闇に包まれた秘密保全法案 止めるために何ができるのか/東京新聞特報・ほか(追記あり)

2013-08-24 19:38:03 | 社会
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2013081702000166.html

「こちら特報部」も昨年来、警鐘を鳴らしてきた秘密保全法案が秋の臨時国会に提出される。国民の知る権利を制限し、公務員のみならず、広く国民のプライバシーを侵害しかねない法案だ。法案作成までの過程にも不透明さが著しい。メディア界や日本弁護士連合会などは反対しているが、国会での勢力分布を見れば、成立する可能性が高い。抵抗する方策はないのか。 (出田阿生、佐藤圭)


*以下はhttp://blog.goo.ne.jp/kanayame_47/e/0f0b12de3ab3eb57eb6b19e7a995e78fから 転載

 ■有識者の了承曖昧
 「数次にわたる意見照会の中で、その都度意見を貰ってきた。最終案に意見がなかった委員には了承されたと考えた。委員が了承していない報告書を政府に提出するはずがない」。内閣情報調査室(内調)の橋場健参事官はそう話した。

 ■独断?
 何の話かというと、秘密保全法案のたたき台となる「秘密保全法制に関する有識者会議」の報告書のことだ。民主党政権時代の二〇一一年八月八日に公表された。
 ところが、委員の意向を十分に確認しないまま、事務局の内調が独断で報告書を決定していた疑いが浮上している。
 報告書作成の過程に疑問を抱いていた市民団体「軍事問題研究会」(東京)が「報告書が有識者会議で承認されることを記録した文書のすべて」の公開を請求したところ、昨年八月、政府の「情報保全に関する検討委員会」の議事録と議事要旨の一部が開示された。同研究会は不十分として昨年末、内閣府の情報公開・個人情報保護審査会に不服を申し立てた。
 審査会が内調に再調査させると、委員の一人から内調に送られた電子メールの記録が出てきた。送信日時は二〇一一年七月二十七日。「報告書をお送りいただきありがとうございました。議論の敬意がよく反映されていると存じます」とあった。
 ちなみに有識者会議は二〇一一年一月から六月まで計六回、非公開で開催。第五回会議後、内調が報告書の第一次案を作成。数回の修正を経て、最後の第六回会議には「第三次修正案」が提示され、その後も再修正を加えた上で、最終的な報告書が出来上がっている。
 電子メールは、最終案に対する回答だ。委員は五人いるが、残る四人の記録はない。審査会の答申書(先月二日付)によれば、内調は審査会側に「(電子メールで)最終案に対する意見照会を行った結果、特段の意見がなかったことから、有識者会議で了承されたと判断し、報告書とした」と説明している。
 同研究会の桜井宏之代表は「全委員から了承の回答があれば『了承した』となる。『了承したと判断』という表現は、全委員から了承が得られていない事実が読み取れる。官僚の独断ではないか」と指摘する。
 野田政権も昨年の通常国会で、秘密保持法案を提出する構えをみせた。しかし、有識者会議をめぐり、議事録の未作成や職員メモの破棄、ホームページ用公開資料の改竄などが次々と発覚。
 内調が事前に詳細な「事務局案」を作成するなど「官僚主導」の実態も明るみに出た。今回の「報告書疑惑」は秘密保全法案の不透明さをあらためて証明した格好だ。

 ■知る権利、プライバシー侵害の恐れ
 秘密保全法案のどこが危ういのか。
 「何のための秘密保全法案か」の共著がある海渡雄一弁護士は「米国との軍事協力上、必要だとして出してきた。〇七年に米国と軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を結んだ際、米国並みに厳罰を科す秘密保持体制をつくるよう米国に要請されたのがルーツ」と説明する。「国家機密なんて日常とは無縁と思うかもしれないが、実は身近。たとえば原発事故が再び起きた際、国が発生を隠すことさえ可能になる」
 法案内容が明かされないので、有識者会議報告書から推測すると、こんな具合だ。「国の安全(防衛)」「外交」「公共の安全と規律秩序の維持(治安)」の三つの分野で、国益に関わる情報を「特別秘密」に指定。これを漏らしたり、入手したりした人を罰する。最高刑は懲役十年だ。
 さらに、公務員のみならず、配偶者や恋人、同級生など、周辺の人たちまで、そのプライバシーが調べ上げられる。

 ■「原発事故隠しも可能」
 小さな原発事故なら、パニックが起きる危険があるとして事故発生を「特別機密」に指定できる。大きくても、福島原発事故の際には、放射性物質の拡散情報が公表されず、住民がより高い線量の場所に避難させられた。これが正当化される可能性がある。拡散情報を公務員が漏らし、メディアが報じれば刑罰対象になりうるからだ。
 特別秘密を指定するのは防衛省、外務省、警察庁をはじめ、全ての国の行政機関で、問題は第三者機関がその妥当性を検証できないことだ。
 NPO法人「情報公開クリアリングハウス」の三木由希子理事長は「秘密保全法違反で起訴され裁判が開かれても、特別秘密の内容は法廷で公開されない可能性が高い。形式的な立証だけで、犯罪者とされてしまう恐れがある」と警告する。
 参院選で自民党が圧勝した今、国会の法案が提出されれば、審議がほとんどされないまま可決成立する可能性がある。どうすればいいのか。

 ■対策
 青山学院大の大石泰彦教授(メディア倫理法制)は「原発事故が起きても誰も責任を取らず、忘却し、現実を直視しない。政治家の無責任さに対するメディアの追求も甘い。そんな無倫理状態が今の日本を蝕んでいる」と批判。そしてこう訴えた。「私たちの生活を脅かす法案の成立を防ぐのに重要なのは、社会に生きる一人一人の自覚。社会の現実から目を背けていないか自問自答し、倫理観を取り戻すしかない」


※デスクメモ エジプトの騒乱が伝えられるが、軍に排除されたムスリム同胞団率いる前政権側にも問題はあった。選挙での勝利を民衆からの「白紙委任」と勘違いしたのだ。その誤解は現在の自民党にも通じかねない。しかも留め金が権力内部にはない。たとえ、ごまめの歯軋りでもメディアが責務を果たさねば。(牧デスク)

*************

以下は 朝日新聞などをまとめたもの

安倍政権は秋の臨時国会に提出する秘密保全法案で、国の機密情報を漏らした公務員らへの罰則を最長で懲役10年とする方針を固めた。対象となる情報は防衛や外交など安全保障に関する4分野で「特定秘密」と指定されたもの。3面=「知る権利を制限」指摘も


 安倍政権は「国家安全保障会議(日本版NSC)」を1月にも設置する方針。
外交・安全保障の司令塔とする。
これとあわせて秘密保全のための法整備を進める。
米国などと情報共有を進める必要があるため、漏洩に対して厳罰化。
法案名は「特定秘密保護法案」。
「指定された特定秘密」を取り扱う国家公務員を既定し漏洩罰則。

「特定秘密」は 「防衛」「外交」「外国の利益を図る目的の安全脅威活動の防止」「テロ活動防止」の4分野ごとに別表。
漏洩すれば安全保障上に「著しく支障を与えるおそれがある」情報について、所管省庁の大臣らが指定。

 罰則は、特定秘密を漏らした国家公務員が最長で懲役10年。
民間人でも特定秘密を得るために(1)人をだまし、暴行を加え、脅迫する(2)窃取(3)建物への侵入(4)不正アクセス――といった行為をすれば懲役10年。
公益上の理由で行政機関から特定秘密を知りえた契約業者などの漏洩漏は懲役5年。

 懲役10年は米国から供与された装備品情報に関する「日米相互防衛援助協定(MDA)等に伴う秘密保護法」違反並みの重罰で、国家公務員法の守秘義務違反(懲役1年以下)よりはるかに重い。
行為が未遂にとどまった場合やそそのかし行為にも罰則を設ける。

国民の知る権利や取材の自由、プライバシーの保護に抵触しかねないとの懸念があり、法案には、拡大解釈による基本的人権の不当な侵害を禁じる規定も盛り込む。

 ■ポイント

・我が国の安全保障に支障を与える恐れがある情報を「特定秘密」に指定

・対象は防衛、外交、外国の利益を図る目的の安全脅威活動の防止、テロ活動防止

・「特定秘密」の取り扱いは適性評価をクリアした者に限る

・特定秘密を漏らした国家公務員や不正入手した者は最長で懲役10年の処罰

・拡大解釈による基本的人権の不当な侵害を禁止

特定秘密保護法の制定は国家安全保障会議(日本版NSC)の設置と背中合わせ

法案では公務員が「特定秘密」を漏らした場合の罰則は最長で懲役10年とし、現行の国家公務員法の守秘義務違反の「懲役1年以下または50万円以下の罰金」より大幅に強化。
政府高官は「罰則を諸外国並みにしなければ米国などの信頼を得られない」と強調。

特定秘密を扱う公務員には適性評価を実施。
経済状況や犯罪歴、家族や同居人の国籍も含めた個人情報も調査。
「知る権利」との関係について、政府関係者は「対象は安全保障に関わる4分野だけ。
(関心が高い)原発関連の情報は対象にならない」。

自民党幹部「民主党の反対が強硬なら特別委員会で、ぶっ通しで審議する。最後は多数決で通せばいい」。

服部孝章教授(立教大・メディア法)「市民の知る権利や議論の自由が、法律で制限されようとしている」。

原発事故で行政のミスがあった場合、例えば「テロ活動防止」と関連づけられ、公務員の告発を封じる事態が生じうるのではないか

「環太平洋経済連携協定(TPP)交渉でも重要な情報が市民に隠され、議論ができずに被害を受ける人が出ることだってある」と危惧。
さらに、報道機関が公務員に接触することすら妨げかねないとして、「何事も秘密裏に進めたい政治家と官僚の、情報公開に対する危機感の表れだ」と

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秘密保全法案 権利の侵害は許されぬ


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4 コメント

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精神科医 (宮地 達夫)
2013-08-25 09:39:20
秘密保全法は、今世界で話題になり、Mr. Snowdenがリークした、NSAの監視活動PRISMと英国のGCHQににている。1周間前、ヒースロウ空港で、NSAの監視活動PRISMと英国のGCHQの活動を暴露し続けているGlenn Greenwaldの友人David Mirandaが反テロ法の疑いで拘束されたが、拘束時、何の根拠で拘束されたか告知されなかかった。David Mirandaは裁判所に訴え、裁判所は、警察に拘束の根拠を明らかにするように求めている。http://www.theguardian.com/world/2013/aug/23/government-david-miranda-data/print
警察は、恣意的な拘束の為に批判されている

ttp://www.independent.co.uk/news/uk/crime/exclusive-police-under-fire-over-arbitrary-terror-arrests-8782862.html?printService=print

NSA分析官は米国市民の情報を集めていることが明らかになりー建前は外国のテロ情報収集が目的とされているー、これはNSAのルール自体をも侵害することが暴露された
http://www.theguardian.com/world/2013/aug/23/nsa-analysts-broke-rules-spy/print
秘密法廷は、これらの侵害を問題とし、訴追を検討しているhttp://www.nytimes.com/2013/08/22/us/2011-ruling-found-an-nsa-program-unconstitutional.html?ref=us&pagewanted=all
米NSAが市民のメール情報も収集、当局の公表文書で判明
2013年 08月 22日 12:16 JST
[ワシントン 21日 ロイター] - 米国家安全保障局(NSA)が、2008─2011年に米国内で年間最大5万6000件の電子メール通信情報を意図せずに収集した可能性があることが、21日公表された文書で明らかになった。
機密扱いだった同文書は、米政府の情報監視プログラムについて中央情報局(CIA)元職員のエドワード・スノーデン容疑者が暴露したことで米政府が浴びた批判への対応策の一環として、情報当局が公開した。
米当局者によると、文書では米国民の通信情報の意図しない収集問題が発見・解決されたことが示されているものの、NSAの情報収集活動と米外国情報監視裁判所(FISC)の監視体制をめぐって新たな疑念が生じるとみられる。
情報当局者は記者団に対し、「技術的な問題によって比較的少数の国民の通信情報が意図せずして収集された」との見解を示した。
情報当局者らによると、これらの情報は海外のテロ容疑者の電子メールを標的にしたプログラムの下で収集された。
更に、情報を提供しているIT企業-マイクロソフト・グーグル・アップル・ベライゾンなどへの支払が巨額に登り、とても予算内では支払えない事も明らかになった
http://www.nytimes.com/2013/08/24/us/nsa-said-to-have-paid-e-mail-providers-millions-to-cover-costs-from-court-ruling.html?ref=politics&pagewanted=print

 このようにNSA・GCHQのような組織を一端認めれば、個人の知る権利とプライバシーが侵害され、自由な社会が監視社会に転化する。ジェファーソンのいうように「新聞のない政府よりも政府のない新聞のほうが重要」なのである
精神科医 (宮地 達夫)
2013-08-25 14:21:35
秘密保全法は、今世界で話題になり、Mr. Snowdenがリークした、NSAの監視活動PRISMと英国のGCHQににている。1周間前、ヒースロウ空港で、NSAの監視活動PRISMと英国のGCHQの活動を暴露し続けているGlenn Greenwaldの友人David Mirandaが反テロ法の疑いで拘束されたが、拘束時、何の根拠で拘束されたか告知されなかかった。David Mirandaは裁判所に訴え、裁判所は、警察に拘束の根拠を明らかにするように求めている。http://www.theguardian.com/world/2013/aug/23/government-david-miranda-data/print
警察は、恣意的な拘束の為に批判されている

ttp://www.independent.co.uk/news/uk/crime/exclusive-police-under-fire-over-arbitrary-terror-arrests-8782862.html?printService=print

NSA分析官は米国市民の情報を集めていることが明らかになりー建前は外国のテロ情報収集が目的とされているー、これはNSAのルール自体をも侵害することが暴露された
http://www.theguardian.com/world/2013/aug/23/nsa-analysts-broke-rules-spy/print
秘密法廷は、これらの侵害を問題とし、訴追を検討しているhttp://www.nytimes.com/2013/08/22/us/2011-ruling-found-an-nsa-program-unconstitutional.html?ref=us&pagewanted=all
米NSAが市民のメール情報も収集、当局の公表文書で判明
2013年 08月 22日 12:16 JST
[ワシントン 21日 ロイター] - 米国家安全保障局(NSA)が、2008─2011年に米国内で年間最大5万6000件の電子メール通信情報を意図せずに収集した可能性があることが、21日公表された文書で明らかになった。
機密扱いだった同文書は、米政府の情報監視プログラムについて中央情報局(CIA)元職員のエドワード・スノーデン容疑者が暴露したことで米政府が浴びた批判への対応策の一環として、情報当局が公開した。
米当局者によると、文書では米国民の通信情報の意図しない収集問題が発見・解決されたことが示されているものの、NSAの情報収集活動と米外国情報監視裁判所(FISC)の監視体制をめぐって新たな疑念が生じるとみられる。
情報当局者は記者団に対し、「技術的な問題によって比較的少数の国民の通信情報が意図せずして収集された」との見解を示した。
情報当局者らによると、これらの情報は海外のテロ容疑者の電子メールを標的にしたプログラムの下で収集された。
更に、情報を提供しているIT企業-マイクロソフト・グーグル・アップル・ベライゾンなどへの支払が巨額に登り、とても予算内では支払えない事も明らかになった
http://www.nytimes.com/2013/08/24/us/nsa-said-to-have-paid-e-mail-providers-millions-to-cover-costs-from-court-ruling.html?ref=politics&pagewanted=print

 このようにNSA・GCHQのような組織を一端認めれば、個人の知る権利とプライバシーが侵害され、自由な社会が監視社会に転化する。ジェファーソンのいうように「新聞のない政府よりも政府のない新聞のほうが重要」なのである
残りの4人は (N.O.)
2013-08-26 04:06:56
5人の委員のうち残る4人の記録がないというのが気になります。
委員会でどんな話し合いがなされていたのか、まとまった記事にして報道してもらいたいものです。
Unknown (erstea)
2013-09-14 12:06:13
秘密保全法で、ケッシュ財団から受け取った技術は封印されるかもしれない。

ttp://sunshine849.blog.fc2.com/blog-entry-118.html

ttp://www.onpa.tv/2013/08/11/1893

現在起こっている、原発問題、経済問題、環境問題といった様々な問題を根本的に解決できる技術を政府はケッシュ財団から受け取っている。
しかし政府はそれをひたすら隠蔽して実用化しようとはせず、このままでは秘密保全法で死蔵封印されるだろう。
ケッシュ財団の技術を使うなら、このような問題は既に全て解決し、世界は平和へ向かうだろう。

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