異例の“再検定”で軍強制復活 集団自決訂正申請/産経新聞

2007-12-26 22:56:56 | 沖縄
沖縄戦集団自決をめぐる高校日本史教科書検定問題で、教科書検定審議会(会長=杉山武彦・一橋大学長)は26日、教科書会社6社8冊の訂正申請の結果を公表し、「強制集団死」「強制的な状況」などと遠回しに軍の強制性を示す記述を認めた。検定後の訂正申請で教科書検定審議会が開催されたのは初めて。当初の検定で否定された「軍強制」の記述が事実上の“再検定”によって復活し、教科書検定制度に大きな禍根を残した。
 この問題は、来年4月から使われる高校の教科書に対し、今年3月末に公表された教科書検定で、文部科学省が「日本軍が自決を強いた」などと軍命令が読み取れる記述に検定意見をつけ、軍強制の記述が削除・修正されたもの。

 沖縄県側は、9月29日に県民大会を開催するなどして反発し、渡海紀三朗文科相は訂正申請に応じる考えを表明。教科書会社6社は11月上旬、計8冊で軍強制を盛り込む記述訂正を申請し、教科書検定審議会で記述の可否を審議していた。

 訂正申請の審議では、山川出版の1冊のみが承認された。それ以外の5社は、12月上旬に示された教科書検定審の見解に沿って、記述内容を変更するなどして再申請。最終的には7冊すべての訂正申請が認められた。


 「日本軍によって集団自決に追い込まれた」とする記述は3月の検定では検定意見がついたが、訂正申請では、自決に至った背景を追加することで認められた。また、検定時には許容されなかった「軍強制」の記述も、直接的な軍命でなく住民が心理的に追い込まれたとの文意が含まれれば容認した。

 一方、専門家から信憑(しんぴょう)性に疑義が示されている自決命令の描写についても、「住民の側から見た受け止めであり事実認定ではない」として容認した。

 【集団自決問題 近年の主な経過】

平成17年8月   慶良間諸島の元日本軍隊長らが、軍が自決命令を下したと著書に記した作家、大江健三郎氏らを大阪地裁に提訴

  19年3月   文科省が軍による自決強制に修正を求める教科書検定意見を公表

     6・22 沖縄県議会が検定意見撤回を求める意見書を可決

     7・ 4 沖縄県議会議長らが検定意見撤回を要請

     9・29 検定意見撤回を求める県民大会が開催

    10・ 2 文科相が訂正申請の受け入れを表明

    11・ 1 教科書会社6社が訂正申請(~9日)

        5 訂正申請審議で教科書検定審議会が初会合

    12・ 4 検定審が「軍命令は確認できない」との見解を教科書会社に伝える

       13 教科書会社が再申請(~19日)

       21 大江裁判が結審(判決は来年3月)

       25 検定審が6社8冊の訂正申請を認める
http://sankei.jp.msn.com/life/education/071226/edc0712262021003-n1.htm


首かしげる記述、次々パス 集団自決訂正申請

「強制集団死」「沖縄県民大会開催」「意見書可決」「検定制度批判」…。26日に公表された沖縄戦集団自決をめぐる高校日本史教科書の訂正申請記述では、検定の申請段階にはなかった記述が大幅に書き込まれた。断定的な記述や信憑(しんぴよう)性が疑われる記述、事実ではあっても教科書記述として首をかしげたくなる記述が次々とパスした。

 18年度検定では「日本軍によって集団自決に追い込まれた」とする記述が、「自決の主語が軍にあたる」として認められなかったが、訂正申請では、複合的な要因が加われば許容された。軍の強制を示す記述も、軍による直接的な強制と断定しない場合は通過した。

 当初、検定意見がつかなかったものの、訂正申請で大幅に加筆したのは第一学習社。訂正申請では「日本軍は住民の投降を許さず」とする断定的な記述を加筆した。渡嘉敷村の守備隊長が村民に対し「非戦闘員だから最後まで生きてくれ」と言ったとされる証言も否定しかねない書き方だが、「軍の方針は確認できるから不正確ではない」(文科省)という。

 三省堂の本文は「日本軍の関与によって集団自決に追い込まれた人もいる」。軍のかかわりを「関与」と弱めたが、側注で「日本軍によってひきおこされた『強制集団死』とする見方が出されている」と加筆した。軍強制を明示しているが、「最近の見方なので認められた」(文科省)という。

東京書籍は本文以外での加筆が際立っている。「『集団自決』に日本軍の強制があった記述が消えたことが問題になった」として今春の検定を批判。側注で「沖縄県では、県議会・全市町村議会で検定意見の撤回を求める意見書が可決され、大規模な県民大会が開催された」とした。地方議会の意見書レベルが教科書記述に載るのは異例だ。さらに、囲み記事では「手榴(しゆりゆう)弾を手渡し、『一こは敵に投げ込みあと一こで自決しなさい』と申し渡した」とする自決訓示の情景描写が加わった。これは、検定審に提出された沖縄専門家の意見で「信頼性が低い」とされている。

 清水書院は、年表に検定意見撤回を求める意見書可決を盛り込んだ。今年を代表する出来事かどうかは疑問だが、「何を書くかは教科書会社の判断」(文科省)という。

 実教出版は「強制的な状況のもとで」などの記述を加え、強制性を鮮明にした。訂正申請の理由として「高校生が正確に沖縄戦を理解するうえで支障をきたすおそれがある」ことを挙げた。

 一方、山川出版は「日本軍によって壕を追い出されたり、あるいは集団自決に追い込まれた住民もあった」とする簡明な記述。検定審から唯一、意見がつかなかった。
http://sankei.jp.msn.com/life/education/071226/edc0712262022004-n1.htm


沖縄知事「まずますの結果」 集団自決訂正申請

集団自決の記述を巡る検定問題について、沖縄県の仲井真弘多知事は26日、「沖縄の声が口火となって、まずまずの結果となった」と大筋で評価する見解を述べた。

 また9月の県民大会実行委員長を務めた仲里利信県会議長らは、都内で会見し、「集団自決の記述がほぼ復活しており事実上、検定意見は消滅した。100点満点なら80点だ」とし、おおむね要望は取り入れられたと述べた。仲里議長らは「軍の強制」が削除されたことは大きな問題としたが、「処刑に近い“強制集団死”などの記述が認められた」などとした。

 一方、教科書会社では、承認された記述について東京書籍は「ある程度趣旨は通せた」と評価したが、「沖縄県民の感情の理解不足を含め、今回の対応は問題意識が足りなかった。異例な手続きだったが」と振り返った。

 清水書院は「どうすればいいか言ってくれという感じだった」と文科省の方針転換を批判。「現行制度では記述の後退もやむを得ない」とした。
http://sankei.jp.msn.com/life/education/071226/edc0712262030005-n1.htm

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沖縄タイムス・琉球新報の号外などは
http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/27a1898a62232cc757c0a6811a00bd67

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