日教組「教育基本法」メールマガジン No,55

2006-11-03 11:18:44 | 教育
■ No.55 目次 ■

□ 衆議院教育基本法に関する特別委員会
□ 「小熊英二さんと森越委員長との対談、新聞に掲載」

――――――――――――――――――――――――――――――――
■□ 衆議院教育基本法に関する特別委員会

●審議時間
10月31日  10:00~12:00、13:00~17:00
11月1日  10:00~12:00、13:00~17:00


今後の予定
11月2日 審議時間 2時間
11月6日 審議時間 6時間
11月7日 参考人質疑を含め審議時間6時間
11月8日 地方公聴会 仙台市・宇都宮市・名古屋市・津市


●主な審議内容
<10月30日(新聞報道より)>

◆教育委員会について伊吹文科相の発言
――教育委員会を抜本的に充実、強化すべきではないか。
〔伊吹文科相〕 地方分権法で県教育長に対する文科相の承認権がなくなってい
る。そういうことも含め、強化の方向を取っていかねばならない。履修問題、い
じめ問題も率直に言って責任感がない。

――国と地方の教育の仕組みで、それぞれが責任を果たしていないのではないか。
〔伊吹文科相〕教委を強化していくのか、民主党案のように廃止して地方自治体
の長に権限を渡していくのか。教委を強化する場合は国がどの程度まで関与して
いくのか。立法政策としては教育基本法にまで書き込むことではないので、いず
れ立法府の審議に委ねたい。


◆愛国心について、安倍首相の発言
――教育の目標の「我が国と郷土を愛する態度を養う」という規定の解釈は。
また、通知票などで内心の自由を評価しないか。
〔安倍首相〕 憲法の自由と民主主義に「統治機構としてのこの国を愛せ」とい
う概念は相反する。学校で国を愛する心情について、内面に入り込んで評価する
ことはない。日本は伝統や文化を持っているんだろうということを調べたり勉強
したり研究したりする姿勢について学習する態度を評価するということではな
いか。

――国と郷土を愛する「態度を養う」としているが、養うのは「形」だけなのか。
〔安倍首相〕 国、郷土を愛する心があって初めて態度がでてくる。そういう教
育を行うべきだ。政府案では本則に入れている。


◆改正の目的について、安倍首相と伊吹文科相の発言
――なぜ教育基本法を変えるのか。
〔安倍首相〕 地域、家庭における教育力が低下している。その中でモラル、学
ぶ意欲が低下しているという指摘があるのも事実だ。志ある国民を育て、それに
よって品格ある国家をつくっていくのが改正の目的だ。

――鈴木恒夫氏(自民) 教育改革への決意を。
〔安倍首相〕 誰もが通うことができる公教育を一日も早く再生をしなければ、
格差は拡大していく。教育の再生、改革は我が内閣で最も重要な課題と認識して
いる。必ず責任を持って取り組む。

――野田氏 教育再生会議で具体的に起きている問題をしっかりやったあとに、
教育基本法の議論をするべきではないか。
〔安倍首相〕 大切なのは、こうした問題が起こっている中で基本法を改正すべ
きだということだ。
〔伊吹文科相〕 教育基本法を受けた法律がいろいろある。教育再生会議は家族
の復権のような文科省の枠を超えた分野や従来のやり方ではだめなことをやっ
ていただく。多くは基本法より(別の)閣法に受け止めて現実に反映させていく
ことが多いのではないか。

――憲法改正が数年後になされたら、その中に教育の議論も当然される。その
ときに基本法を変えればいいのでは。
〔安倍首相〕 憲法と密接にかかわりのある法律は他にもある。すべてが憲法改
正の時期との関連で制約を受けるわけではない。新しい時代に教育基本法を改正
せよというのは国民の声だ。自民党の出している憲法草案とも基本的に矛盾しな
い。

――首相の「美しい国」と政府案はどう関係するのか。
〔安倍首相〕 現行法で実現しないとまでは言わないが、「美しい国」の骨格を
成す概念と、政府案の中に盛り込まれた要素は密接不可分だ。


◇特別委員会審議の中で、民主党の鳩山委員は、「国民に理解いただき進める
ことが大事だ。公党間でまとめるのではなく、衆参両院に教育基本法調査会を作
って議論を進めていく必要があるのではないか。時間をかけてやっていくことが
大事だ。」と発言した。


<10月31日>
◆政府案2条の「教育の目標」
――国や郷土を愛する態度を養うとの教育目標は、家庭、社会教育を含むこ
の法案の全体を包摂するか。
〔塩崎官房長官〕 あらゆる教育機関に含まれる。しかし、その仕方は各教
育主体の現場にゆだねられる。
〔伊吹文科相〕 家庭教育法など存在しない。2条の目標はあらゆる教育に
含まれることであるが、直接的には学校教育を考慮している。

――家庭でどう教えているかまで立ち入って調査することはないか。
〔伊吹文科相〕 目標がすべての分野に係っているといって、家庭で当事者
の判断で行われることに介入、調査する考えはない。
〔塩崎官房長官〕 基本法のなかで大きく定めるもので、(具体は)各教育
者に委ねられる。


◆10条「不当な支配」をめぐって
――先の国歌・国旗をめぐる東京地裁判決では、憲法の思想・良心の自由に
反する、不当な支配との判決が出された。卒・入学式にかかわる東京都の通
達はやむをえないものであったと考えるがどうか?
〔銭谷初中局長〕 当時東京では、一部教職員に社会的通念に逸脱し、不起
立、ピアノ伴奏拒否などの行為があった。そうしたなかで職務命令も出され
てきたと考えている。

――学習指導要領は法的拘束力があるが、教職員は職務上守る義務があるの
かどうか?
〔伊吹文科相〕 文科大臣告示として出されたもので、法律とおなじだ。守
るのは当然のこと。


◆いじめ問題をめぐって
――対策のため、文科省や教育委員会の力を強めるべきだと思うが、どう
か?
〔塩崎官房長官〕 この間のいじめ問題をみると、教育委員会の使命が発揮
されていたのか、学校のガバナンスが働いていたのか心配だ。これから議論
する必要があろう。

――教育バウチャーの導入など、もっと競争原理を働かせるべきだと思うが
どうか?
〔伊吹文科相〕 解決に向けては、人間力に期待するとかもっと公的関与を
強めるとかが考えられる。即競争原理を入れるとマイナス面もある。しかし、
競争原理を入れなければいけないという苛立ちもあると思う。


◆履修不足問題をめぐって
――未修単位の問題について文科省はどう考えているのか?
〔伊吹文科相〕 未修が2単位70時間を越えているものなど、3月の春休み
も含めて受講することも可能だ。与党内の協議も経なければならないし、も
う少し詰めさせてほしい。

――未履修問題が生じた原因は何か?
〔伊吹文科相〕 規範意識の低下と大学入試科目の問題と思う。

◆「教育再生会議」の性格をめぐって
――中教審に加えて教育再生会議をつくった。両者の関係は?
〔伊吹文科相〕 中教審は国家行政組織法に基づくもの、教育再生会議は首
相の諮問機関。再生会議と中教審との間に権限争いはない、あくまでもアド
バイザーだ。

――5年前は「教育改革国民会議」(小渕内閣)も作った。今回の再生会議と
違うのか?
〔塩崎官房長官〕 この5年間も諸問題が起こり続けている。さらに幅広い
観点から再生会議で話し合ってもらおうというものだ。再生会議で話し合っ
てそれを中教審に持ち込むということもおきてくる。

――再生会議の結論を待って教基法の議論ということになるのではない
か?再生会議でも教育の理念などを議論しているのでは、教基法の議論をし
ている国会の軽視になるのではないか?
〔伊吹文科相〕 矛盾するものではない。あくまでも国会で決めるものが最
高のもの。教基法が基本だ。再生会議はあくまでもアドバイザリーの機関だ。
アドバイスを受けた首相は国会の枠内でやるのは当然のこと。


◆格差問題と財政問題について
――「機会の平等」が失われつつあるのではないか。
〔伊吹文科相〕 日本ほど親の所得によって子どもの教育に違いがない国は
ない。

――安倍首相も「未来への投資」といっている。しかし、骨太方針では、文
教予算についても「これまで以上の削減」といっている。おかしい。
〔伊吹文科相〕 予算面では再チャレンジ予算とかの特枠も作っている。実
際には文教予算は減らした要求にはしない。
〔塩崎官房長官〕 骨太方針は変えられない。予算は限られた資源をどう配
分するかだ。メリハリの利いた予算のために国会でもご議論願いたい。

――格差問題に関して、「フェアな競争」とは何か?
〔塩崎官房長官〕 ルールに則った競争。倫理観のある競争。

――結果の平等も含めて、「フェアな競争」というのではないか?
〔伊吹文科相〕 それでは誰も努力しなくなる。結果の不平等にどの程度手
を差し伸べるかは重要だが。

――高校進学、卒業もままならないという子どもたちがいる。公教育の再生
を掲げるなら、現状は死にかかっているのか。その原因、責任は?
〔伊吹文科相〕 生命力を再び与えると考える。教基法改正で基礎学力や規
範意識を建て直したい。そのうえで、関係法令を見直し、予算を肉付ける。
経済大国になり、カネさえあれば何でも買える、などいろんな価値観が生ま
れ、教育にも歪みが及んだ。原因は労働組合もふくめて複合している。


◆バウチャー制
――教育再生会議で首相はイギリスの例を強調していた。その著書「美しい
国へ」の内容と同会議の課題は直結するのか。
〔塩崎官房長官〕イギリスでの意気込みを受け止めたもので、日本にそのま
ま導入しようという考えでない。再生会議ではいろんなバックグラウンドを
もつかたに自由に議論していただく。

――公立校に導入すれば不人気校がつぶれる。地域社会がますます崩れる。
〔塩崎官房長官〕 公教育はどんな人にもどんな地域でも平等な機会が保障
されるものだが、一方で空洞化している面も出てきた。バウチャー制いろん
な形がありうる。当然、地域社会へのインパクトも考慮しなくてはならない
〔伊吹文科相〕 高等教育にバウチャー制を使うのは一つの方法である。そ
れ以前の公立校で選択制や教員免許更新制の議論が出てきたのはなぜか。そ
の議論をせずに、ただ、バウチャー反対では納税者の理解は得られない。


◆高等教育の無償
――9月に明らかにされたOECD調査結果で、高等教育への家計支出は
60%超。是正していく考えはないか。
〔伊吹文科相〕 大学など高等教育への国庫支出については、まだ国民合意
は難しい。財務省も認めている再チャレンジ予算枠で検討できることがある
かもしれないが、高卒者の税負担とのバランス問題がある。




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□■ 「小熊英二さんと森越委員長との対談、新聞に掲載」
「なぜ急ぐのか政府案―教育基本法を考える」をテーマにした小熊英二
さんと森越委員長との対談が新聞に掲載されます。

11月8日(水)京都新聞
(日付は予定です)


小熊英二さんプロフィール:慶應義塾大学 助教授
1962年東京生まれ。あたりまえのことのように、私たちが了解をしてい
る事柄について、膨大な文献・データに基づいて、緻密な検証を試み、
さまざまなジャンルに多くの反響と影響をあたえている。
主な著書:『単一民族神話の起源-<日本人>の自画像の系譜』『<民主
>と<愛国>―戦後日本ナショナリズムと公共性』『<民主>と<愛国>』



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発行 日本教職員組合 教文局
〒101-0003
東京都千代田区一ツ橋2-6-2
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