窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

札幌農学校第2農場

2015年07月16日 | 史跡めぐり


  7月5日、北海道大学内にある札幌農学校第2農場を見学してきました。まずここへ辿り着く前に、北海道大学のあまりに広大なキャンパスにまず驚かされました。

  この農場は、札幌農学校教頭、有名なW.S.クラークの大農経営構想に基づいて1876年(明治9年)に設置されました。クラークの後を継いだW.P.ブルックスは、現在北海道大学キャンパス内のポプラ並木一帯に教育研究用の第1農場、現在の大学生門付近に一戸の酪農家をイメージした模範農場として第2農場を設置しました。第2農場は、1909年(明治42年)から1911年(明治44年)にかけて現在の場所に移転しました。


事務所

  日本最古の洋式農業建築、北海道畜産の発祥地、そして北海道開拓史を知る貴重な標本類を揃えた歴史的、文化的価値によって1969年(昭和44年)、重要文化財に指定されています。そして2000年(平成12年)から一般公開されるようになりました。

  

  牧牛舎。1889年(明治22年)に初めて導入された乳牛のホルスタイン種は、現在に至るまでその血統が維持され、雌雄毎に1,050産を超えているそうです。その中の優良種は北海道の基礎牛となり酪農の発展に貢献しました。

 

  模範家畜房。第2農場産の代表的な種雄牛、キング・ヘンドリクの娘牛、クイーン・ヘンドリク・ノブ(1923年生)は、6.5才、365日搾乳において14,250kgという当時としては極めて高い泌乳能力を発揮したそうです。



  エルムの鐘。現在の北海道大学理学部三号館付近にあった農業庁舎西側のエルムの枝に取り付けられていた鐘。酪農作業に欠かせない時間を正確に刻みました。エルムは現在キャンパス内のレストランの名前にもなっています。



  左から動力室、脱ぷ室、収穫室、穀物庫。特に前述の模範家畜房とこの穀物庫はバルーンフレーム構造といって、厚板様断面の根太を組んだ二階床や上階のカラービームで合掌を支持する小屋組などの特色があり、建築学的にも貴重なものとなっているそうです。

 

  穀物庫の中には、貴重な農機具のコレクションが展示されています。上の写真は、全国各地から集められた鍬のコレクション。地方地方で鍬の形や大きさがこんなにも違うとは思いませんでした。



  北海道は寒冷地のため、直播きで水稲耕作が行われたそうです。その直播きの収穫効率を上げるために工夫された独特の農機具も展示されていました。今や全国1位、2位を争う米の生産地となった北海道ですが、その黎明期の苦労が偲ばれます。



  秤量場。トラックスケールが設置されており、穀物を積んだ荷車を軽量していました。



 釜場。



 精乳場。

北海道大学

北海道札幌市北区北8条西5丁目



繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした

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