「民俗写真の巨匠 芳賀日出男」 FUJIFILM SQUARE

FUJIFILM SQUARE 写真歴史博物館
「民俗写真の巨匠 芳賀日出男 伝えるべきもの、守るべきもの」 
1/4~3/31



1921年に中国大連に生まれた芳賀日出男は、大学卒業後、日本の年中行事を撮り続け、「民俗写真」の地位を確立するに至りました。

現在、キャリアは約60年を超え、約40万点にも及ぶ民俗写真を撮影しました。特に目立つのは、芳賀の原点とも言われる祭礼や儀礼の写真で、例えば「訪れ神」では、お面を被った人物を先頭に、西表島の海辺で行われた儀礼を写し出しました。


左:「壬生の花田植」 広島県山県郡千代田町(現、北広島市) 1981年

また稲作に伴う儀礼もテーマの1つで、「壬生の花田植」では、中国地方に伝わる、太鼓を叩き、笛を鳴らしては、田植唄を歌いながら大勢で田植をする民俗行事を捉えていました。これは中世に遡る田の神を祀る儀式で、当時の農村においては、田植えに従事する者の慰安や、農村における娯楽の要素を持ち得る一大行事でもあったそうです。


右上:「雪中田植」 秋田県平鹿郡山内村(現、横手市) 1964年

また秋田県の「雪中田植」も興味深いのではないでしょうか。これは農家が仕事始めのため、水田に見立てた雪の上に、稲わらなどによって作った稲を植え、倒れ方などを見る儀式で、主に小正月に、稲作の豊凶を占うために行われました。現在では途絶えてしまった地域も少なくありません。



さらに各地域に根ざした民俗文化を、芳賀は人に焦点を当てながら、有り体に写し出していました。こうした一連の写真を撮る切っ掛けのなったのは、大学時代に折口信夫の講義で耳にした、「神は季節の移り目に遠くから訪れ、村人の前に姿を表す。」という言葉だったそうです。それを写真に捉えようと、日本中へ繰り出し、年中行事などを撮影しました。

1959年には、稲作行事を撮った「田の神」を出版し、1970年の大阪万博に至っては、「お祭り広場」のプロデューサーにも任命されました。その幅広い活動は写真の分野に留まりません。

「写真民俗学 東西の神々/KADOKAWA」

最近でも、昨年、「写真民俗学 東西の神々」を出版し、95歳を超えた今もなお、民俗写真を世に送り出しています。


「訪ね神」 沖縄県八重山郡竹富町 1988年

会場はミッドタウン内、フジフィルムスクエアの写真歴史博物館です。壁面一面のみのミニ個展で、私も殆ど偶然に通りがかったに過ぎませんでしたが、モノクロームの写真には臨場感もあり、思いがけないほどに惹かれました。


「供える」 静岡県伊東市 1995年

芳賀展のみ撮影も可能でした。入場も無料です。


3月31日まで開催されています。

「民俗写真の巨匠 芳賀日出男 伝えるべきもの、守るべきもの」 FUJIFILM SQUARE 写真歴史博物館(@FujifilmJP_SQ
会期:1月4日(木)~3月31日(土)
休廊:無休。
時間:11:00~19:00
料金:無料。
住所:港区赤坂9-7-3 ミッドタウン・ウェスト1F
交通:都営地下鉄大江戸線六本木駅出口8より直結。東京メトロ日比谷線六本木駅より地下通路にて直結。東京メトロ千代田線乃木坂駅出口3より徒歩5分。
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「会田誠『GROUND NO PLAN』展」 青山クリスタルビル

青山クリスタルビル
「会田誠『GROUND NO PLAN』展」 
2/10~2/24



青山クリスタルビルで開催中の「会田誠『GROUND NO PLAN』展」を見てきました。

大林組の会長が理事長を務める大林財団は、国内外のアーティストに、従来とは異なる視点により、都市のあり方を提案してもらう、新たな助成制度、「都市のヴィジョン」プログラムをはじめました。

第一弾に会田誠が選ばれました。それにしても幅広く活動し、一見、都市に特段の関心があるようにも思えない会田は、一体、どのような表現で向き合ったのでしょうか。


「シェイキング・オベリスク」

冒頭からして会田節が炸裂していました。いきなり目の前では、「シェイキング・オベリスク」なるジオラマが、もの凄い勢いでブルブルと震えていました。中央に白くそびえたつのは、欧米の広場でよく見られるオベリスク、つまりモニュメントの一種で、それを地震大国日本に持ってきたことを想定していました。かなり素早く動くため、うまくカメラに収められませんでしたが、ジオラマに目を向けると、確かに地震に驚いては、尻もちする人の姿が見られました。


「シン日本橋」

その向こうにあるのが、「シン日本橋」なる作品で、既存の首都高の上を、これまた凄まじい角度で超えていく木製の日本橋の姿を描いていました。もはやスキーのジャンプ台のようで、おちおち人が渡ることは出来そうもありません。いかにも山口晃風の描写でしたが、先にプランを発表したのは山口で、それに敬意を示したのか、署名に「ニセ口晃」と記していました。


「新宿御苑大改造計画ジオラマ」

実のところ会田は、かつて都市に関する作品を発表していました。それが2001年の「新宿御苑大改造計画ジオラマ」で、かつて滞在していたニューヨークのセントラル・パークに着想を得て作られました。会田は、かの広大な新宿御苑を、高低差が50メートルもあり、大展望露天風呂を併設した、一大渓谷帯へと改造しようとしました。この山のようなジオラマが、思いがけないほど緻密に作られていて、しばらく見ていても飽きませんでした。


「新宿御苑大改造計画」

そして何よりも細かいのが、大きな黒板に描かれた、改造計画のテキストとスケッチでした。ここでは新宿御苑の見取り図とともに、そもそも何故に渓谷を作り上げる必要があるのかなどについて、事細かに記していました。


「新宿御苑大改造計画」

これが凄まじくマニアックで、茶店のデザインから、工事のあり方や使用する素材、そして夜間の開放などについても触れていました。何でもビオトープを目指すため、アスファルトやコンクリートは禁止し、夜間は全面閉園した上で、来場者を法螺貝で拭きながら追い払うのだそうです。テキストを読むだけでも大変ですが、さすがに会田流で、一捻りも二捻りもあり、日本の都市や公園に対する批評的な視点を持ち得ながらも、思わず笑ってしまうような箇所も少なくありませんでした。


「NEO出島」

旧作の新宿御苑に対し、霞ヶ関を改造しようとしたのが、新作「NEO出島」でした。ここでは国会議事堂や議員会館の立ち並ぶ霞ヶ関の上に人工地盤を築き、まさに「出島」を造ろうと提案していました。「出島」は国際社会で、公用語は英語であり、入るには厳密な審査を経たビザが必要で、その基準に「立派な人物」であるとしています。あくまでも「思いつき」とありましたが、あえて政府機関の真上に設置することに、アイロニカルな視点も伺えるのかもしれません。


「風の塔」改良案:「ちくわの女」完成予想図

アクアラインの人口島、「風の塔」を、新たに改良しようとしたのが、「ちくわ女」でした。会田は「風の塔」を可もなく不可もないデザインとし、おおよそ東京にある建造物を、「周りに合わせ、空気を読んで、空気のような無個性な存在」だとした上で、「ちくわの女」を提案しました。確かに全く空気を読まない奇抜なデザインで、海上に設置されれば、賛否両論、そして一躍、名所と化すに違いありません。また海水を組み上げて循環させたのか、目から涙が流れ落ちていたのも印象的でした。

さらに階下がカオスでした。キーワードはスラムで、実際にも、もはや廃墟かと見間違えるかのようなスペースが広がっていました。


「セカンド・フロアリズム」

「セカンド・フロアリズム」は、建物を2階以下に制限しようとするアイデアで、実際に会田自身も、海外での滞在を除くと、2階以上に住んだことがないそうです。さらに「快適なバラック」を究極の理想とし、そのシステムを構築するのがプロの仕事だとしていました。


「セカンド・フロアリズム」

そしてテキストのボリュームが半端ありません。殴り書きで、文字自体からも、会田の主張ならぬ、強いエネルギーが感じられました。ともかく相当に読ませます。


「発展途上国からはじめよう」

会田は「バカなことを考えたい。」としながらも、現実を見ると、「閉塞感があり」、「新しいものを作ったところで、たかが知れていて」、「頭の中を巡る、楽観と悲観、希望と絶望の混沌をそのまま見せる。」と語っています。(*「」内はチラシより。)確かにほかにも「北海道遷都」や「群馬県を巨大湖に」、また「発展途上国からはじめよう」と、ユニーク極まりないアイデアが垣間見えました。当然ながら実現云々の話ではありません。


「アーティスティック・ダンディ」

どこか刺激的でかつ、笑いを伴いながらも、時に真面目に現実を見据え、示唆にも富んだ、実に奇妙なバランスの上に成り立った展示ではないでしょうか。


「会田誠『GROUND NO PLAN』展」会場風景

早々に出かけてきましたが、思いがけないほど賑わっていました。会期は2週間の限定で、残すところ僅かです。最終日の24日はかなり混み合うかもしれません。


今後、大林財団では、アーティストを替え、2年に1度の頻度で「都市のヴィジョン」を開催していくそうです。初回は会田誠が、「100%本気でなく、徹頭徹尾冗談」(日刊建設工業新聞インタビューより)で、「ツッコミどころ満載」(チラシより)とする展示を行いました。今後は、どのような展開が待ち受けているのでしょうか。

入場は無料です。自由に撮影も出来ました。



2月24日まで開催されています。

「会田誠『GROUND NO PLAN』展」 青山クリスタルビル
会期:2月10日(土)~24日(土)
時間:10:30~18:30。
 *金曜は19時半まで開館。
 *入館は閉館の30分前まで。
休館:会期中無休。
料金:無料。
住所:港区北青山3-5-12 B1・B2F
交通:東京メトロ銀座線・千代田線・半蔵門線表参道駅A3出口より徒歩3分。
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葛井寺「千手観音菩薩坐像」 仁和寺と御室派のみほとけ(東京国立博物館)

東京国立博物館・平成館(仁和寺と御室派のみほとけ)
葛井寺「千手観音菩薩坐像」
2/14~3/11



「仁和寺と御室派のみほとけ」展で公開中の、葛井寺「千手観音菩薩坐像」を見てきました。

天平の秘仏とされ、1041本の腕を持つ、現存最古の千手観音像、大阪・葛井寺の「千手観音菩薩坐像」が、東京国立博物館へとやって来ました。

会場は、「仁和寺と御室派のみほとけ」展を開催中の平成館で、展示終盤、御室派の寺院に伝わる仏像を紹介する「第5章 御室派のみほとけ」のコーナーに安置されていました。



「千手観音菩薩坐像」はケースなしの露出で、円形のスペースの中央に配されていたため、360度の角度から鑑賞することが可能でした。お寺の厨子では到底叶わない、後方からの姿も見ることが出来ました。

ともかく1000本の脇手の存在感が凄まじく、否応なしに腕ばかりに目が向いてしまいましたが、菩薩自体は意外にも細身で、着衣の紋様や、装身具も極めて繊細でした。また目をやや下に見据えた表情も穏やかで、手を合わせるというよりも、僅かに両手を触れるような合掌のポーズなど、実に物静かな佇まいを見せていました。

丸みを帯びた脇手も一本一本がしなやかで、かつ動きがあり、特に手の指の滑らかな屈曲は、艶やかとも言えるかもしれません。極めて優美な仏像でした。



1041の腕のうち、40本は大きな手で、様々なものを持っていました。特に目を引いたのが、向かって左横から突き出た髑髏宝杖で、杖の先に、丸い顔をしたドクロがあしらわれていました。あらゆる神々を使役する存在でもあるそうです。

通常、「千手観音菩薩坐像」は、葛井寺にて、毎月18日にご開帳されますが、お寺を出る機会は極めて少なく、実に東京で公開されたのは、何と江戸時代の出開帳以来のことでした。まさに一期一会の機会と言えるのではないでしょうか。

なお「仁和寺と御室派のみほとけ」展は、2月14日(水)を機に、多くの作品が入れ替わりました。ほぼ前後期の2会期で、1つの展覧会と言って良いかもしれません。


まず仏像では、仁和寺の同じく秘仏である「薬師如来坐像」が出展されました。円勢・長円の作され、像高は約10センチ、光背と台座を含めても24センチあまりの小像で、白檀を極めて精緻に彫り起こし、如来坐像と十二神将を象っていました。その意匠は実に精巧で、大きさもあるのか、細部の全てを肉眼で確認するのは困難でした。単眼鏡があった方が良いかもしれません。

全帖公開こそ終了しましたが、「三十帖冊子」を納めるための、「宝相華迦陵頻伽蒔絵冊子箱」も同じく後期からの出展で、金銀の粉を蒔いた地に、飛雲や宝相華などの文様を、実に華やかに描いていました。平安時代の蒔絵の代表作としても知られています。

前期で特に目を引いた、中国・北宋時代の「孔雀明王像」は、江戸時代の源證の描いた同名の作品に入れ替わりました。それに展示室の天井付近にまで達する巨大な「両界曼荼羅」も、場面が胎蔵界から金剛界へ替わり、また「十二天像」も、梵天と地天から、毘沙門天と伊舎那天に替わっていました。

古代神話に取材した、狩野種泰の「彦火々出見尊絵」も場面替えされていました。ほかにも香炉を持って立ち、父の用明天皇の平癒を祈った「聖徳太子像」も、新たに展示されました。目がややつり上がり、随分と険しい表情をしていたのが印象に残りました。

さらに後期では金剛寺の「五秘密像」も興味深いのではないでしょうか。一つの蓮台の上に五体の菩薩が描かれていますが、うち右から姿を見せる菩薩が、中尊を抱くようにしていました。



最後に混雑の状況です。「千手観音菩薩坐像」が出陳された最初の週、2月第3週の金曜の夕方に見てきました。

博物館に着いたのは、おおよそ17時半頃で、行列こそはなかったものの、平成館のコインロッカーは全て使用中の状態でした。既に1度、空海の「三十帖冊子」の公開されていた第1週目にも、同じく夜間開館に出かけましたが、その時と比べても、明らかに人出が増していました。

「仁和寺と御室派のみほとけ」 東京国立博物館(はろるど) *前期展示の際の感想です。

観音堂の再現展示(撮影可)の様子も以下の通りでした。「千手観音菩薩坐像」の周辺も、仏像を取り囲む人々による2〜3重の人垣が出来ていました。



実際、「千手観音菩薩坐像」が展示された以降、平日においても、午前中を中心に、約30分程度の待ち時間が発生しています。行列は昼過ぎまで続き、15時頃までには段階的に解消しているようです。今後、さらなる行列が出来ることも予想されます。

混雑情報は、「仁和寺と御室派のみほとけ」の公式Twitterアカウント(@ninnaji2018)がリアルタイムで発信しています。そちらも参考になりそうです。


「千手観音菩薩坐像」 南北朝時代・14世紀
「四天王立像」 鎌倉時代・14世紀 文化庁


本館1階(常設展)にも、南北朝時代の作とされる「千手観音菩薩坐像」が展示されていました。持ち物こそ失われていますが、42本の手や台座、光背などは、当初のものが残っているそうです。その周囲には、東大寺の大仏殿様の一例と呼ばれる「四天王立像」が並び立っていました。あわせてお見逃しなきようにおすすめします。

3月11日まで公開されています。

「仁和寺と御室派のみほとけー天平と真言密教の名宝」@ninnaji2018) 東京国立博物館・平成館(@TNM_PR
会期:1月16日(火)~3月11日(日)
 *葛井寺の「千手観音菩薩坐像」の展示は、2月14日(水)~3月11日(日)。
時間:9:30~17:00。
 *毎週金・土曜は21時まで開館。
 *入館は閉館の30分前まで。
休館:月曜日。但し2月12日(月・祝)は開館。2月13日(火)は休館。
料金:一般1600(1300)円、大学生1200(900)円、高校生900(600)円。中学生以下無料
 *( )は20名以上の団体料金。
住所:台東区上野公園13-9
交通:JR上野駅公園口より徒歩10分。東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅、京成電鉄上野駅より徒歩15分。
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「あなたが選ぶ展覧会2017」 最終投票結果発表

2017年の展覧会を振り返ろうと開催してきた「あなたが選ぶ展覧会2017」。去る2月18日(日)のWEBイベントにて、最終の集計結果を発表しました。多くの方が参加して下さいました。どうもありがとうございました。



「あなたが選ぶ展覧会2017」
http://arttalk.tokyo/


改めてご報告します。「あなたが選ぶ展覧会2017」の結果は以下の通りでした。

「あなたが選ぶ展覧会2017」最終投票結果 *( )内はエントリー時の順位。
http://arttalk.tokyo/vote/ranking.html

1位 「ミュシャ展」 国立新美術館 299票 (1位)
2位 「興福寺中金堂再建記念特別展 運慶」 東京国立博物館 121票 (2位)
3位 「怖い絵展」 上野の森美術館 41票 (3位)
4位 「北斎とジャポニスム HOKUSAIが西洋に与えた衝撃」 国立西洋美術館 37票 (23位)
5位 「草間彌生 わが永遠の魂」 国立新美術館 32票 (15位)
6位 「生誕140年 吉田博展」 東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館 31票 (11位)
7位 「安藤忠雄展ー挑戦」 国立新美術館 30票 (14位)
8位 「ボイマンス美術館所蔵 ブリュ-ゲル バベルの塔展」 東京都美術館 29票 (5位)
9位 「奈良美智 for better or worse」 豊田市美術館 28票 (18位)
10位 「デヴィッド・ボウイの大回顧展 DAVID BOWIE is」 寺田倉庫G1ビル 26票 (32位)
11位 「アルチンボルド展」 国立西洋美術館  25票 (4位)
11位 「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」 東京都美術館 25票 (32位)
13位 「特別展覧会 国宝」 京都国立博物館 24票 (5位)
14位 「ジャコメッティ展」 国立新美術館 23票 (12位)
15位 「絵巻マニア列伝」 サントリー美術館 22票 (18位)
15位 「特別展覧会 海北友松」 京都国立博物館 22票 (8位)
17位 「長沢芦雪展 京のエンターテイナー」 愛知県美術館  21票 (5位)
18位 「ニューヨークが生んだ伝説 写真家ソール・ライター展」 Bunkamuraザ・ミュージアム 20票 (15位)
18位 「特別展 茶の湯」 東京国立博物館 20票 (27位)
20位 「N・S・ハルシャ展ーチャーミングな旅」 森美術館 18票 (32位)
21位 「没後40年 幻の画家 不染鉄展」 東京ステーションギャラリー 17票 (10位)
22位 「特別展 快慶 日本人を魅了した仏のかたち」 奈良国立博物館 16票 (12位)
22位 「オルセ-のナビ派展 美の預言者たちーささやきとざわめき」 三菱一号館美術館 16票(9位)
22位 「レオナルド×ミケランジェロ展」  三菱一号館美術館 16票 (27位)
25位 「ゴールドマン コレクション これぞ暁斎!世界が認めたその画力」 Bunkamuraザ・ミュージアム 15票 (15位)
26位 「池田学展 The Penー凝縮の宇宙」 日本橋タカシマヤ 14票 (18位)
26位 「シャセリオー展ー20世紀フランス・ロマン主義の異才」 国立西洋美術館 14票 (23位)
28位 「オットー・ネーベル展-シャガール、カンディンスキー、クレーの時代」 Bunkamuraザ・ミュージアム 11票 (32位)
28位 「北斎 富士を超えて」 あべのハルカス美術館 11票 (27位)
30位 「シャガール 三次元の世界」 東京ステーションギャラリー 10票 (32位)
30位 「ボストン美術館浮世絵名品展 鈴木春信」 千葉市美術館 10票 (18位)
32位 「遠藤利克展ー聖性の考古学」 埼玉県立近代美術館 9票 (27位)
32位 「ボストン美術館の至宝展ー東西の名品、珠玉のコレクション」 東京都美術館 9票 (23位)
34位 「茶碗の中の宇宙 樂家一子相伝の芸術」 東京国立近代美術館 8票 (32位)
35位 「大エルミタージュ美術館展 オールドマスター 西洋絵画の巨匠たち」 森アーツセンターギャラリー 7票 (32位)
36位 「池田学展 The Penー凝縮の宇宙」 金沢21世紀美術館 6票 (32位)
36位 「特別展 雪村ー奇想の誕生」 東京藝術大学大学美術館 6票 (27位)
38位 「驚異の超絶技巧!ー明治工芸から現代アートへ」 三井記念美術館 5票 (23位)
39位 「ヴォルスー路上から宇宙へ」 DIC川村記念美術館 4票 (32位)
40位 「天下を治めた絵師 狩野元信」 サントリー美術館 3票 (18位)
40位 「没後50年記念 川端龍子ー超ド級の日本画」 山種美術館 3票 (32位)
40位 「endless 山田正亮の絵画」 東京国立近代美術館 3票 (32位)
43位 「シルクロード特別企画展 素心伝心 クローン文化財 失われた刻の再生」 東京藝術大学大学美術館 1票 (32位)

トップ3は、いずれも今年、大変な話題を集めたミュシャ展、運慶展、怖い絵展でした。特にミュシャ展は、2位以下を引き離し、実に投票総数の3割近くを占めるに至りました。さらに4位に北斎とジャポニスム展、5位に草間彌生展と続きました。

国公立の美術館や博物館での展覧会が目立つ中、6位に損保ジャパン日本興亜美術館の吉田博展が入ったのは印象に残りました。また寺田倉庫のデヴィッド・ボウイの大回顧展も、ベスト10にランクインしました。さらに東京の展覧会が大半を占める中、愛知県の豊田市美術館で開催された奈良美智展が9位に入りました。

右の( )内は、エントリー時の順位です。ベスト3まではエントリー時と変わりませんでしたが、例えば4位の北斎とジャポニスム展が、エントリー23位より4位にランクインしたほか、デヴィッド・ボウイの大回顧展が32位から9位に大きく上げるなど、幾つかの展覧会において変動も見られました。

また投票総数は1108票となり、昨年の535票からほぼ倍増しました。



「あなたが選ぶ展覧会2017 イベントスケジュール」

1.エントリー受付
2017年に観た展覧会で良かったと思うものを3つあげていただきます。
*1月28日(日)で受付を終了しました。

2.ベスト50展発表
エントリーしていただいた多くの展覧会の中から、最大で上位50の展覧会を2月1日(木)にwebサイト上で発表します。
エントリー集計結果:http://arttalk.tokyo/vote/result.html

3.ベスト展覧会投票
エントリーのあった展覧会の中から、さらにベストの展覧会を選んでいただきます。あなたが選ぶ2017年のベスト展覧会を1つ選んで投票して下さい。
*投票期間:2月1日(木)~2月12日(月)まで

4.ベスト展覧会決定
最終的な投票結果は、2月18日(日)の10時30分から、webのライブイベントで発表致します。
イベント時の動画:https://www.youtube.com/watch?v=CZxULuYgAjI&feature=youtu.be


Vキューブスタジオ(こちらから配信しました。)

結果発表のライブイベントは、予定通り、2月18日(日)の10時30分から、Vキューブの配信システムを利用し、私と「青い日記帳」のtakさん、そしてジャーナリストのチバヒデトシさんとともに行いました。まずベスト10から追いかけ、その後、ベスト11〜20位、そしてベスト3の順に発表しました。リアルタイムでのチャット機能もあり、実際にたくさんの方が、各展覧会についての感想などを書き込んで下さいました。

また既に年が明けていたこともあり、2017年を振り返ったのちは、「2018年気になる展覧会」として、今年の展覧会をいくつかご紹介しました。その際も、皆さんの期待される展覧会をチャットに書き込んでいただきました。フェルメール展、ムンク展、縄文展、横山大観展、小村雪岱展、ヌード展、エッシャー展、大報恩寺展、木島櫻谷展、岡本神草展などがあがりました。



「あなたが選ぶ展覧会」は、皆さんのエントリー、投票があってからこそ成り立つイベントです。今年は、過去2回を大幅に上回るエントリー、投票を頂戴しましたが、運営やイベントの進行など、色々と至らない点も多かったかもしれません。今後も集計、発表の在り方などを再検討しながら、「あなたが選ぶ展覧会2018」の開催を目指したいと思います。



最後になりますが、改めて「あなたが選ぶ展覧会」に参加して下さった全ての方に感謝申し上げます。本当にどうもありがとうございました。

[あなたが選ぶ展覧会2017 イベント概要] *全日程終了しました。
イベントサイト:http://arttalk.tokyo
開催期間:2018年1月15日(月)~2月18日(日)
エントリー受付期限:1月28日(日)
上位50展発表:2月1日(木)
エントリー集計結果:http://arttalk.tokyo/vote/result.html
ベスト展覧会投票期間:2月1日(木)~2月12日(月)
「あなたが選ぶ展覧会2017」発表ライブイベント:2018年2月18日(日)午前10時半より。
ライブイベント動画(youtube):https://www.youtube.com/watch?v=CZxULuYgAjI&feature=youtu.be
ベスト展覧会投票結果:http://arttalk.tokyo/vote/ranking.html
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円山応挙「海辺老松図襖(旧帰雲院障壁画)」 東京国立博物館

東京国立博物館・本館7室
円山応挙「海辺老松図襖(旧帰雲院障壁画)」
2/6~3/18

東京国立博物館・本館7室で公開中の円山応挙の「海辺老松図襖」を見てきました。


円山応挙「海辺老松図襖(旧帰雲院障壁画)」 江戸時代・天明7(1787)年

「海辺老松図襖」は元々、南禅寺の塔頭である帰雲院を飾った障壁画の一部で、応挙が54歳の時に描きました。


円山応挙「海辺老松図襖(旧帰雲院障壁画)」 江戸時代・天明7(1787)年

中央には海が開け、その水面は右手の黒い岩を回り込み、遠景の霧を伴いながら、右後方へと広がっていました。波の描線は至って細く、また柔らかで、岩場にぶつかっては、砕け散る白い波頭も僅かに見ることも出来ました。


円山応挙「海辺老松図襖(旧帰雲院障壁画)」 江戸時代・天明7(1787)年

岩の上で根を下ろす松は、手前から奥へと枝を振り上げているからか、どことなく遠近感もあり、「雪松図屏風」の表現を思わせなくはありません。

左の面にも同じように水辺から岩が切り立ち、やはり松を何本か従えていました。右の岩に比べると墨は薄く、霧に包まれていて、心なしか松も薄い墨で象られているようにも見えました。


円山応挙「海辺老松図襖(旧帰雲院障壁画)」 江戸時代・天明7(1787)年

崖から上方へ向けて峰が連なり、奥の方にも松が生えていることが見て取れました。そしてこの峰の細部が実に精緻で、離れて見ると良く分からないかもしれませんが、目を凝らすと、山の稜線に無数の松が林立していることが分かりました。


円山応挙「海辺老松図襖(旧帰雲院障壁画)」 江戸時代・天明7(1787)年

どれほどに深遠な空間が広がっているのでしょうか。この頃の応挙は、香川の金刀比羅宮や、兵庫の大乗寺などの障壁画を手がけるなど、大変に精力的に活動していました。まさに充実した力作と言えそうです。

なお応挙の作品は、7室に続く8室(書画の展開ー安土桃山~江戸)でも、2点の人物像、「拡元先生像」と「端淑孺人像」が公開されています。


円山応挙「拡元先生像」 江戸時代・安永8(1779)年
円山応挙「端淑孺人像」 江戸時代・18世紀


ともに高い写実を思わせる作品で、着衣の文様なども、極めて精緻に描きこんでいました。あわせて鑑賞するのが良さそうです。

3月18日まで公開されています。

円山応挙「海辺老松図襖(旧帰雲院障壁画)」 東京国立博物館・本館7室(@TNM_PR
会期:2月6日(火)~3月18日(日)
時間:9:30~17:00。
 *毎週金・土曜は21時まで開館。
 *入館は閉館の30分前まで。
休館:月曜日。但し10月9日(月・祝)は開館。
料金:一般620(520)円、大学生410(310)円、高校生以下無料。
 *( )は20名以上の団体料金。
住所:台東区上野公園13-9
交通:JR上野駅公園口より徒歩10分。東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅、京成電鉄上野駅より徒歩15分。
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