「元素のふしぎ」 国立科学博物館

国立科学博物館
「元素のふしぎ」
7/21-10/8



国立科学博物館で開催中の「元素のふしぎ」のプレスプレビューに参加してきました。

「水兵リーベ僕の舟、七曲がるシップス、クラークか。」

元素と言えば覚えるのに頭の痛かった周期表、そしてその暗記法程度しか思いつかない「文系脳」の私にとって、元素とは何ぞや、そして数、またそれぞれの性質はどうなのかと問われても、直ぐさま答えに窮してしまうのは否めようもありません。



しかしながら身の回りのものから宇宙まで、どのような元素で出来ているのかと思いを巡らせるのも、また興味深いのではないでしょうか。

まさに「世界のすべては元素でできている。」。それこそ普段目にしている絵画も元素で出来ているわけですが、ともかくも本展では最新の研究成果を交え、見て触って、さらには時に全身で体感して、元素を分かりやすく理解出来るように工夫されていました。



はじめに宇宙に自然、また絵画に身体や食べ物と、まさに森羅万象、全の源は元素であることをざっとおさらいした上で登場するのは、元素の単体と関連する様々な物質、また製品です。



実は現在、我々人類が確認した元素の数は全部で118種類ありますが、うち実物を展示するのが困難なもの(放射性元素など。)を除いた元素の数多くの単体、鉱物が紹介されています。



水兵リーベからして元素記号1番、まぎれなく水素ですが、そこでは水素エンジンならぬロケットや車の見本などが展示されているわけです。



またもう一つ重要な元素としてよく取り上げられるのが炭素です。

実はこの炭素、他の元素にも共通しますが、配列が変わると大きく性質が変化することをご存知でしょうか。

何を隠そう石炭も木炭もダイヤモンドも主成分は炭素です。また実はサファイアやルビーも主成分はほぼ同じですが、そこへ鉄やチタンが加わるとサファイアに、一方でクロムという元素が加わるとルビーになります。



展示ではそうした宝石類のサンプルもずらりと揃います。光り物好きな方には嬉しいポイントかも知れません。

さてここでは一応美術ファンということで、美術の観点から展覧会を見つめましょう。

それが「絵画と元素」、「工芸と元素」のコーナーです。

何とびっくり科博に有田焼の大皿が展示されているわけではありませんか。



柿右衛門といえば鮮やかな色合いに惹かれる方も多いかもしれませんが、当然ながらその色の違いを決めるのも元素が重要なウエイトをしめています。



そしてまたまた登場フェルメールです。すぐ近くの西美ベルリン展にもお出ましの「真珠の首飾りの少女」、もちろんこれは複製画ですが、そもそもの色を決定する染料と顔料の元素の種類などが紹介されています。フェルメールブルーだって元を辿れば硫黄、ナトリウム、アルミニウムで出来ているわけです。



光琳畢竟の大作「紅白梅図」(写真はミニレプリカ)も色、岩絵具、そして元素の観点から分析しています。この作品は長らく中央の水流の下地が何であるか分かっていませんでしたが、それも科学調査で銀であることが判明しました。眩い金、そして銀も当然ながら元素そのものなのです。



ちなみに会場ではハンズオンとして体験型の展示もあります。



その一例がこの重さ比較、金、銀、銅、アルミの延べ棒を持ち上げられるコーナーです。



また面白いのがこの元素体重計、上にのるとあらびっくり、自分の体重はおろか、その元素の組成の重さまでが表示されます。人の体の60パーセントは酸素とは知りませんでした。

また光も元素が大きな関わりを持っていることをご存知でしょうか。



例えばネオンサインのネオンも元素そのものですが、放電管やプラズマボールなどで、元素によって光は大きく変わっていきます。

ラストは資源として稀少ながらも利用価値の高いレアメタル、レアアースです。特にレアアースは最近、日本に南鳥島付近の海底に大量に埋蔵されていることが分かった、というニュースでも話題となりました。



ここではそれこそ全然耳にしたこともない、言わばマニアックな元素が身近な製品にいくつも利用されていることが分かります。



例えばスカイツリーを灯すLEDの蛍光体、また最近よく駅などで見かける高硬度蓄光板、それにスマホや自動車のモーター磁石など、欠かせない製品もレアアースがあってからのことです。



また元素の研究自体も留まることを知りません。実は118種類の元素のうち、一番最近命名されたのはついこの前の5月、「フロレビウム」と「リバモリウム」なのだそうです。

118番目以降の元素の存在も理論的には可能です。元素周期表はさらに書き換えられていくのかもしれません。

世界でも珍しいという「元素」にターゲットを絞った展覧会、思いっきり文系の私も意外なほど楽しむことが出来ました。



ちなみに夏休み期間中(7/21~9/2)、何と連日先着200名に展覧会ロゴ入りのヘリウム風船のプレゼントがあります。それこそ夏休みの自由研究ならぬファミリーでの観覧も良いのではないでしょうか。小・中・高校生の観覧料は嬉しいことにワンコインの500円です。

「世界で一番美しい元素図鑑/創元社」

10月8日まで開催されています。

「元素のふしぎ」@TBS_gensoten) 国立科学博物館
会期:7月21日(土)~10月8日(月・祝)
休館:毎週月曜日。但し3月26日、4月2日、4月30日は開館。
時間:9:00~17:00。金曜は20時まで。*8月11日(土)~8月19日(日)は18時まで。但し8月17日(金)は20時まで。
住所:台東区上野公園7-20
交通:JR線上野駅公園口徒歩5分。東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅、京成線京成上野駅徒歩10分。

注)写真は報道内覧会時に主催者の許可を得て撮影したものです。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 2 )
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コメント
 
 
 
TBありがとうございます。 ()
2012-07-26 23:12:54
先日は拙ブログにTBいただき、ありがとうございます。
はろるどさんのお名前は、Takさんのところでたびたび拝見しており、勝手に親近感を持っておりました。はろるどさんのレビューの足元にも及ばない拙ブログですが、今後ともよろしくお願い申し上げます。
 
 
 
Unknown (はろるど)
2012-09-01 20:43:11
@鴨さん

こんばんは。

>親近感

ありがとうございます!足元などとんでもありません。今後とも宜しくお願いします!
 
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