受信料不払い NHKが法的措置 政府の罰則化に抵抗/毎日新聞

2006-11-29 23:24:00 | 社会
受信料の強制徴収。この方針は、28日開かれたNHKの最高意思決定機関「経営委員
会」(委員長=石原邦夫・東京海上日動火災保険社長)に報告され、出席した全委員
から異論が出ないまま了承された。

 「あくまでも自立的な取り組みで、受信料制度をリカバリーさせたい」。先月5日
、NHKの橋本元一会長は、そう意図を説明した。

 放送法は、32条でテレビを持つ世帯・事業所にNHKと受信契約を結ぶことを義務づ
けているが、支払い義務と不払いに対する罰則を規定していない。今回の督促は、契
約を結びながら受信料を払わないのは「契約不履行」にあたるとして行う民事手続き
だ。

 NHKが念頭に置いているのは、政府の動きだった。

 6月にまとまったNHK改革を巡る政府・与党合意では、受信料の支払い義務化につい
て早急な検討を行い、その後は必要に応じて罰則化を検討することが明記された。菅
義偉総務相は、来年の通常国会に提出する改正案に義務化を盛り込むかどうか「来年
3月までに結論を出す」としているが、不払い世帯に割増金を科すなどの制度を具体
的に検討しており、次期国会で義務化を含めた法改正が論議されるのは確実視されて
いる。

 NHKは「契約を義務づけている現行法よりも、視聴者に支払い根拠が分かりやすく
なる」として義務化に賛成。しかし罰則化は「国営放送的な色彩が濃くなる」と反対
している。割増金制度についても「罰則的な意味合いが強くなる」として、警戒感を
募らせる。

 あるNHK幹部は「先に法律で義務化され、その効果が出なかった場合は罰則化の道
しか残らない。NHKの自助努力の結果を見てから、制度改正の中身を決めてもらいた
い」と、法改正案提出前に法的手続きを取る意義を強調し、政府・与党に主導されが
ちな改革論議をけん制する。

 ◇既にアナウンス効果~~支払い再開、多数申し出

 最初に督促が行われる東京23区内では、不払い世帯・事業所19万件から無作為に70
0件を抽出。家計の事情で支払いが困難などの特殊ケースは除外し、説得と「最後通
告」を行っても支払いを拒否している33世帯について、東京簡裁に申し立てを行う。

 今回の措置で全額回収できたとしても196万円程度。一昨年7月の不祥事発覚以来増
え続けた支払い拒否・保留(9月末現在で112万1000件)の影響で昨年度決算に計上し
た受信料の減収385億円(前年度比)を補うにはほど遠い。今年度中に神奈川県など
でも督促準備に入るが、手続きの費用がかさむため、全国に網をかけるまではまだか
なりの時間がかかるものとみられる。

 一方、「法的手段に訴えてでも不払い分を徴収する」という方針は、副次的効果を
もたらした。NHKが第1弾の督促対象を47世帯1事業所に絞ったと発表したのは先月5日
。その後5日間で、1460件もの支払い再開の意思表示があった。ある幹部は、年内に
支払い拒否・保留件数が100万件を下回る見通しを示したうえで、「思っていた以上
の回復ぶりで、順調に行けば予算より100億円の増収も見込める」と、アナウンス効
果に期待を寄せる。

 不払いとともに、受信料制度の不公平感を高めているのが、テレビを持ちながら受
信契約を結んでいない問題。NHKは督促に続き、未契約世帯・事業所に対して受信契
約を結ぶよう求める民事訴訟を起こす方針だ。しかし、一般世帯を提訴するためには
、対象世帯などがテレビを持っていることを証明することが必要で、困難が予想され
る。

 ◇不信強まる恐れも~~服部孝章・立教大教授(メディア法)の話

 受信料の不払いが広がったのは、NHK職員による不祥事や、従軍慰安婦を取り上げ
た特集番組で政治との距離が問われたことなどが原因だ。短波ラジオ国際放送に対す
る命令放送問題では、NHKが監督官庁の総務省にも毅然(きぜん)とした姿勢を示せ
ないことを改めて印象づけた。受信料の公平負担は重要だと思うが、NHKが視聴者に
こうした問題で十分説明を尽くしたとはいえない状況での見切り発車によって、NHK
不信がさらに強まることにもなりかねない。



▽詳細
http://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/it/coverstory/news/20061129org00m300056000c.html
ジャンル:
その他
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