「木×仏像 日本の木彫仏1000年」 大阪市立美術館

大阪市立美術館
「木×仏像ー飛鳥仏から円空へ 日本の木彫仏1000年」 
4/8~6/4



大阪市立美術館で開催中の「木×仏像ー飛鳥仏から円空へ 日本の木彫仏1000年」を見てきました。

森林資源にも恵まれた日本では古来より多くの木彫の仏像が造られてきました。


「菩薩立像」 飛鳥時代(7世紀) 東京国立博物館

遡ること約1300年。はじまりは飛鳥時代でした。「菩薩立像」です。像高はおおよそ1メートル弱。素材は飛鳥仏に特徴的な樟でした。大きなお顔に引き締まった身体をしています。厚みがありません。横から見ると板のように薄いことが分かります。仏教伝来期を伝える木彫仏として知られています。


国宝「弥勒如来坐像(試みの大仏)」 奈良〜平安時代(8〜9世紀) 奈良・東大寺

奈良時代の「弥勒如来坐像」に目が留まりました。東大寺の所蔵です。大仏を造るに際しての試作品の可能性があることから、通称「試みの大仏」と呼ばれています。像高40センチ弱の小像です。しかし大きな丸いお顔や、幅広い上半身からは、迫力も感じられます。2015年には国宝にも指定されました。

さて本展、タイトルに「飛鳥から円空へ」とあるように、飛鳥から江戸時代(一部に昭和を含む。)までを網羅していますが、全ての時代を等しく扱っているわけではありません。

出点は約60件。うち飛鳥が2件です。江戸も円空の2件にもう1件が加わり3件でした。奈良は5件です。一方で多く展示されているのが、平安、鎌倉時代の木彫仏でした。約40件弱です。実に出展中の7割近くを占めています。


チラシ表紙を飾るのも平安時代の木彫仏です。京都・西住寺の「宝誌和尚立像」でした。和尚の顔が左右に開き、中から菩薩の顔が出現しています。モデルの和尚は中国の実在した南北朝時代の僧侶でした。僧は観音の化身です。割れた額から十一面観音像が現れたという説話を元に造られました。一木造で鉈の跡も荒々しい。口は3つ、目は4つあります。異形と呼んでも良いのでしょうか。イメージは強烈です。しばらく頭から離れませんでした。

平安時代には信仰の広まりとともに地蔵菩薩が多く造られます。そのうちの一つが大阪・蓮花寺の「地蔵菩薩立像」です。衣だけでなく、全身を覆う波のような文様が個性的です。いささか痛みがあります。何でも応仁の乱の際、池に沈めて、難を逃れたとも伝えられているそうです。

木彫仏の制作技法、ないし御衣木、すなわち仏像をつくるための木材について触れているのも特徴です。例えば内刳り(うちぐり)と割矧造(わりはぎづくり)です。内刳りとは木造の内部を空洞にする方法です。丸太から彫出されました。割矧造では一木から彫り出した像を縦に割り、先の内刳りを施してから、再び接合します。一木造から寄木造へ至る過程で用いられました。

日本では香木の白檀が存在しないため、樟が多く使われました。ほかにも檜や桜も利用。中には寺院の古材で造られた仏像もあります。一例が奈良の春覚寺の「地蔵菩薩立像」です。1180年、南都焼討により焼失した東大寺の大仏殿の古材を御衣木にしたと言われています。

東京国立博物館所蔵の「阿弥陀如来立像」は御衣木を京都の山科で採ったとの銘文が残されています。伐採地が確認出来る例は珍しいそうです。


重要文化財「釈迦如来坐像」 平安時代(11〜12世紀) 大阪・東光院

大半の仏像が独立したケースでの展示です。しかも露出が目立ちます。よって360度の角度から鑑賞することが可能でした。ほか大阪の大門寺の「四天王立像」も堂々としていて逞しい。ラストは奈良・新薬師寺の「四天王像」でした。これも露出です。また仏像の殆どが大阪をはじめ、奈良、京都、滋賀など畿内の寺院の所蔵でした。中には展覧会に初めて出陳された作品もあります。まさにご当地の大阪だからこその仏像展と言えるのかもしれません。


円空作「十一面観音菩薩立像」 江戸時代(17世紀)

会場は美術館の1階の展示室です。2階はコレクション展でした。うち一室では「木×美術」と題し、木にまつわる日本画、ないし工芸に関する展示もあります。そちらもお見逃しないようご注意下さい。



奈良国立博物館の快慶展の半券を提示すると当日券が100円引きになります。奈良と天王寺をはしごして楽しむのも良いかもしれません。

6月4日まで開催されています。

「木×仏像ー飛鳥仏から円空へ 日本の木彫仏1000年」(@kitobutsuzo) 大阪市立美術館
会期:4月8日(土)~6月4日(日)
休館:月曜日。但し5月1日は開館。
時間:10:00~17:00 
 *入館は閉館の30分前まで。
料金:一般1300(1100)円、高校・大学生1100(900)円、中学生以下無料。
 *( )内は20名以上の団体料金。
住所:大阪市天王寺区茶臼山町1-82 天王寺公園内
交通:JR線、大阪市営地下鉄御堂筋線・谷町線天王寺駅より北西へ約400メートル。天王寺公園「てんしば」より黒田門を経由して約10分。
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