解放のゆくえ 第6回 現実が米軍発表をくつがえす/ イラク情勢ニュース

2006-10-29 12:08:50 | イラク

アメリカのハリルザド駐イラク大使が24日にバグダッドで記者会見し、治安回復と民兵の武装解除やイラク当局への治安権限移譲の計画を定める行程表を年内に策定する方針を表明した。既に前日には、ホワイトハウスのスノー報道官が記者会見し、イラク政府高官と多国籍軍幹部(つまりは米軍幹部が中心)で合同委員会を編成してその策定にあたると発表していたもの。

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2006/10/29 (日)

  [飛耳長目録 today's news list]

☆解放のゆくえ 第6回 現実が米軍発表をくつがえす

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☆★解放のゆくえ  イラクは今・・・
2006年10月29日  第6回 現実が米軍発表をくつがえす
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http://www.geocities.jp/tomesannew/uruknews_Shiro_Yamamoto.html

 アメリカのハリルザド駐イラク大使が24日にバグダッドで記者会見し、治安
回復と民兵の武装解除やイラク当局への治安権限移譲の計画を定める行程表を年
内に策定する方針を表明した。既に前日には、ホワイトハウスのスノー報道官が
記者会見し、イラク政府高官と多国籍軍幹部(つまりは米軍幹部が中心)で合同
委員会を編成してその策定にあたると発表していたもの。

 ハリルザド大使と同席したイラク駐留米軍のケーシー司令官は、治安権限移譲
には「12ヶ月から18ヶ月かかる」とも述べた。ブッシュ大統領のイラク政策
への不信が高まる今日、日本での報道は発表通りをごく短く紹介するだけだが、
アメリカの代表的新聞の1つであるニューヨーク・タイムズ紙は、翌日25日付
の報道でケーシー司令官の目標は「思い切った仮説」とコメントした。

Iraqi Realities Undermine the Pentagon’s Predictions http://www.nytimes.com/2006/10/25/world/middleeast/25assess.html


■現実が米軍発表をくつがえす

 記者会見の内容に異を唱えたNYタイムズの報道は、バグダッドの街頭で目に
する現実の光景や、反政府ゲリラ(レジスタンス勢力)がかつてない潜在的力を
強めていることを指摘したうえで、ペンタゴンの予言はイラクの現実と違ってい
ると指摘している。

 まず、イラクの治安部隊について実情をさぐると--。

 米国防総省が今年8月、アメリカの議会向けにまとめた報告では、イラクには
戦闘部隊の兵士11万5000人を含めて27万7000人以上の兵力と警察幹
部がいることになっていた。だが実は、米軍の撤退戦略にむけて都合よく描かれ
た見通しなのだ。

 実際、故郷の地域を離れたくない兵士(バグダッドやアンバル州への派遣命令
を拒否する者もいる)や、既に脱走したり無許可離隊している兵士を計算に入れ
ると、武力衝突の多い地域で任務につける者はイラク軍のごく一部だという。実
動兵力は名簿の5割以下という師団もある。夏以来のバグダッドの取締り作戦に
は、米軍司令官はイラク側に6個大隊の増派を要請したが、イラク国防省が派遣
したのはまだ1個大隊でしかない。

 もちろん、これだけのことで「思い切った仮説」とは言えないだろう。NYタ
イムズの言い分をもう少し聞いてみよう--。

 治安権限の移譲については、覚えている方もいると思うが、2005年2月、
ケーシー司令官が、1年以内に米軍は「イラク全土で対ゲリラ作戦を増強される
イラクの治安部隊に移譲し始める」と語った。それから既に1年半以上が経過し
た。ケーシー司令官のこの問題での発表は、この時からきわめて楽観的な「仮説
」にもとづいていたといえる。

 今年、2006年6月には、同じくケーシー司令官がホワイトハウスに対して
、相当規模の米軍兵力削減は可能だとする報告書を提出した。その計画では、か
なりの規模で兵力の撤退を2006年9月(先月のことだ!)に開始し、200
7年12月までにはイラクに駐留する米軍の戦闘旅団を半減できるとしていた。

 しかも米軍が撤退したあとは、既に上述したイラクの治安部隊がその穴を埋め
るという計画だった。イラク軍の実態でいえば、笑えない状況が他にもある。イ
ラク軍には給料振込の制度がないので、一般的な状況として、毎月1週間ほど、
兵士は給料を家に持ち帰るために休暇をとるというのだ。(お粗末なのか、意図
的なサボタージュなのかは不明。)

 ところで、冒頭に紹介した会見でもう一つ気になったのは、「米側が一方的に
日程を押しつけたり、目標が達成されなかった場合に罰則を科すようなことはし
ない」とアメリカ側が言ったこと。「懲罰を科す」と訳した報道もあり、この方
がニュアンスが伝わる。ご主人様であるアメリカ政府のことだから。

 先週(22日)、米国務省中東局の広報外交担当部長がアルジャジーラの番組
(アラビア語)で、アメリカのイラク統治に「傲慢(ごうまん)さ」と「愚かさ
」があったと発言し、国務省報道官が「発言は(報道に)正しく反映されてない
」と反論した事件があった。本人はこのあと発言を撤回したが、まさしく「懲罰
を科す」という言葉にもアメリカの「傲慢さと愚かさ」が反映されているように
思う。

 もう少し事実を補足しておくと、このフェルナンデス部長はアラビア語にも堪
能で、番組ではアラビア語で話した内容が正確に引用されなかったというのが国
務省の反論。しかしBBCは直後にアラビア語で話された部分を確認し、問題の
発言個所を英語に訳して紹介している。

http://news.bbc.co.uk/2/hi/americas/6075934.stm

 "I think there is great room for strong criticism, because without doubt,
there was arrogance and stupidity by the United States in Iraq."

 はっきりと「傲慢さと愚かさarrogance and stupidity」と語ったのは事実であ
る。

 (つづく)


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