「第11回 shiseido art egg 沖潤子展」 資生堂ギャラリー

資生堂ギャラリー
「第11回 shiseido art egg 沖潤子展」 
6/30~7/23



資生堂ギャラリーで開催中の「第11回 shiseido art egg 沖潤子展」を見てきました。

「布は皮膚であり、針を刺すのは記憶を留めるためという沖の創作行為は、まるで古布に新たな生を与えているように感じられます。」 ギャラリー公式サイトより

宙に浮かぶ刺繍の表面は、まるで爛れて破れた皮膚のようでした。



1963年に生まれた沖は、企画会社の勤務を経たのち、自己流で刺繍をはじめ、古布の持つ時間と記憶に、自身の針目を重ねたオブジェを作り上げました。



作品はいずれも白いフレームの中に収められています。しかし古布の大きさはまちまちで、当然ながら同じ姿を留めているものは一つとしてありません。素材自体も日本の風呂敷、野良着、寝巻きの帯をはじめ、フランスのキッチンクロスや韓国の儀式用装束の残布と様々でした。布は広がり、時に重なり合い、ある時には絞ったように縮んでは実に多様な姿を見せています。



細かな刺繍は古布と絡み合い、縫目は全体を侵食するかのように広がっていました。いたく生々しい。まるで餌にたかる蟻、ないし獲物を待ち構える蜘蛛の巣のようです。密と粗が入り混じり、中にはゴツゴツとした岩石のような質感を見せている箇所もありました。



一連の新作の制作にあたり、沖は「蛹」をテーマとしたそうです。自然界において外皮を形成し終えた幼虫は、一部の生殖器と神経のみを残してドロドロに溶解していくと言われています。その神秘に惹かれた沖は、家にこもってほぼ1日中手を動かす自身の姿を蛹に重ね合わせました。

しばらく眺めていると、先だって川村記念美術館で回顧展の行われたヴォルスの作品のイメージが浮かび上がってきました。絡み合う刺繍は古布にさも生命を宿すかのようでした。



さらにもう1つの展示室では「月」をテーマとした連作も展開。映像のほか、針供養を思わせる針を用いたオブジェなども展示していました。

[第11回 shiseido art egg 展示スケジュール]
吉田志穂展 6月2日(金)~6月25日(日)
沖潤子展 6月30日(金) ~7月23日(日)
菅亮平展 7月28日(金) ~8月20日(日)


7月23日まで開催されています。

「第11回 shiseido art egg 沖潤子展」 資生堂ギャラリー@ShiseidoGallery
会期:6月30日(金)~7月23日(日)
休廊:月曜日。
料金:無料
時間:11:00~19:00(平日)、11:00~18:00(日・祝)
住所:中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階
交通:東京メトロ銀座線・日比谷線・丸ノ内線銀座駅A2出口から徒歩4分。東京メトロ銀座線新橋駅3番出口から徒歩4分。
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