「フェアリー・テイル 妖精たちの物語」 三鷹市美術ギャラリー

三鷹市美術ギャラリー
「フェアリー・テイル 妖精たちの物語」
1/7-2/19



三鷹市美術ギャラリーで開催中の「フェアリー・テイル 妖精たちの物語」へ行ってきました。

妖精と聞いてまず思い出すのはピーターパンのティンカーベルという方も多いかもしれません。


オナー・シャーロット・アップルトン「フェアリーランド」1910-14年 妖精美術館蔵

その舞台がロンドンのケンジントン公園であるように、西洋、とりわけイギリスにおいて妖精は、古来より様々な伝説や民話に登場してきました。

この展覧会ではその妖精が言わば最も光り輝いた時代、すなわちイギリスのヴィクトリア朝にスポットを当てています。館内はまさに妖精の国です。ヴィクトリア期の絵画と陶磁器を中心に、17世紀から20世紀に至る挿絵本などで、美術や文学における妖精の姿を紹介していました。(出品リスト


ジョン・アンスター・フィッツジェラルド「夢見る囚われ人」1856年 妖精美術館蔵

はじめは絵画です。イギリスならではの美しい水彩表現にて妖精を描いた主に小品が50点弱ほど並んでいますが、まず印象深いのはアメリア・ジェイン・マレーでした。

マレーはブリテン島とアイルランドの間に浮かぶマン島の総督をつとめ、彼の地の風景や植物を細密に表した作品でも知られていますが、その植物の中にそっと妖精を潜ませています。

「蜘蛛の巣で織ったハンモックに休む妖精」(1817-1829年頃)はそうした画家の細密表現をよく伺える作品と言えるのではないでしょうか。美しいバラをはじめ、タイトルの通りに蜘蛛の糸のハンモックに横たわる妖精が、実に細かな描写で示されていました。

絵画の主題として目立つのは、イギリスを代表する劇作家、シェイクスピアの作品に登場する妖精たちです。とりわけ「真夏の夜の夢」はパックやオーベロンなどの妖精が活躍するだけに、絵画においても数多く出てきました。


ジョゼフ・セヴァン「エアリエル」1823年 妖精美術館蔵

また「テンペスト」の妖精エアリアルもお馴染みのモチーフです。それこそいたずらっ子の表情をして鳥にのるジョゼフ・セヴァンの「エアリエル」(1823年)や、戯曲の4幕のシーンの道化を描いたウイリアム・ベル・スコットの「テンペスト」なども印象に残りました。

絵画のあとは陶磁器が待ち構えます。ウエッジウッドが1916年から41年にかけて「フェアリーランド・ラスター」として発表した、妖精図柄のラスター彩色磁器が約20点超展示されています。


ディジー・マーケイ・ジョーンズ、ウェッジウッド社製「トランペット型花瓶」 うつのみや妖精ミュージアム蔵

ともかく驚くべきはラスター特有の光沢感です。メタリックに光る紫色などを多用し、時にイスラムやペルシャの紋様を借りて、実に華美な妖精の磁器を作り上げました。

そしてラスト、絵画、工芸と並んで登場する挿絵本もまた見逃せません。中でも嬉しいのは、私の好きなラッカムの挿絵が2点ほど出ていたことです。


アーサー・ラッカム「テンペスト」(1926年版) うつのみや妖精ミュージアム蔵

「ケンジントン公園のピーターパン」(1910年)はラッカム特有のアニミズム的な古木をモチーフに取り入れています。また躍動感のある構図に、どこか東洋の山水画を思わせる平面が印象深い「テンペスト」も魅力的でした。


「コティングリー妖精事件の関連資料」 うつのみや妖精ミュージアム蔵

最後は「コティングリー妖精事件」についての紹介です。これは1917年、いわば作られた妖精写真を元に、妖精の実在を巡る論争がおこったという事件ですが、その写真や何と妖精を写したというカメラまでが展示されています。また当時、降霊術に関心のあった文豪コナン・ドイルが信じたというエピソードも残っているとのことでした。

なお今回の出品作の殆どは日本における妖精学の第一人者、井村君江氏の旧蔵で、今はうつのみや妖精ミュージアムと妖精美術館のコレクションです。いつかはこの両美術館にも伺ってみたいと思います。

「妖精学入門/井村君江/講談社現代新書」

有効期限内の「ぐるっとパス」をお持ちの方はフリーで入場可能です。

「妖精学大全/井村君江/東京書籍」

2月19日まで開催されています。

「フェアリー・テイル 妖精たちの物語」 三鷹市美術ギャラリー
会期:1月7日(土)〜2月19日(日)
休館:月曜日。但し1/9(月) は開館、翌10日は休館。
時間:10:00〜20:00(入館は30分前まで)
住所:東京都三鷹市下連雀3-35-1 CORAL(コラル)5階
交通:JR線三鷹駅南口デッキと直結。徒歩1分。
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コメント
 
 
 
Unknown (oki)
2012-02-05 22:48:26
こんばんは。
三鷹に親戚が入院しているのでお見舞いに行きますので気になっていました。ここは夜八時までやってますから。
駅直結で入館料も安いですね。僕が下見?したときはビデオ流れてましたが御覧になられましたか?
しかし妖精美術館とはね、これは宇都宮にあるのですか?
ところでトーハクの故旧博物館の券がやっと入りました。
はろるどさんのに応募すればよかったな、と思っていたのでほっとしましたが、混雑はどうなんでしょうか?
またチケプレやってくださいな、僕なら切手代は負担しますよ、笑。
 
 
 
Unknown (はろるど)
2012-02-07 01:47:04
@okiさん

こんばんは。

三鷹は駅直結の上、夜もやっているので行きやすいですね。ビデオも拝見しました。展示もうまくまとまっていてみやすかったです。

>チケプレ

また企画したいと思いますので是非とも!
 
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