「AKARI The Sculpture of Light 展」OZONE 1/15

リビングデザインセンターOZONE(新宿区西新宿3-7-1 新宿パークタワー)
「AKARI The Sculpture of Light 展」
2005/12/1~2006/1/17

新宿パークタワーのOZONEにて開催中の、イサム・ノグチの「あかり」シリーズ約100点を展示する展覧会です。OZONEの3階から4階へ至る広い吹き抜けの空間に、ノグチの「あかり」が美しく照っています。ちなみに、全ての展示品は商品としても扱われています。お手頃な5000円前後から約9万円近くまで、思わず欲しくなってしまうものばかりです。

会場は「展覧会」と言うよりもむしろ「見本市」のような雰囲気でしたが、「あかりヒストリー」と題する、その制作の変遷を説明する展示もあります。1950年代に「あかり」を手がけ始めたノグチ。当時から今のスタイルに通じる、伝統的な日本提灯をイメージさせた作品を生み出しましたが、一般的に白提灯は葬儀用という使われ方であったため、手描きの抽象模様や「書」を入れて完成させたこともあったそうです。その後は徐々に白提灯が受け入れられ、60年代以降には白い立方体状の形の作品を多く制作します。また1970年代には多様な素材を取り込むことにも挑戦し、今はもう見られないと言う大理石やステンレスを使った作品も作ります。そして80年代が、いわゆる「あかり」シリーズの完成期です。スタンド部分がまるで蜘蛛の足のように細く、暗がりに浮いているような「あかり」。一口に「あかり」と言っても、ここに至るまでに多くのバリエーションがあったことが分かります。

連動企画の「クリエイターによるあかり」も面白い展示です。こちらはデザイナーから画家、それにヴァイオリニストなどの23名の芸術家が、ノグチの「あかり」にペインティングを施すという大胆な内容です。しかも、それらの作品は全て「チャリティーオークション」形式で販売されています。最低入札価格は1万円から。もちろん入札ということなので、落札した場合は購入することとなりますが、これはなかなか思い切った試みです。作品の前を行ったり来たりしながら、どのあかりが良いかと見比べる。私は三点、エマニュエル・ムホー(建築家)と大樋年雄(陶芸家)、それにグエナエル・ニコラ(デザイナー)の作品が気に入りました。さていかがなものでしょうか。

和紙と竹ひごというシンプルな素材を用いながらも、実に様々な表情を見せる「あかり」の世界。和紙から仄かに透き通ってくるかのような温かみのある光は、蛍の明かりのような儚さすら感じさせます。たくさんの「あかり」に囲まれて、ほっと安らぐ気持ちにさせてくれる、そんな小さな小さな展覧会です。明日17日までの開催です。(無料です。)
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
行ってきました! (アイレ)
2006-01-16 23:57:55
はろるどさん、こんばんは

先日はパークタワーの「あかり」の展覧会についての情報ありがとうございました。早速14日に行ってきました。

おっしゃる通りちいさな展覧会でしたが、「あかり」が一斉にぱぁっと明るくなった時には、そのやわらかで美しい光に感動しました。

またまた「あかり」が欲しくなってしまいましたが、現在の私の部屋ではちょっと無理なようです

クリエイターたちの「あかり」展も面白かったですね。私もグエナエル・ニコラの光を微妙に調整できるフェードのデザインが素敵だと思いました。
 
 
 
Re.行ってきました! (はろるど)
2006-01-18 00:35:45
アイレさん、こんばんは。



>あかり」が一斉にぱぁっと明るくなった時には、そのやわらかで美しい光に感動



そうですよね。

もうとっても温かみがあって…。

和紙を通す前は「光」、通した後は「あかり」かなあとも思いました。



>グエナエル・ニコラの光を微妙に調整できるフェードのデザインが素敵



あれはいくらになるのでしょうか。

かなり欲しかったです!
 
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