「男女平等条例」改廃案で攻防-千葉県市川市議会/世界日報

2006-12-04 23:10:09 | 社会

「ジェンダー」一掃し性差尊重の新条例案

反対派はフェミニストに呼び掛け成立阻止狙う

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条例案を審議する千葉県市川市議会(11月29日)
 「静粛に願います」

 議長の声が何度も議場にこだました。

 市川市議会の保守系四会派(二十三人)の代表が提出した同条例案をめぐって、他の四会派(十八人)がこれに反対、議会を二分する攻防が展開された。二日間にわたって行われた質疑では、質疑者が十五人に及び、異例の定例会となった。

 提出者代表の高安紘一議員の答弁に、反対派議員は野次(やじ)で応酬。加えて反対派の一般傍聴者数十人が、反対派議員の質疑に対し拍手を送る一方、高安議員の答弁に野次を飛ばす。反対派会派出身の佐藤義一議長は騒然とする傍聴席に向かって「気持ちは分かりますが、静粛に願います」と、しどろもどろ。ルール無視の行為を増長させるばかりで、議事は中断を繰り返した。

 現行の同市男女平等基本条例は四年前、石崎たかよ議員らが中心となって超党派議員の提案により、全会一致で成立した。

 条文は、男による女への差別は、「男は仕事、女は家庭」といった男女の役割を固定的にとらえる社会的、文化的に培われてきた性差「ジェンダー」から生まれている、という考え方が基調となっている。男女平等社会実現の障害となっているのが性別役割分業意識だと規定し、「男女が性別にかかわらず個人として尊重される社会」を目指し、「男らしさ、女らしさ」といった男女の特性を否定する意図が前面に打ち出されている。

 また、子供を産むか否かの決定は女の権利だとする「性と生殖に関する健康と権利」を明記する。これは一方的な女性の権利の主張で、両性尊重の精神に反するばかりか、胎児の生命軽視につながり、刑法の堕胎罪に抵触し母体保護法にも違反すると指摘されている問題ある文言だ。

 学校教育にも、ジェンダーに捕らわれない教育、性別に捕らわれない男女混合名簿の採用、性と生殖に関する健康と権利を学ぶ教育の実施を求めている。

 これに対し、高安氏らはジェンダーフリーについて「フェミニスト、コミュニストら一部の過激な論者の思想、用語で、極めて戦略的、恣意(しい)的に全国に普及させている」と分析する。このため、条例の一部修正では不十分と判断し、条例案から「行き過ぎた性差の否定だ」としてジェンダーの概念を一掃した。

 さらに、「女性が家庭から出ることが推奨され、専業主婦がさげすまれる社会的風潮がつくられた」と批判。「その結果、空洞化した家庭の中にお年寄りや子供が取り残され犠牲になっている」と、深刻な社会問題となっている老人介護や、子供の教育・しつけにかかわる問題の背景に、ジェンダーフリー思想が潜んでいると指摘する。

 そこで条例案では、「性差」と共に「家庭」を尊重し、「父性、母性の役割の重要性」を強調。「子を産むという女性のみに与えられた母性を尊重するとともに、育児における父性と母性の役割を大切にし、心身ともに健康で安心して暮らせる家庭」を実現すべきだとしている。

 学校教育においては、性差の区別と差別を混同することのない教育を求めている。自民党「過激な性教育・ジェンダーフリー教育実態調査プロジェクト」の調査によると、ジェンダーフリーの教育現場への浸透により、「男女同室着替え」「男女混合名簿」「男女騎馬戦」、さらに、過激な性教育など、三千五百二十件の問題事例が確認されている。

 高安氏らは「市川でも条例制定後、同様の問題事例が起き教育現場が混乱している」として、男女混合名簿の廃止、男女別室での着替えなど、思春期の性別に配慮した教育、心と体の発達に応じた性教育などを明記した。

 全国フェミニスト議員連盟代表でもある石崎議員が中心となって作成した現行条例は、ジェンダーフリー推進派にとっての男女共同参画社会基本条例の模範型だ。推進派にとっては何が何でも死守しなければならないいわば本丸で、今回の条例案提出に反対派議員は「これが通ったら大変だ。全国に波及する」と危機感を募らせている。

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条例の改廃反対を訴える市議ら=11月23日、JR市川駅前
 石崎氏は、佐藤議長あてに条例案の取り下げを求める申し入れを行うよう、全国のフェミニストのネットワークに働き掛けた。これを受ける形で佐藤議長は条例案提出の取り下げを打診したが、高安氏はこれを拒否。

 高安氏は、反対派議員の集中砲火を一身に浴びる格好になったものの、反対派の「高安氏を含む全会一致で成立した条例の否定は、議会に対する冒讀(ぼうとく)だ」との批判に対しても、「条例制定後、市川市でもさまざまな問題が起きている。すみやかに見直すのは議会の役割だ」と反論。

 さらに、条例案提出の意義について、(1)日本の歴史と文化、宗教観を否定し、性差を否定する過激な思想を排除する(2)思想的背景があるものを子供に刷り込むことを防ぐ(3)過激な条例に対する良識ある男女の公正な判断を促す――の三点を挙げながら、「基本法の問題点を明らかにし、ジェンダーフリー思想排除の成功例を市川から全国に発信したい」と、成立への意気込みを語る。

 ただ、賛成派は今のところわずかの差で優位に立っているが、反対派が個々の議員に対しても攻勢を強めている。条例案成立の可否は最後まで予断を許さない状況だ。

http://www.worldtimes.co.jp/j/tokyo/kr061203.html

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1 コメント

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統一教会の (手先になって)
2006-12-05 12:59:47
時代錯誤を推進したい性差別派は、本当に恥ずべき宗教右翼だと思います。

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