【中国】ウラン資源獲得を加速 2020年に原発30基/フジサンケイ ビジネスアイ

2006-10-17 23:26:23 | 世界
■アフリカや豪州で権益取得へ/2020年までに約30基の原子力発電所建設を計画している中国が、原発燃料のウランの権益取得に向け、海外で攻勢をかけている。ウラン需給が世界的な原発見直し機運で逼迫(ひつぱく)するとみて先手を打つ。国有の中国核工業総公司(CNNC)傘下企業が、アフリカのニジェールでウラン鉱区2カ所の開発権を取得したほか、製鉄大手、中国中鋼集団がオーストラリアでの開発権を取得するなど、貿易黒字で得た潤沢な外貨を武器に、石油に加えてウラン争奪戦にも中国が参戦してきた。(上原すみ子)

 中国政府は今年4月以降、胡錦濤・国家主席が自ら世界第2位のウラン埋蔵量を持つオーストラリアや同3位のカザフタンを訪問するなど、積極的な資源外交を展開している。オーストラリア政府と軍事転用をしない条件付きで、中国のウラン輸入で合意している。

 9月には中国の製鉄大手、中国中鋼集団が、南オーストラリアのウラン開発プロジェクトに60%の出資を決めた。投資額は3050万豪ドル(約27億3000万円)。中国民間企業がウラン鉱区に出資したのは初めて。

 今月に入って、中国核工業総公司(CNNC)の傘下企業のチャイナ・ナショナル・ウラニウムをはじめとする企業連合が、ニジェール北部のアガデスとアーリット地方に位置するウラン2鉱区の探査、開発権を取得した。ニジェールは埋蔵量で世界第6位で世界生産量の10%弱を占める。中国側が取得した鉱区は合計で1万8954トンの埋蔵量を確認ずみ。第1段階の開発投資は9800万ユーロ(約146億3000円)と試算された。

 中国がウラン権益の取得を加速する背景は、エネルギー需要の急増を枯渇や価格高騰が懸念される石油から原発に電力エネルギー源をシフトさせる思惑から。地球温暖化対策で火力発電から二酸化炭素(CO2)排出量の少ない原発へ転換させる狙いもありそうだ。

 中国核工業総公司によると、20年までに原発の発電設備容量を4000万キロワットに拡大し、中国の総発電量に占める原発の割合を現在の2・3%から6%に引き上げる計画だ。原発は現在9基が稼働しているが、さらに30基を新設する計画だ。

 ウラン権益では、オーストラリアのBHPビリトンやカナダのカメコなど、資源メジャーが世界の約5割を握る寡占状態だった。日本の大手商社なども獲得に動いているが、「中国はアフリカ諸国でインフラ整備などODA(政府開発援助)に加え、労働者を派遣して石油開発を手がけるなどの戦略があり、ウランも同様の手法で交渉を優位に進め、価格をつりあげる危険性がある」(大手商社)と警戒する。

 原発建設は中国だけではない。インド、ロシアなど新興国に加えて、原発事故のアレルギーで建設を凍結していた米国が建設再開に動いているほか、日本も原発推進を盛り込んだ新エネルギー戦略を策定。世界的に原発再評価が進んでいる。

 一方、世界のウラン需要は05年で年間約7万トン弱に対して、天然ウランの生産量は主要生産国で約4万トンにとどまる。残りはロシアの核兵器解体でウラン燃料を取り出しているのが実情。核兵器の解体は13年をめどに終了する見通しで、こうした将来の需給逼迫を見越した中国のウラン争奪熱は今後、相当ヒートアップしそうな雲行きだ。
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