【長崎】平和推進協が「言論統制」文書撤回!~集会報告

2006-10-24 20:02:54 | 社会
10月20日、教育文化会館にて、「『政治的発言』を考える」と題し、今年1月から世間の耳目を集めた、長崎平和推進協会(推進協)による、いわば言論統制ともいえる、被爆講話での「政治的発言」自粛要請問題の経過報告と総括の集会が開催されました。

まず、主催者である「被爆体験の継承を考える市民の会」事務局の森口さん
より経過報告。
1月20日の推進協・継承部会総会にて、協会事務局から「より良い『被爆
体験講話を行うために』と題する文書が配布され、その文中で(1)天皇の
戦争責任、(2)憲法改正、(3)イラクへの自衛隊派遣、(4)有事法制、
(5)原発、(6)歴史教育・靖国神社、(7)環境・人権など他領域の
問題、(7)一般に不確定な内容の発言…例えば劣化ウランなど、という
具体的8項目を挙げて、「国民の間で議論が分かれている政治的問題について
の発言は慎んでもらいたい」とし、被爆体験講話における自粛を要請したのが
発端である。
その後、「市民の会」が結成され、3月に出した「公開質問状」(発言規制
方針撤回・推進協会員の言論の自由の保障・推進協運営の民主化要求)について、
数度のやりとりや情報公開請求そして2度にわたる市民集会を経て、6月24日、
推進協側が上記の政治的発言自粛要請の文書を撤回することを決定。「言論の
自由に抵触するとして市民団体の抗議を受け混乱を招いた。事務局に思い上がり
があった…」と記者会見で表明。しかし、公開質問状に対してはかたくなに
文字にすることを拒否していた。その曖昧な態度は市民側の不信を招き、交渉
をつづける「市民の会」側の熱意と世論の高まりによって、ついに9月26日
になり、「継承部会臨時総会で配布した文書の取扱いについて」と題する
事実上の撤回「報告書」をだしてきたので、これでひとまず市民側としては
目的達成ということになった。

続いて、「市民の会」代表の舟越耿一長崎大学教授からの「被爆者に政治的
発言の自粛を求めた問題の検証」とする論文読み上げでの提起を受け、集会
参加者による意見交換。
このような問題が現在起こった理由について様々に意見が出され、主なものと
して、推進協内部での問題矮小化(「内輪もめを外にさらけだした」等)や
非民主的運営、そして長崎市側の「推進室」と官民共同による「推進協」の
力関係の変化が指摘された。
推進協側の「『核兵器廃絶』だけを伝えればよい」という認識はまさに「官」
のものであり、今回の「自粛要請」は、推進室との力関係において焦りが
でてきた推進協の先走った行動ではなかったのだろうかということ、さらに
被爆者の側にも、世代交代による視野の拡がりがあった故という分析がなさ
れた。

また、マスコミ側からは、この問題を最初にとりあげた長崎新聞の記者が
出席しており、当人から直接、経過とその思いを聴くことができた。
こうした事件が発生したときに、事態の本質に気付くこと、すぐその場で
書くことをしなければ意味がない、と思ったことや、地元紙の限界性を感
じた旨が率直に語られ、今回あらためて、報道に携わる者の姿勢やセンス、
市民との連携が問われた。

最後にそれら意見交換を受けて、舟越さんが総括。
「市民の会」事務局のねばり強い交渉とマスコミの力、市民の力がこの勝利
をもたらした。だが、まだこれからもこのような問題が出てくる可能性がある。
被爆者は「何を語りたいのか」が最優先されなければならない。今は、皆が
その生き方を問われる時代である、と締めくくられた。

いちおう今回は「市民の会」側が推進協の文書撤回をさせることができま
したが、全国をみれば、「日の丸」「君が代」の強制による処分連発や、
共謀罪そして改憲という、思想信条・表現の自由を奪う恐ろしい流れは
ますます加速してきています。
このような流れに、まずは「平和都市長崎」の市民として、まっこうから
「NO!」を突きつけてゆく必要があるのではないでしょうか。
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