都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「山本麻矢展『櫻』」 和田画廊
和田画廊(中央区八重洲2-9-8 近和ビル3階)
「山本麻矢展『櫻』」
4/15-22
都内の桜はもうすっかり散ってしまいましたが、ここでは猫とともに健気にも咲き残る桜を木彫で楽しむことが出来ます。和田画廊で開催中の彫刻家、山本麻矢の個展を見てきました。
まず出迎えてくれるのは、キョトンとした表情で彼方を見つめる白猫の木彫です。尻尾を力強くのばした一匹の猫が、青と黄色にも光る奇妙な目をくりくりさせながら静かに佇んでいます。そしてその廻りには、やや白んだピンク色の桜の花びらが何枚か散っていました。もちろんこの花びらも木彫です。ノミの跡を確かに残しながらも、その花びらの美しくしっとりとした質感を見事に表現しています。
猫を飾る桜の花びらは、その後方に掲げられた枝より舞い降りてきたようです。銀屏風をイメージさせる支持体を背に、黒い額の部分からくり抜いて作られたというその枝葉が、垂れ下がるようにして配されていました。やや乾いた感触の枝や花びら、さらにはその先にて吹く新芽までが全て木彫です。猫は木の温もりをそのまま残したような、言い換えれば木彫であることを露にしたままの質感を見せていますが、この桜に限って言えばリアリティーがかなり追求されています。また木の枝を、わざわざ木彫で表現することにも面白さを感じました。手が込んでいます。
作品のイメージは、日本画の世界より飛び出してきた桜と猫なのだそうです。だとすると、猫がわざわざ桜を背にしてこちらを見ているのは、その枝の間から花びらを散らせて駆け出してきたからに他ありません。
和田画廊は日曜日も開いています。本日18時までの開催です。(4/21)
「山本麻矢展『櫻』」
4/15-22
都内の桜はもうすっかり散ってしまいましたが、ここでは猫とともに健気にも咲き残る桜を木彫で楽しむことが出来ます。和田画廊で開催中の彫刻家、山本麻矢の個展を見てきました。
まず出迎えてくれるのは、キョトンとした表情で彼方を見つめる白猫の木彫です。尻尾を力強くのばした一匹の猫が、青と黄色にも光る奇妙な目をくりくりさせながら静かに佇んでいます。そしてその廻りには、やや白んだピンク色の桜の花びらが何枚か散っていました。もちろんこの花びらも木彫です。ノミの跡を確かに残しながらも、その花びらの美しくしっとりとした質感を見事に表現しています。
猫を飾る桜の花びらは、その後方に掲げられた枝より舞い降りてきたようです。銀屏風をイメージさせる支持体を背に、黒い額の部分からくり抜いて作られたというその枝葉が、垂れ下がるようにして配されていました。やや乾いた感触の枝や花びら、さらにはその先にて吹く新芽までが全て木彫です。猫は木の温もりをそのまま残したような、言い換えれば木彫であることを露にしたままの質感を見せていますが、この桜に限って言えばリアリティーがかなり追求されています。また木の枝を、わざわざ木彫で表現することにも面白さを感じました。手が込んでいます。
作品のイメージは、日本画の世界より飛び出してきた桜と猫なのだそうです。だとすると、猫がわざわざ桜を背にしてこちらを見ているのは、その枝の間から花びらを散らせて駆け出してきたからに他ありません。
和田画廊は日曜日も開いています。本日18時までの開催です。(4/21)
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