「公害犯罪」東電を告発へ 三陸の海を放射能から守る会会員ら/岩手日報1月25日

2012-01-27 09:42:02 | 社会
「公害犯罪」東電を告発へ
 三陸の海を放射能から守る会会員ら 「対策怠る」批判

福島第l原発事故で大量の放射性物質を放出し、
公衆の生命や身体に危険を生じさせたのが
「人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律」に違反するとして、
三陸の海を放射能から守る岩手の会(永田文夫世話人)の会員ら10人は24日、
東京電力や同社の勝俣恒久会長ら3人の告発状を東京地検特捜部に郵送した。
 勝俣会長のほかは、清水正孝前社長と武藤栄前副社長。
 告発状は、
東京電力は大規模な地震と津波が想定されていたのに
にもかかわらず事前の対策を怠り、
原発事故で大気中や海洋中に大量の放射性物質を放出させた-などと指摘している。
 この法律は、工場などの事業活動に伴い人の健康を害する物質を排出し、
公衆の生命や身体に危険を生じさせることを禁止。
違反すれば2年以下の懲役か禁錮、200万円以下の罰金が科せられる。
 永田世話人ら5人が県庁で記者会見し
「このような犯罪的行為は社会正義上、許されない。
厳しく企業責任が問われなければならない」と述べた。

http://ameblo.jp/sannriku/entry-11146433470.html
告発状
http://homepage3.nifty.com/gatayann/120124kokuhatu.pdf

告 発 状
東京地方検察庁 特別捜査部 特殊直告班
担 当 者 様
告発人 印
同 印
同 印
同 印
同 印
同 印
同 印
当事者の表示
別紙「当事者目録」記載のとおり

第1 告発の趣旨
被告発人らの下記行為は、「人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律」(以
下「公害罪」という)第3条(過失犯)、第4条(両罰)に該当すると思料され
るので、捜査の上、処罰されたい。
「公害罪」第3条(過失犯) 業務上必要な注意を怠り、工場又は事業場における
事業活動に伴って人の健康を害する物質を排出し、公衆の生命又は身体に危険を生
じさせた者は、二年以下の懲役若しくは禁錮又は二百万円以下の罰金に処する。
「公害罪」第4条(両罰) 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用
人その他の従事者が、その法人又は人の業務に関して前二条の罰を犯したとき
は、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。

第2 告発の原因

1. 当事者
東京電力株式会社(被告発人1、2、3)
被告発人1である東京電力株式会社(以下「東電」という)の取締役会長は、勝俣
恒久である。
また、以下に記す「福島第1原子力発電所事故」発生時、勝俣恒久とともに東電を
代表する立場にあったのが被告発人2の前取締役社長 清水正孝である。
加えて、以下に記す「福島第1原子力発電所事故」発生時、東電の取締役副社長で
あり原子力・立地本部長の職にあったのが被告発人3の武藤栄である。
東電は、東京都千代田区内幸町1丁目1番3号に本店を置き、電気事業等を営む株
式会社であり、昭和46年3月より福島第1原子力発電所を稼働させている事業者
である。

2. 事故の発生
平成23年3月11日福島第1原子力発電所1号機~4号機で、業務上必要な注意
を怠ってきたことにより電源喪失事故を発生させ、原子炉を冷却させることが出来
ず水素爆発や炉心溶融を引き起こした。その結果大量の放射性物質の放出を伴う大
事故(以下「本件事故」という)を発生させた。
第3 公害罪の立証
「公害罪」第3条(抄)「業務上必要な注意を怠り、工場又は事業場における事業
活動に伴って人の健康を害する物質を排出し、公衆の生命又は身体に危険を生じさ
せた者」にかかわる立証について。
(1) 「業務上必要な注意を怠り」の立証
当日の大地震、大津波は想定され指摘されていた(*1)がその対策を怠ったた
め、外部商用電源引き込み鉄塔が倒壊(*2)し電源喪失、そして大津波により
補助電源が喪失し最終的に全電源喪失に陥り、炉心にある核燃料の冷却が不能
になり炉心冷却水が蒸発し、燃料棒が露出し水蒸気と燃料棒鞘管金属の反応に
より水素が発生し爆発そして炉心溶融に至った。
*1:朝日新聞平成23年12月27日政府事故調査・検証委員会中間報告記事、
*2:第174回国会衆議院経済産業委員会議事録第14号平成22年5月26日
吉井委員質問箇所
(2)「工場又は事業場における事業活動に伴って人の健康を害する物質を排出」
の立証
事業者として当然なすべき注意を怠り発生させた本件事故により福島第1
原子力発電所で稼働中だった1号機~3号機は炉心が溶融し、1号機・3号
機・4号機(定期点検中)は原子炉建屋の屋根を大破する水素爆発が発生し、
放射性物質が大気へ放出、4月からは汚染された廃液が海洋へ放出している。
これまでに77京ベクレルに及ぶ大量の放射性物質が大気環境に放出(*3)海洋
には1万5千兆ベクレルが放出(*4)されたと試算されている。本件事故は、告発時
の平成24年1月段階でもなお、収束しておらず、環境中に放射性物質を放出し続
けている。
*3:原子力安全に関するIAEA閣僚会議に対する日本国政府の報告書
̶東京電力福島原子力発電所の事故について-
平成23年6月原子力災害対策本部
http://www.kantei.go.jp/jp/topics/2011/iaea_houkokusho.html
*4:共同通信ニュース平成23年9月8日記事
「人の健康を害する物質」の定義は各公害関連法で定められている。放射性物質
に関わっては環境基本法第13条において特別に関係法で汚染防止の措置に
ついて定められることになっているが、人の健康を害する物質でありこのよう
な特別な扱いになっており、当然該当するべきものと考える。
昭和48年版の環境白書では第2章第1節「四大公害裁判の教訓」(*5)のまとめ
として最後に「これら裁判に共通して、判決がその非を責めたものは、被告企業の
公害防止に関する態度であり、公害防止のためには、企業は、単になしうる最善の
防止措置を講ずるだけでは足らず、いかなる手段をとっても被害者を出すことは許
されないという厳しい姿勢で公害防止に臨まなくてはならないことを指摘するも
のであった。」とあるが、本件事故においても当然企業責任が厳しく問われるべき
であろう。
*5 http://www.env.go.jp/policy/hakusyo/hakusyo.php3?kid=148
(3)「公衆の生命又は身体に危険を生じさせた者」の立証
平成23年9月22日現在福島県民のうち放射能汚染により避難している人
数は避難等指示区域内から100510(県内70817,県外29693)人
自主的避難者は50327(県内23551、県外26776)人の
合計150837人(*6)である。
福島第一原子力発電所の半径20キロメートル圏内を多量の放射性物質で汚染
し、4月22日午前0時をもって同原発20キロメートル圏内の立ち入りが禁止さ
れたため、膨大な数の住民が安全に暮らすことのできない地域にしてしまったこと
に加え、同圏内にあった企業や、農業、酪農業、漁業などの地元産業全般の経済活
動を停止に追い込み、事業を廃業させ、または存亡の危機に陥れたものである。
同原子力発電所から半径30キロメートル圏外の飯舘村、福島市、郡山市等に暮
らす多数の人たちまでを大量の被曝に晒した。今後、こうした被曝者の中から、甲
状腺がん等の健康被害が発生する可能性が極めて大きい。
さらに、直接的かつ既に発生している被害としては、福島第1原子力発電所の南
西約4キロにある双葉病院(福島県大熊町)の入院患者らを重度の被曝に晒し、さ
らなる被曝を避けるべく実施された緊急避難等により、患者ら約 440人中45
人以上を死亡させている(*7)。
*6 原子力損害賠償紛争審査会資料「福島県の避難者の推移」
*7 asahi.com ニュース平成23年3月18日記事
2.「公害罪」第4条(両罰)「法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使
用人その 他の従事者が、その法人又は人の業務に関して前二乗の罰を犯した
ときは、行為者 を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科
する。」については立証は不必要とみなし省略する。
なお、野田総理は平成23年12月16日福島第一原発事故について1号機~4号機ま
で冷温停止状態のステップ2が達成できたと内外に宣言した。国による事故収束の
目処がついた節目を受けて本告発を行うものである。

被告発人1 氏 名 東京電力株式会社
取締役会長 勝俣 恒久
住 所 東京都千代田区内幸町1丁目1番3号
電 話 03‐6373‐1111(会社代表)

被告発人2 氏 名 東京電力株式会社 顧問
前取締役社長 清水 正孝
住 所 東京都千代田区内幸町1丁目1番3号
電 話 03‐6373‐1111(会社代表)

告発人3 氏 名 東京電力株式会社 顧問
前取締役副社長・原子力立地本部長 武藤 栄
住 所 東京都千代田区内幸町1丁目1番3号
電 話 03‐6373‐1111(会社代表)


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