クラシックコンサート、美術展、映画などの感想を、勝手気侭に書いています。
はろるど・わーど
「古代ローマ帝国の遺産」 国立西洋美術館
国立西洋美術館(台東区上野公園7-7)
「古代ローマ帝国の遺産 - 栄光の都ローマと悲劇のポンペイ」
9/19-12/13

国立西洋美術館で開催中の「古代ローマ帝国の遺産 - 栄光の都ローマと悲劇のポンペイ」へ行ってきました。

まず本展の概要、及び私の思う見所を挙げてみます。
・共和制末期より帝政初期、主に皇帝アウグストゥスの時代にスポットを当て、同時代の美術品、全117点を概観する。
・お馴染みの大理石肖像の他、修復後日本初公開となったブロンズの「アレッツォのミネルウァ」像など、立体彫刻作品が10数点紹介されている。
・意外に出品が多いのはローマ、及びポンペイ出土のフレスコ画。とりわけ地下フロアの二点、高さは2m、幅は3mほどにも及ぶ「庭園の風景」は見応えあり。
・上記「庭園の風景」の展示物のあった当時の生活風景をVR映像で再現。効果的な視覚イメージによって、あかたもかつてのローマへ旅したような気分を味わえる。
・金細工、出土の器などの小品はあまり多くない。如何せんローマの工芸品は地味。
それでは早速、印象に残った作品を並べてみました。

「アウグストゥス胸像」(1世紀前半)/「皇帝坐像」(1世紀中頃)
前者は少し斜めを向いたアウグストゥスの彫像。少し微笑むような仕草を見せている点が興味深い。一方での後者はまさに皇帝に相応しく、堂々たる姿で座るアウグストゥスの全身が象られている。少し怒ったような表情をしているのは見る者を畏怖するためなのか。
「ティベリウスの彫像」(1世紀前半)
上のアウグストゥス像とは異なり、まるで少年のようなあどけなさを感じさせるティベリウスの姿が象られている。モデルの年齢が気になった。
「アルテミス像」(前2世紀〜前1世紀)
狩りの女神でもあるアルテミスの全身大理石像。弓を引いて構えるポーズは躍動感にも満ちあふれている。
「セレネとエンデュミオン」(1世紀後半)
修復がどの程度行われているのかは不明だが、驚くほど色の発色の状態のよいフレスコ絵画。月の女神セレネの恋の物語が描かれている。彼女を追っかけているキューピットが可愛らしい。

「アレッツォのミネルウァ」(前3世紀)
今回一番惚れたブロンズの立像。戦いの女神アテナが腰に手を当て、斜め上を見据えて力強く立っている。8年にも及ぶ修復作業の痕跡は生々しかったが、流れるような巻き髪をはじめ、胸当ての装飾など、他のどの像よりも精緻な造形に目を奪われた。かつてはメディチ家のトスカーナ大公が所有していたらしい。この美しさと気高さには多くの者が魅了されたのではなかろうか。

「庭園の風景(南壁/東壁)」(ユリウス=クラウディウス朝時代)
花園と森、そして様々な鳥や動物などが色鮮やかに描かれた巨大フレスコ画。合計幅6m近くの大きさは実に圧倒的。こうして自然の楽園を室内に呼び込んでその景色を楽しんだのだろうか。時代は全く異なるが、草花の描写はまるでアーツ&クラフツにでも登場するタペストリーのように美しかった。
「モザイク噴水」(ユリウス=クラウディウス朝時代)
地下フロアにて壁画とハイライトを飾るモザイクタイル画の名作。噴水跡のアーチ状のスペースに「庭園の風景」と同じく自然の景色が描かれている。一部、石の他に貝殻なども埋め込んであった。
「アウグストゥス皇帝坐像」などの立像の並ぶ、はじめのフロアの景色はなかなか壮観でした。簡単な作りながらも、シースルー状のアーチ型のセットが、彫像を美しく映えさせることに成功しています。また一番上でも触れたVR映像も臨場感を高めていました。
12月13日まで開催されています。
「古代ローマ帝国の遺産 - 栄光の都ローマと悲劇のポンペイ」
9/19-12/13

国立西洋美術館で開催中の「古代ローマ帝国の遺産 - 栄光の都ローマと悲劇のポンペイ」へ行ってきました。

まず本展の概要、及び私の思う見所を挙げてみます。
・共和制末期より帝政初期、主に皇帝アウグストゥスの時代にスポットを当て、同時代の美術品、全117点を概観する。
・お馴染みの大理石肖像の他、修復後日本初公開となったブロンズの「アレッツォのミネルウァ」像など、立体彫刻作品が10数点紹介されている。
・意外に出品が多いのはローマ、及びポンペイ出土のフレスコ画。とりわけ地下フロアの二点、高さは2m、幅は3mほどにも及ぶ「庭園の風景」は見応えあり。
・上記「庭園の風景」の展示物のあった当時の生活風景をVR映像で再現。効果的な視覚イメージによって、あかたもかつてのローマへ旅したような気分を味わえる。
・金細工、出土の器などの小品はあまり多くない。如何せんローマの工芸品は地味。
それでは早速、印象に残った作品を並べてみました。

「アウグストゥス胸像」(1世紀前半)/「皇帝坐像」(1世紀中頃)
前者は少し斜めを向いたアウグストゥスの彫像。少し微笑むような仕草を見せている点が興味深い。一方での後者はまさに皇帝に相応しく、堂々たる姿で座るアウグストゥスの全身が象られている。少し怒ったような表情をしているのは見る者を畏怖するためなのか。
「ティベリウスの彫像」(1世紀前半)
上のアウグストゥス像とは異なり、まるで少年のようなあどけなさを感じさせるティベリウスの姿が象られている。モデルの年齢が気になった。
「アルテミス像」(前2世紀〜前1世紀)
狩りの女神でもあるアルテミスの全身大理石像。弓を引いて構えるポーズは躍動感にも満ちあふれている。
「セレネとエンデュミオン」(1世紀後半)
修復がどの程度行われているのかは不明だが、驚くほど色の発色の状態のよいフレスコ絵画。月の女神セレネの恋の物語が描かれている。彼女を追っかけているキューピットが可愛らしい。

「アレッツォのミネルウァ」(前3世紀)
今回一番惚れたブロンズの立像。戦いの女神アテナが腰に手を当て、斜め上を見据えて力強く立っている。8年にも及ぶ修復作業の痕跡は生々しかったが、流れるような巻き髪をはじめ、胸当ての装飾など、他のどの像よりも精緻な造形に目を奪われた。かつてはメディチ家のトスカーナ大公が所有していたらしい。この美しさと気高さには多くの者が魅了されたのではなかろうか。

「庭園の風景(南壁/東壁)」(ユリウス=クラウディウス朝時代)
花園と森、そして様々な鳥や動物などが色鮮やかに描かれた巨大フレスコ画。合計幅6m近くの大きさは実に圧倒的。こうして自然の楽園を室内に呼び込んでその景色を楽しんだのだろうか。時代は全く異なるが、草花の描写はまるでアーツ&クラフツにでも登場するタペストリーのように美しかった。
「モザイク噴水」(ユリウス=クラウディウス朝時代)
地下フロアにて壁画とハイライトを飾るモザイクタイル画の名作。噴水跡のアーチ状のスペースに「庭園の風景」と同じく自然の景色が描かれている。一部、石の他に貝殻なども埋め込んであった。
「アウグストゥス皇帝坐像」などの立像の並ぶ、はじめのフロアの景色はなかなか壮観でした。簡単な作りながらも、シースルー状のアーチ型のセットが、彫像を美しく映えさせることに成功しています。また一番上でも触れたVR映像も臨場感を高めていました。
12月13日まで開催されています。
| 前の記事へ | 次の記事へ |





空間を広々と使っていたのが
大正解でしたね〜
それと地下の展示は見事でした。
>空間を広々
西美ってこんなに広かったかなと思うくらいでしたね。
フロア毎に彫像、壁画と、構成も明快でした。
モザイク画も美しかったですね。色も良く残っているものかと感心しました。
僕が壁面の前で当時を思いやるように、当時の人はモザイクの中の世界に時々身を委ねていたんだろうな〜、とか思うと非常にロマンティックでした。
>当時の人はモザイクの中の世界に時々身を委ねていた
そうですよね。
それにしてもあの映像でも見る贅沢な空間なこと…。
市民とは言え、ローマの住民は特権階級だったことを思い出しました…。