トルコ・UAE原子力協定、国会で承認~外交防衛委員会の審議+抗議声明/FoE Japan

2014-04-19 09:37:28 | 社会
トルコやUAEへの原発輸出に道を開く、トルコ・UAEとの原子力協定が、昨日4月18日(金)、参議院本会議で承認されてしまいました。

国際環境NGO のこの問題に対する抗議声明
「国会では承認されてしまいましたが、これは原発輸出実現のための長い道のりの最初の関門を突破されたにすぎません。
とりわけ、日本原電の報告書を公開させたり、JBIC/NEXIの公的融資や付保に当たっての審査にモノを申したり、まだまだできることはたくさんあります。
なんとしても阻止していきましょう。」


FoEJapanの満田です。
トルコ・UAEとの原子力協定が、本日、参議院本会議で承認されました。
NHKの報道によれば、増子議員が棄権、徳永議員、有田議員が欠席したそうです。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140417/k10013815031000.html
また、衆議院の議決で退席した民主党の生方幸夫幹事長代理と近藤昭一党総務委員長が党の役職を解任されました。

ぜひ民主党に対して、抗議をしてください!
http://www.dpj.or.jp/contact/contact
http://www.dpj.or.jp/about/dpj/board

昨日の参議院の外交防衛委員会での質疑では、トルコでの反対世論や、原発輸出に関する日本での確認体制など、さまざまな問題点がさらに明らかになりました。
これらの問題を置き去りにして、国会で承認されたことについては残念でなりません。
参議院外交防衛委員会での質疑の模様については、中継ツイートを下記にまとめましたので、ぜひご覧ください。
みんなの党の中西議員、共産党の井上議員、民主党の福山議員が、かなりつっこんだことを質問しています。
http://togetter.com/li/656145

国会では承認されてしまいましたが、これは原発輸出実現のための長い道のりの最初の関門を突破されたにすぎません。
とりわけ、日本原電の報告書を公開させたり、JBIC/NEXIの公的融資や付保に当たっての審査にモノを申したり、まだまだできることはたくさんあります。
なんとしても阻止していきましょう。

FoE Japanは下記の通り、抗議声明を出しました。ご一読いただければ幸いです。

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2014年4月18日
国際環境NGO
FoE Japan

【声明】トルコ・UAEとの原子力協定の国会承認に抗議
~原発に依存しない国際社会の実現への支援を~
http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2014/04/uae-a931.html
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本日、トルコとUAEとの原子力協定が国会で承認されました。

FoE
Japanは多くの市民とともに、原子力協定の承認の問題点を指摘しつづけてきましたが、またもや、これらの声は国会に届きませんでした。

福島原発事故はいまだに収束せず、多くの被災者の人々が苦しんでいる最中、また放射性廃棄物の処分も解決の道が見いだせない中、原発輸出により、原発という「麻薬」を他国に押し付けることは道義的にも許されるものではありません。

日本が行うべきは、福島原発事故の教訓を踏まえ、原発に依存しない社会の実現を身を持って示すこと、また再生可能エネルギーや省エネ技術の面で国際的に貢献していくことではないでしょうか?

トルコでは、地元のシノップ市長をはじめ、多くの市民が原発建設に反対しており、命がけで抗議しています。
地元の人たちは、シノップの美しい海と生態系を守りたい一心で、日本の国会議員宛にたびたび手紙を出してきました。
最近では、4月4日付で100近くのトルコの市民団体が連名で国会議員宛に書簡を送っています。
http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2014/04/post-3e84.html

このように地元からの強い反対があることに加え、とりわけトルコとの原子力協定には以下の問題があります。

1)通常は禁止される放射性物質の濃縮・再処理に関して「両締結国が書面により合意する場合に限り、トルコにおいて、濃縮または再処理することができる」とされています。

2)トルコは世界有数の地震頻発地帯であるが、周辺インフラの耐震性が低く事故対応が極めて困難です。

さらに、2013年度、国は日本原電に対して11.2億円の国税を支出し、トルコ・シノップ原発周辺の地層調査を行っていますが、この3月に提出されるはずの報告書はいまだに公開されておらず、地元住民や専門家を含んだ第三者の目が届かない状況にあります。

今後、国際協力銀行(JBIC)や日本貿易保険(NEXI)の公的信用が付与されることが予定されていますが、この信用付与に当たっての審査体制が整っていません。
従来は、原子力安全保安院が、事業者が提出した書類をもとに机上での確認を行っていましたが、まったくずさんな確認でした。
原子力安全保安院がなくなった後は、原子力規制庁はそれを引き継ぐことを断り、宙に浮いた状況になっています。
もしも、この「確認」を経産省が行うことになれば、お手盛り審査となり、原発リスクをそのまま相手国に押し付けることとなります。

一方、原子力協定の承認は、原発輸出への「必要条件」を満たしたにすぎません。
私たちは、今後とも、日本原電の報告書の完全公開や第三者によるチェック、JBICやNEXIの公的信用付与にあたっての環境社会配慮確認や原発事業の安全確認などにおいて、引き続き問題点を提起していきたいと考えています。


国際環境NGO
FoE Japan
〒171-0014 東京都豊島区池袋3-30-22-203
tel: 03-6907-7217 fax:
03-6907-7219



※参考
原発地質調査:入札資格、原電のみ トルコ輸出 「過去に実績」
毎日新聞 2014年4月6日
http://mainichi.jp/select/news/20140406k0000m040106000c.html

原発調査事業:震災後、2度増額8.5億円 識者指摘「国による原電救済」
毎日新聞 2014年4月6日
http://mainichi.jp/select/news/20140406k0000m040113000c.html

原発輸出で不明確な“調査費用”――日本原電に36億円余の税金
週刊金曜日 2014
年2月 10日
http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/?p=4131

ベトナム原発の建設調査に国税二五億円――復興予算流用!使い道不透明
週刊金曜日 2013年11月11日
http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/?p=3862
--
満田夏花 MITSUTA Kanna

※ブックレット<「子ども・被災者支援法」と避難の権利> 
20mSv撤回運動/自主的避難と賠償/避難・帰還政策および被災者支援について
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日本は、トルコへの武器輸出案件(戦車用エンジンの共同開発で三菱重工に打診)も抱えています。

<関連記事>
【社説】原子力協定承認 官民連携で受注・輸出を図れ(4月19日、読売)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20140419-OYT1T50011.html

原発技術、海外シフト 三菱重工はトルコ軸に(4月19日、日経)
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http://www.nikkei.com/article/DGXNASDZ180FM_Y4A410C1EA2000/


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