「カール・ラガーフェルド写真展」 シャネル・ネクサス・ホール

シャネル・ネクサス・ホール
「太陽の宮殿 ヴェルサイユの光と影 カール・ラガーフェルド写真展」 
1/18~2/26



ドイツ人のファッション・デザイナー、カール・ラガーフェルドが、ヴェルサイユ宮殿を幻夢的に写し出しています。

エレベーターを降りるとそこはヴェルサイユでした。レイアウトからして秀逸です。入り組んだ通路を設営。そこに写真を展示しています。場内を歩けば、右に左にヴェルサイユの風景が立ち上がります。まるで現地を歩いているかのような錯覚にさえ陥りました。



ラガーフェルドはヴェルサイユを「具現化されたおとぎ話の世界」(解説より)と捉えているそうです。確かに建物、ないし庭園の一つをとっても、奇妙に実在感がありません。もはや廃墟です。夢の中とも言えるかもしれません。幻想の世界へと誘われます。



とりわけ惹かれたのは彫像を捉えた写真でした。全体を写し、時にトルソーのように切り取ってもいます。像と目が合いました。見ているよりも、見られている感覚に近いかもしれません。また互いに目配せしているかのようにも見えました。そこから物語を空想するのも楽しい。気がつけば彼ら以外には誰もいません。まるで宮殿の住人のようでした。



写真の感触が独特です。もちろん触れることは叶いませんが、やざらついた感が伝わってきます。粒子は荒い。羊皮紙を模した紙にプリントしたそうです。しかも「スクリーンプリントの古い技法によって」(解説より)制作しています。とても近年撮影された写真には見えません。また額装もありませんでした。直接、壁にピンで留められています。



モノクロームに沈む宮殿の佇まいは美しい。それこそ時間を超えて、古い時代のヴェルサイユに迷い込んだかのようでした。


ラガーフェルドは1987年頃から写真家としても活動を始めたそうです。今回の展示は2008年に当地のヴェルサイユ宮殿でも開かれました。日本への初の巡回展でもあります。



2月26日まで開催されています。

「太陽の宮殿 ヴェルサイユの光と影 カール・ラガーフェルド写真展」 シャネル・ネクサス・ホール
会期:1月18日(水)~2月26日(日)
休廊:会期中無休。
料金:無料。
時間:12:00~20:00。
住所:中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4F
交通:東京メトロ銀座線・日比谷線・丸ノ内線銀座駅A13出口より徒歩1分。東京メトロ有楽町線銀座一丁目駅5番出口より徒歩1分。
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