沖縄戦「集団自決」、「軍が強制」認めず 教科書検定審が結論/沖縄タイムス

2007-12-26 22:21:04 | 沖縄

【東京】高校歴史教科書の沖縄戦「集団自決(強制集団死)に関する検定問題で、教科書会社六社からの訂正申請を審議していた教科用図書検定調査審議会(検定審)の杉山武彦会長は二十六日午後、都内の文部科学省で渡海紀三朗文部科学相と会談し、審議結果を報告した。渡海文科相は全社の記述を承認する手続きに入った。同日中に教科書会社全社に伝達される見通し。検定審の結論は、「集団自決」について「日本軍によって追い込まれた」など軍の「関与」を示す記述は認められたが、「日本軍が強制した」など主語の「日本軍」と述語の「強制」を直接つなげる表現は採用されなかった。

1面(PDF:293kb)
2面(PDF:39kb)

 

<号外>「軍強制」認めず 「集団自決」教科書検定/琉球新報

 【東京】高校歴史教科書の「集団自決」(強制集団死)検定問題で、教科書出版社からの訂正申請を審議していた教科用図書検定調査審議会(検定審)の杉山武彦会長は26日午後、文部科学省に渡海紀三朗文科相を訪ね、訂正申請した6社8冊を承認する検定審報告を提出した。「集団自決」の背景・要因がこれまでより詳しく記述された一方で、検定意見は堅持し、焦点となっていた日本軍の強制の明確化は認められなかった。

→号外1(PDF、552KB)
→号外2(PDF、2160KB)

 

沖縄戦の集団自決、検定意見を事実上修正 渡海文科相

2007年12月26日朝日新聞

 沖縄戦の「集団自決」をめぐり、高校日本史の教科書検定で「日本軍の強制」が削除された問題で、渡海文部科学相は26日、教科書会社6社から出されていた訂正申請を承認することを明らかにした。日本軍の命令が直接の原因だったという記述は避けつつ、「日本軍の関与」や「戦中の軍の教育」などによって住民が自決に追い込まれたと記しており、「集団自決が起きたのは、日本軍の行為が主たる原因」と読める内容になった。

 今回の訂正申請は、今春公表された検定意見に沖縄側が激しく反発したこともあり、渡海氏が「申請があれば真摯(しんし)に対応する」と表明していた。「日本軍の強制性」を認めるかどうかが焦点だった。文科省は検定意見の撤回はしないものの、内容的には事実上、修正した結果となった。

 渡海氏は訂正申請が11月初めに出されたことを受けて、諮問機関の教科用図書検定調査審議会(検定審)に検討を要請。検定審日本史小委員会は25日に訂正申請を承認する報告をまとめた。

 日本史小委は、沖縄戦や軍事史の専門家9人に意見を求めたうえで、(1)集団自決が起きた要因として、軍の関与は主要なもの(2)軍命令で行われたことを示す根拠は確認できていない(3)住民側から見れば、自決せざるを得ないような状況に追い込まれたとも考えられる――という「基本的とらえ方」をまとめた。

 この「とらえ方」に沿って、教科書会社に訂正申請の根拠となる資料の提出や説明を求めた。その結果、三省堂、実教出版、清水書院、第一学習社、東京書籍の5社が「自決を強要された」「集団自害と殺し合いを強制した」といった直接的な表現を取り下げ、「日本軍の関与」や「米軍の捕虜となることを許さないなど指導」「(住民の側からみて)集団自決に追い込まれた」との表現に変えて再申請した。山川出版社だけは、集団自決の事実関係について修正したが、背景や要因には触れなかった。

 http://www.asahi.com/national/update/1226/TKY200712260209.html

 

教科書検定:沖縄集団自決「日本軍関与」復活…審議会判断/毎日新聞

沖縄戦の集団自決をめぐる高校日本史の教科書検定問題で、文部科学相の諮問機関・教科用図書検定調査審議会(会長=杉山武彦・一橋大学長)は、多様な背景・要因を記述することを前提に、旧日本軍による集団自決への関与を認めた。教科書会社6社(計8冊)から出されていた軍関与の記述すべてを「承認が適当」と判断した。しかし、日本軍の命令が直接の原因だったことや断定的な「強制」の表現は認めず、沖縄県民などが求めていた今春の検定意見の撤回は応じなかった。11月上旬に各社が提出した訂正内容を再修正させたうえで承認したケースもあった。

 渡海紀三朗文科相は審議会の決定通りに記述の訂正を認め、26日各社に承認することを通知した。

 同審議会の日本史小委員会は、沖縄戦の専門家ら9人に意見を求めたうえで、記述方針を示す「基本的とらえ方」をまとめた。その中で、集団自決にはさまざまな背景と要因があると指摘しながらも、「軍の関与は主要なものととらえることができる」と明記した。

 その一方で、「直接的な軍の命令を示す根拠は確認できていない」として、「背景・要因を過度に単純化した表現は、生徒の理解が十分とならない恐れがある」とした。

 小委が12月に入って、この考え方を教科書会社側に口頭で示した結果、5社(7冊)が最初の訂正申請を取り下げて、再度訂正申請をした。軍による「強制」「強要」としていた文言を、「関与」や「強制的な状況のもとで住民は追い込まれた」と修正した教科書会社もあった。

 また、従来の記述にはなかった集団自決を「強制集団死」と呼ぶこともあるという脚注も2社(計3冊)で認められたほか、9月29日の沖縄県民大会など一連の検定問題を紹介した2社(2冊)の記述も承認された。【高山純二、永井大介】

 【ことば】教科書検定 民間の出版社が作成した教科書を、刊行前に文部科学省が審査する制度。文科相の諮問機関・教科用図書検定調査審議会が審査し、問題があると判断された場合に検定意見が付けられる。出版社は検定意見に基づいて修正を行う。検定合格後でも、誤字・脱字や「学習上の支障」があれば、訂正申請を行うことができ、今回計6社から提出された訂正申請は「学習上の支障」を理由にしている。

毎日新聞 2007年12月26日

http://mainichi.jp/select/today/news/20071227k0000m010113000c.html

 

 以下、時事通信から(http://news.google.com/?ncl=1106731480&hl=ja)

●教科書検定審見解の要旨
1、沖縄では、住民を巻き込んで軍官民一体で地上戦が行われた。
1、集団自決は、住民が戦闘に巻き込まれる異常な状況で起き、背景には当時の教育・訓練や感情の植え付けなど複雑なものがある。
1、手りゅう弾の配布や壕(ごう)からの追い出しなど、軍の関与は集団自決が起こった状況をつくり出した主な要因ととらえられる。
1、住民に対する直接的な軍の命令で行われた根拠は確認できないが、住民側から見れば自決せざるを得ない状況に追い込まれたとも考えられる。
1、背景・要因について過度に単純化した表現で教科書に記述することは、集団自決について生徒の理解が十分とならない恐れがある。
1、沖縄の戦時体制や戦争末期の極限状況の中で、複合的な背景・要因によって住民が集団自決に追い込まれたととらえる視点が生徒の理解を深めることに資すると考える。

●表現譲歩で両立図る=教科書検定
 沖縄戦の記述をめぐる教科書検定問題は、文部科学省が「住民が日本軍によって集団自決に追い込まれた」とする表現を承認し決着した。住民側の視点を強調する形で軍関与を一定程度強め、沖縄県側への譲歩を示す一方、検定意見の根拠である「命令を含む強制は認めない」とする当初の立場を両立させた格好だ。
 強制の記述復活はならなかったが、教科用図書検定調査審議会が約15時間の議論を尽くし、審査経過を公表してある程度の説明責任を果たしたことはこれまでなかった対応といえる。
 浮かび上がったのは審査経過の透明化の問題。自由な議論と静かな環境を保つためとはいえ、議事録もなく開催日時や場所を事後も非公表とするやり方は早急に改善が迫られる大きな課題だ。
 複数の検定審委員が指摘するように、明らかな年号の誤りなども小委員会がいちいちチェックする現行方式では、集団自決のような歴史認識の重大な論点について十分な時間がかけられない。透明化と共に審査方法の見直しも急がれる。
 今回の検定問題は、訂正申請で初めて検定審が開かれたほか、執筆者が「密室性に一石を投じる」として内容を事前に公表するなど異例ずくめの経過をたどった。得られた教訓を、将来に生かす姿勢が関係者に求められる。

●「恣意的」―執筆者が批判=文科省は公正強調
 教科用図書検定調査審議会の議論は、文部科学省の教科書調査官が作成する意見書がたたき台となる。今年3月に公表された集団自決をめぐる検定意見は意見書がそのまま検定審の結論となり、沖縄県側から「実質審議がない」と反発が起きた。訂正申請の過程でも、調査官が検定審の結論前に「日本軍の強制」の明記を避けるよう教科書会社に表現の調整を要請しており、検定実務への強い影響力がうかがえる。
 調査官は、教科ごとに複数置かれた同省の常勤職員。大学准教授クラスで著書や論文もある専門家だ。検定審に先立ち申請図書の内容をチェックし、検定意見は調査官が作成する「調査意見書」を基に決まる。
 検定審日本史小委員会委員の波多野澄雄筑波大副学長は「意見書と違う結論になることはほぼない」と明かす。「調査官は文献などを実によく調べており、専門外の委員は反論できない」。ただ集団自決については、「近年の学説状況に沿った評価で違和感はなかった」と話した。
 同委員で九州大大学院の有馬学教授は「検定審は受動的存在。ここまで削らなくてもと思っても、内容が正しければOKを出す」と語る。
 文部科学省は「中立公正な調査や事務作業軽減のため」とし、制度の必要性を強調。調査官が思想信条を検定に持ち込むことはないとしている。
 しかし、ある教科書執筆者の高校教諭は「軍が住民を戦闘に動員するなどさまざまな意味を込めた『強制』を『軍の命令』と恣意(しい)的に読み替え、修正させた」と憤った。
 別の出版社の編集者は「合格後の記述を調査官の要請で差し替えたことがある」と話す。約20年前、公民の教科書に商社のリベートを批判的に書いたコラムを掲載した。検定合格後、調査官から業界団体からのクレームを理由に差し替えを要請された。訂正申請をして売上高の推移を示すグラフに変更したという

●集団自決、文科省の結論に一定の評価=沖縄
 文部科学省は沖縄戦の集団自決に日本軍の関与を認めるが、「強制」といった表現で単純化するのは望ましくないとした。「軍がいなければ起きなかった」。沖縄県で教育に携わる体験者らからは、一定の評価と懸念の声が聞かれた。
 米軍が最初に上陸した慶良間諸島の渡嘉敷島で、渡嘉敷村教委の委員長を務める吉川嘉勝さん(69)は62年余り前、集団自決の場を経験した。
 今回の結論について、自決の背景の記述が増えたことを評価したが、強制を否定した検定意見は撤回されず、「総合的には満足できるものではない。(歴史認識をめぐり)今後も同様の問題が起こるかもしれない」と懸念を隠さなかった。
 自決の際、住民らは島の雑木林に集められたという。吉川さんら家族8人と親族は、兄らが投げた手りゅう弾で自決を試みたが、爆発しなかった。手りゅう弾は軍が渡したと聞かされた。「生きられるときは生きよう」との母の言葉で逃げ出した。周囲から爆発音とうめき声が聞こえ、「まさに地獄だった」という。
 宜野湾市に住む県立高英語教諭の宮城千恵さん(49)は、祖父母を同島の集団自決で亡くした。「生存者は体験を伝えてくれる宝。必死の声に耳を傾けて」と訴えた。
 渡嘉敷島の慰霊塔に刻まれた祖父母の名を見て、集団自決のことを意識するようになった。沖縄戦体験者の高齢化に危機感を募らせるが、自らの母親を含め、語りたがらない人も多いという。教科書検定の在り方にも疑問を感じた宮城さんは今年11月、集団自決を伝える日本語と英語を併記した絵本を出版。「悲惨な状況に追い込まれた事実を、未来をつくる生徒たちにしっかり伝え続けたい」と話した

●教科書訂正承認に安堵と不満=沖縄議長ら
 「一定の評価ができ、80点」「『強制』がなくなったのは不満」。沖縄戦集団自決の教科書記述をめぐる訂正申請承認を受け、超党派の沖縄県議や市民団体でつくる県民大会実行委員会が26日、東京都内で記者会見したが、メンバーの間には安堵(あんど)と不満の言葉が交錯した。
 実行委は9月、沖縄で県民大会を開き、検定意見の撤回と記述の復活を求めており、前日から上京していた。
 仲里利信県議会議長(70)=自民=は、軍の関与を明記した集団自決の記述が復活したととらえ、「検定意見は自動的に消滅したと考えている」とほっとした様子。「集団自決の背景も付け加えられており、80点」と評価した。
 一方、平良長政県議(64)=社民=は「日本軍による強制が弱められた」とややぶぜんとした表情。県民大会の開催に奔走した市民団体代表の玉寄哲永さん(73)も「大臣には(検定意見が)誤りだったと言ってほしかった」と述べ、文部科学相の談話に不満を示した。
 実行委は28日、沖縄県で正式な態度表明をする。会見出席者の1人は「満足しているわけではないが、超党派で行動してきただけにここでバラバラになってはいけない」と複雑な胸中をのぞかせた

●不合格では売れない=教科書会社苦しい選択
 沖縄戦をめぐる教科書検定問題で、訂正申請の過程で表現が後退した背景には、申請側の教科書会社と合否の決定権を持つ文部科学省との力関係がある。大手出版社の担当者は「検定を通らないと売ることができない。表現でもめると苦しい選択を迫られる」と打ち明ける。
 承認された記述について、東京書籍の編集責任者は「ある程度、趣旨は通せた」と評価。一方、「沖縄の県民感情の理解不足を含め、今回の対応には問題意識が足りなかった。異例な手続きだったが、反省点をきちんと総括したい」と振り返った。
 清水書院の担当者は「どうすればいいか最初から言ってくれという感じだ」と文科省の方針転換を批判。「現行制度の下では記述の後退もやむを得ない」と話した。
 検定自体は通っており、教科書の販売は可能だ。しかし、ある関係者は「文科省は申請を取り下げてほしくなかったようだ」と話し、再提出までさせて承認したのは、同省が訂正申請で修正するという形式にこだわったためと指摘する。
 一方、実教出版の教科書執筆者の1人である歴史教育者協議会委員長の石山久男氏(71)は「非常に不満。執筆者や沖縄県民の意思が無視された」と悔しさをあらわにする。「訂正申請の主眼は強制の表現の復活だった。『強制的』など日本語としてもおかしな表現になり、やらない方がましともいえる」と憤った。
 三省堂の執筆者は「納得できる結果とはいえないが、現状ではこうならざるを得なかった」と語った

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産経新聞報道は

http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/1a27b917b16390dc851a114ef8464c06

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2 コメント

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教科書芸者の (文科省が問題か。)
2007-12-27 15:25:48
自民や日本会議の狒々爺共の言いなりになって、次世代の子供を育成する神聖な義務を利権に変えるのはイタダケない。
役人の天下りとかと絡んでんじゃないの?!文科省のエライさんOBとか、何処へ言ってんだか!?
ま、ソレを言い出すと、武道推進とか唄ってみちゃって、義務教育児童の親に武具を売りつける手とかもソウだけど。
誤記訂正!正しくは、天下りが (何処へ行ってんだか!?)
2007-12-27 15:26:54
失礼しました。

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