まっている。これを反映して、中間選挙
を控えたアメリカの各地で苦戦する共和党候補者が、いつまでイラク駐留を続け
るか、誰がイラク戦争を指導すべきかをめぐって、ホワイトハウスとの違いを強
調する場面が相次いでいる。

 ロサンゼルス・タイムズ紙の10月20日付によると、例えばワシントン州で
は、共和党の上院議員候補がラムズフェルド国防長官の辞任を要求した。これは
今週に入ってのことだが、同様の姿勢は既にコネチカット州(下院)、ニュージ
ャージー州(上院)でも共和党候補が見せていた。また、ミネソタ州とアイオワ
州では、再選をめざして苦戦する下院議員がイラク撤退を求め、バージニア州と
テネシー州では、共和党候補もイラク政策を転換しなければならないと訴えてい
る。

※ GOP's Solidarity on War Is Cracking
http://www.latimes.com/news/nationworld/nation/la-na-iraqpol20oct20,0,6610252.story?page=1&track=tothtml


 これは最近の数ヶ月、特に夏以降に顕著になった傾向で、両党の戦略家や世論
調査員ともに共通して、米軍兵士の犠牲が増大しイラク国民の流血事件が増えた
ことがイラク戦争への国民の信頼を低下させたと分析している。最新のCNNの
世論調査では、イラク戦争を支持する者が34%だったのに対し、反対だと答え
た者は64%にのぼった。

 ロサンゼルス・タイムズ紙は、イラク戦争によってテロの脅威が拡散されたと
した諜報機関の報告書と、上院軍人委員会のワーナー委員長など共和党重鎮が政
府のイラク政策に疑問を提示したことで、国民の不満はさらに加速したと分析し
ている。

 他方、ブッシュ大統領とラムズフェルド国防長官は国内世論の批判に押されて
防戦につとめ、「任務を完了するまで」方針転換もイラク撤退もないと繰り返し
ているが、はたしてアメリカ国民を説得できているか。中間選挙の結果に反映さ
れるだろう。

 ラムズフェルド国防長官は、治安権限をイラク側に渡すアメリカの戦略が「ま
っすぐ順調に平坦な道」ではないだろうと認めたが、それはこの戦略が失敗した
という意味ではないと開き直っている(ワシントン・ポスト10月21日付)。

※ Bush: No Iraq Pull Out Until 'Mission is Complete'
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2006/10/21/AR2006102100360.html

 だが、かつてイラク戦争を強く支持した共和党の候補者からも、厳しい選挙情
勢のなかでラムズフェルド辞任を求める声が相次ぐ(例えばコネチカット州やバ
ージニア州)。しかもこうした動きは、けして個別の共和党議員の動向といった
レベルにとどまらない。

 老ブッシュとも長年の親交があるベーカー元国務長官を委員長とする超党派の
諮問委員会が、現行のイラク政策見直しを検討しているが報道されている。イラ
クからの米軍撤退、シリアとイランとの交渉といった内容が選択肢にあがってい
て、イラク戦争の泥沼化と行き詰まり状態はアメリカの深刻な国内問題と化した
ようだ。

 (つづく)


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