イスラエル治安機関、パレスチナ人の治療を計画的に妨害/アラビアニュース

2006-10-17 23:06:23 | 世界
イスラエルで12日、国内治安機関「シャバク」がイスラエル政府の支援の下、占領下のヨルダン川西岸地区とガザ地区のパレスチナ人の病人がイスラエルの病院で治療を受けるのを計画的に妨げていることが明らかになった。13日付のアルクドゥス・アルアラビー紙が報じた。
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 人権のための医師連盟は12日発行の最新の報告書において、シャバクの行為により速やかに治療を受けなければならない状態にあった多数のパレスチナ人の生命が失われていると述べた。

 イスラエルによる占領に反対する同連盟の報告書では、パレスチナ人の病人がイスラエル領内に入ることをシャバクが一律に拒否しており、入境が許可されるのは、イスラエル最高裁判所がシャバクに対し、いくばくかの病人に対し必要な治療を受けるための入境許可書を発行するよう命令した場合に限られていると指摘している。

 イスラエルのイェフード・オルメルト首相の直属機関であるシャバクはこの報告書を批判し、12日付のイスラエル紙「ハアレツ」が報じたところによれば、同機関が治安の必要性と人道的な要請をすり合わせるよう努めていると語り、テロリズム的性格を持つパレスチナの諸組織がイスラエル内部で作戦を実行するために病人を利用していると主張した。

 人権のための医師連盟の報告書からはイスラエル側の主張とは反対に、シャバクがこの問題の全ての原因であることが明らかで、シャバクはグリーン・ラインの内側にパレスチナ人の病人を搬入することに同意していない。政治的レベルでも治安方面のレベルでも誰一人としてシャバクの決定を変えることが出来ないことから、同連盟はやむなくイスラエル最高裁に決定変更の訴えを行なっており、一部の決定については覆すことが出来ているという。

しかし、その他の決定については最高裁が変更の要請を却下することで決定は覆されず、ヨルダン川西岸地区とガザ地区には治療を行なえる病院が無いことから多くの病人が死んでいるという。

 また、同報告書によるとシャバクはパレスチナ人がイスラエルとパレスチナ自治区の間の検問所を通過する許可権限を有しているただ一つの機関であり、この権限はオルメルト首相から与えられたもので、他のいかなる国家機関もシャバクの決定に介入する権利がないという。

 さらに、同報告書は治療を受けるためにイスラエル入境許可を申請する圧倒的多数のパレスチナ人は、イスラエルにとって危険であるという主張するシャバクにより厳格に入境を拒否されていることを明らかにした。

 イスラエルの報告書もシャバクの主張が正しくないことを明らかにしており、シャバクはパレスチナ人患者が治療を受けることを禁止するために行動しているとし、それがシャバクの採っている手法であるとしている。

 また、パレスチナの大学の学生も、シャバクがそれらの大学はテロ作戦を行なう学生を輩出していると主張していることから、イスラエル入境が許されていない。

 人権のための医師連盟は報告書で、このようなシャバクの行動は集団的制裁にあたることを明らかにし、パレスチナ人の病人がイスラエルで治療を受けることを禁ずる決定を行なうことは、病人に対する死刑の宣告を意味すると指摘した。

 同連盟は、1994年にパレスチナ自治政府とイスラエルとの間で調印されたガザ・エリコ協定として知られる協定に基づき、医療サービスを提供する責任はパレスチナ当局にあるが、パレスチナ自治区の包囲が原因で自治政府は住民に対する医療サービスを提供できていないことを指摘した。このような状況のため、パレスチナ当局は病人を治療のためにアラブ諸国に送るよう努めている。

 同報告書は、ジュネーブ協定等の国際協定によればイスラエル占領当局は占領地の住民に医療を提供する義務があり、シャバクの行動はこれらの国際協定の精神にも文言にも違反していることを明らかにした。

【アラビア・ニュース】  齊藤力二朗 転載は一日1記事、再転載は見出しと序文、URLのみに限定http://groups.yahoo.co.jp/group/arabianews/
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