NTT労組から民主党へ総額1億円超 企業と政界つなぐ「労組マネー」/My News Japan

2010-11-12 08:12:22 | 社会
田嶋、菅、原口、仙谷、枝野…NTT労組から総額1億円超 企業と政界つなぐ「労組マネー」(黒薮哲哉 03:01 11/12 2010 )
http://www.mynewsjapan.com/reports/1332
 
9月に公開された2009年度の政治資金収支報告書によると、NTT労組の政治団体「アピール21」から、総額1億円を超える政治献金が民主党議員へと流れていたことが分かった。
NTTグループは今年に入って1年足らずの間に約50億円の公共事業を受注。
1件当たり契約額が1億円未満の企業・団体から「党本部への」献金を解禁する方針を決めた民主党だが、将来、企業・団体献金が禁止された場合も、このように、労組マネーが抜け道として利用される可能性が高い。
労組が、国や自治体から公共事業を請け負うことは絶対にありえないからだ。
(NTTグループが受注した契約額1億円超の公共事業はエクセルダウンロード可)

民主党政権の成立で旧来の利益誘導政治は終わるはずだったが、実態はむしろ露骨になっている。
NTT労組の政治団体である「アピール21」の政治資金収支報告書を見る者は、自民党政権下の利益誘導型の政治を連想するに違いない。
 政治献金を批判していたはずの民主党議員へ、多額の献金が洪水のように流れ込んでいるからだ。
たとえば2009年度の「寄付金」欄ひとつにしても、そうそうたる議員名と受取額が記されている。

議員名    金額
田嶋要   1000万円
菅直人    500万円
原口一博   500万円
仙谷由人   400万円
枝野幸男   400万円

 その他、2009年度に寄附金を受けた者は、20名(地方議員も含む、詳細は後述)。
総額は6235万円になる。

田嶋要議員は、このほかにも「資料費」として400万円受け取っている。
総額にすると献金額は1400万円。
08年度にも、「アピール21」から、やはり1400万円を受け取っている。

 2009年度に「アピール21」から民主党議員へ支払われた政治献金(「セミナー料、会費等」、「資料費」、「推薦料」、「寄付金」)の総額は、1億円を超える。
これらの資金は、NTT労組の組合員から組合費として強制的に集められている可能性が高い。
*この部分は正しくない。「アピール21」は、組合員のうち民主党支持者(NTT労組は民主党支持を機関決定しているが組合員個々の政党支持を拘束してはいない)を組織した政治団体で、個別組合員が強制加入させられているわけではない。

 政治献金は、国政にどのような影響を及ぼしている可能性があるのか。この点を検証する前に、政治献金を批判していた民主党へ多額の献金が流れ込む「裏ルート」について解説しておこう。

◇盲点になっている「労組マネー」
 2009年8月の衆院選で民主党が圧勝して新政権が誕生した。この選挙のマニフェストで民主党は、企業・団体献金の全面禁止を宣言している。内容は「政治資金規正法を改正し、その3年後から企業・団体の献金及びパーティー券購入を禁止する」という立派なものだった。

 ところがそれから1年が過ぎた今年の10月、条件付きで献金再開を決めた。その条件とは、国や自治体から1件につき1億円を超える額の公共事業の契約がある企業からは、政治献金の受取やパーティ券の購入を禁止するが、それ以外の企業からは、献金を受け取るというものである。

 単純に考えれば、この新ルールを設けることによって、政治献金を受け取るものの、それにより政策決定が影響を受けない仕組みが構築されるようにも思える。

 が、実は新ルールを骨抜きにするある「裏ルート」が残されているのだ。労組を政治献金の提供元にする方法である。

 改めて言うまでもなく、労組が国や自治体から公共事業を請け負うことは絶対にありえない。と、なれば親会社が、1億円を超える公共事業を受注していても、労組からの献金であれば、新ルールには抵触しないことになる。

 このような巧みなからくりが典型的に観察できるのが、NTTグループとその労組である「アピール21」、さらに民主党の関係である。すなわち「アピール21」から民主党へ献金を行うことで、NTTグループは新ルールを有名無実にしているとも解釈できるだろう。

 連合系のNTT労組が会社側と対立関係にあるとは考えられない。

◇39件の公共事業、約50億円
 さて、NTTグループは、どのような公共事業を受注しているのだろうか。また受注した公共事業の契約金の額は、どの程度になっているのだろうか。

 結論を先に言えば、1億円や2億円の規模ではない。仰天するような莫大な額が国家予算から支払われているのだ。

 わたしは2010年の1月から8月を対象にNTTグループが国から請け負った公共事業の種類と金額を調査した。裏付けとした資料は、総務省が保管する「公共調達の適正化について(平成18年8月25日付財計第2017号)に基づく随意契約に係わる情報の公表」と題する文書と、「公共調達の適正化について(平成18年8月25日付財計第2017号)に基づく競争入札に係わる情報の公表」と題する文書である。

 これらの資料によると、NTTグループが受注した公共事業の総額は、わたしの集計に見落としがなければ、49億7001万7382円になる。総件数は39件。このうち契約金が1億円を超えているのは、13件(詳細については、記事末尾にてエクセルのデータをダウンロード可)である。

 民主党は国や自治体から1件につき1億円を超える額の公共事業の契約がある企業からは献金を受け取らない方針のようだが、NTTグループの例に見られるように、労組からの献金であれば無制限に受け取るということらしい。

http://www.mynewsjapan.com/reports/displayimage?file=ReportsIMG_H20101111065404.jpg

◇情報通信議員連盟の設立
 政治献金を送る側は、金を寄付することで、政策決定に影響を及ぼそうとする。
たとえば新聞人たちは自民党議員に政治献金を払うことで、再販制度を防衛している。
このような観点から、民主党の動きを検証してみると、通信事業者のために熱心に働いている事実が浮上してくる。

 もっとも電波政策の策定にかかわっている議員の全員が「アピール21」から政治献金を受け取っているわけではないが、民主党が通信事業者に有利な政策決定をしていることに疑いはない。

 電波や通信に関連した政策をつくるうえで、もっとも熱心な議員は、原口一博議員である。
たとえば大谷啓衆議院議員(民主)のブログに、原口議員に関する次のような記述がある。
今年の3月10日付けのものである。

  昨夕、原口総務大臣の下で、第一回の情報通信政策勉強会が行われました。
  新人議員を中心に十数名の議員が集まり、これから半年くらいの議論を通じて、新政権としての情報通信政策を
  作っていこうというものです。
  原口大臣より、野党時代の民主党のように活発な議論をしたいという話があり、また彼の考えるICT分野での
  ビジョンについても説明がありました。
  先にもお話しした通り、これまではIT戦略は完全に失敗に終わっており、国際競争力の低下は否めない現状が
  あります。 
  しかし、これからの成長戦略を考えれば、まだまだ潜在力はあるはずで、産業としてのICT+道具としてのICTと
  いう組み合わせで、国内での普及をもっと図れば、必ず国際競争でも勝ち抜けるはずだと確信しております。

この勉強会を受けて3月17日に、情報通信議員連盟が設立される。やはり民主党の衆議院議員・おのずか勝俊氏のブログによると、当初、議員連盟には103名が加わり、「会長には、佐藤公治参議院議員が就任」したという。

 また、第1回の会合には、次の業界団体が参加したらしい。

※日本民間放送連盟の広瀬道貞会長(元・テレビ朝日社長)

※日本ケーブルテレビ連盟の唐沢俊二郎理事長(元・郵政大臣、元・自民党総務会長)

※ブロードバンド推進協議会

※情報通信ネットワーク産業協会

※電気通信事業者協会

※電波産業会

 ちなみに電波産業界というのは、電気・通信関係の企業で構成する業界団体である。27名の役員のうち、NTTグループは、実に6名を送り込んでいる。ソフトバンクの孫正義氏も役員である。
http://www.mynewsjapan.com/reports/displayimage?file=ReportsIMG_G20101111065704.jpg

議員連盟設立の経緯については、事務局長の高井たかし議員も、みずからのブログに次のように書いている。

  原口大臣や議員有志と相談し、佐藤公治議員(参・広島)に会長を、黄川田徹議員(衆・岩手)、笠浩史議員
  (衆・神奈川)、岩本司議員(参・福岡)に副会長を、羽田雄一郎議員(参・長野)に幹事長をお願いし、
  私は事務局長をやらせてもらうことにした。

現在の議員連盟会長は、原口一博議員である。こみやま素子議員の2010年10月27日付けブログによると、「民主党情報通信議員連盟の総会が開催され」「今回、会長が佐藤公治参議員から原口一博前総務大臣に交代」し、小宮山氏自身は「従来同様に副会長を務めさせていただくこと」になったという。

◇原口総務大臣の「光の道」構想
 2010年5月18日、原口総務大臣(当時)は、 「光の道」構想を発表した。これは総務省によると、「2015年頃を目途にすべての世帯でブロードバンドサービスを利用」する環境を整える構想である。

 総務省の「『光の道』構想実現へ向けて‐基本的方向性」と題する文章によると、「想定される技術としては、 FTTH」が中心になるが、その他に無線ブロードバンド通信システムも想定されている。「コスト負担面での優位性が認められる」からである。

 無線ブロードバンドというのは、ケーブルの代わりに電波でパソコンを機能させる技術である。当然、携帯電話と同じように基地局の設置が不可欠となる。

 実際、無線ブロードバンド事業を推進しているUQコミュニケーションズは、現在、凄まじい勢いで全国に基地局を設置している。UQコミュニケーションズと住民の間には、基地局の設置をめぐるドラブルも発生している。

 「光の道」構想が通信事業者に莫大な利益をもたらすことはいうまでもない。

◇内藤総務副大臣と電波政策
 話は前後するが、昨年11月、総務省は「新たな電波の活用ビジョンに関する検討チーム」を発足させている。これは「新たな電波の有効利用の方向性を検討し、その実現に向けた具体的な提言を策定することを目的」としたものである。

 この検討チームの構成委員には、内藤正光総務副大臣(民主・当時)が名を連ねている。内藤副大臣は個人として2009年度、「アピール21」からの資料代だけで250万円の提供を得ている。

 2010年3月1日には、総務省と電波産業界が明治記念館で「電波の有効利用に関する国際シンポジウム」を共催し、内藤副大臣がみずから基調講演を行った。各種のメディア報道によると、この中で内藤大臣は、「ホワイトスペース特別区(仮称)」を2010年7月以降に創設すると提唱した。

◇政治資金の受取人と金額
 さて、「アピール21」が捻出した献金の送り先と議員名を検証してみよう。

【セミナー料、会費等】
仙谷由人 60,000
小沢鋭仁 200,000
羽田孜・羽田雄ー郎 100,000
古川元久 60,000
樽床伸二 100,000
仙谷由人 60,000
民主党パーティ会員 1,500,000
赤松広隆 500,000
川端達夫 100,000
松野頼久 200,000
赤松広隆 400,000
おおさか誠二 100,000
古川元久 100,000
仙谷由人 60,000
小平忠正 100,000
小沢鋭仁 60,000
安住淳 200,000
菅直人 500,000
前田武志 60,000
田村謙治 60,000
仙谷由人 500,000
松野頼久 200,000
林久美子 50,000
西村ちなみ 250,000
石井一 60,000
小沢鋭仁 60,000


【資料費】
 資料費とは、後援会ニュースなどを買い取ったときに発生する費用のことである。
資料費は延べ147人へ、総額3462万1500円が支払われている。
このうち1回の支出が100万円を超えるケースは次の通りである。

議員名 金額(円)
田嶋要 2,000,000
内藤正光 1,500,000
田嶋要 2,000,000
吉川沙織 1,000,000
内藤正光 1,000,000


【推薦料】
議員名 金額(円)
田中時宗 200,000
金行哲昭 255,000
小沢さきひと 2,000,000
柴崎清 300,000
松野藤四郎 255,000
桑原仁 200,000
藤田太ー 200,000


【寄付金】
議員名 金額(円)
沼崎きいち 350,000
田嶋要 10,000,000
横路孝弘 5,000,000
小宮山 洋子 4,000,000
菅 直人 5,000,000
原口一博 5,000,000
枝野幸男 4,000,000
赤松誠二 4,000,000
仙谷由人 4,000,000
西村ちなみ 4,000,000
横光克彦 3,000,000
海江田万里 2,000,000
逢坂誠二 2,000,000
松野頼久 2,000,000
山花郁夫 2,000,000
安住淳 2,000,000
樽床伸二 1,000,000
亀井久興(国民新党・総務省顧問) 1,000,000
郡和子 1,000,000
長島昭夫 1,000,000

*残念ながら、この先は「有料記事」となっている

NTTグループ契約額1億円超の公共事業一覧


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