窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

ボディ・ランゲージの科学-第82回YMS

2017年04月13日 | YMS情報


  4月14日、mass×mass関内フューチャーセンターにて、第82回YMS(ヨコハマ・マネージャーズ・セミナー)を開催しました。



  講師は第70回YMSでも講師をしていただいた、株式会社空気を読むを科学する研究所、代表取締役の清水建二様。前回は「微表情」と呼ばれる、顔にわずかに表れる抑制された感情の表れについて映像を交えながらお話しいただきました。

  今回は「ビジネスマンのための「空気を読む」を見える化する技術―微動作からも察する相手のホンネ」と題し、抑制された感情や思いが無意識のうちに提示範囲外に断片的に表れる身体動作、「微動作」についてお話しいただきました。前回の「微表情」による感情の読み取りを補完する判断材料と言えるかもしれません。

  実は表情やしぐさなど、いわゆる「非言語コミュニケーション」と呼ばれる分野で最も歴史が長く、かつ科学的研究が進んでいるのは顔の表情です。今回はその表情を除いた一般に「ボディ・ランゲージ」と呼ばれる分類の中で、科学的に検証の進んでいるものがテーマです。

  さて、ボディ・ランゲージを大別すると、「しぐさ」・「姿勢」・「身体接触」に分けられます。さらに「しぐさ」は「エンブレム」と「イラストレーター」に、「身体接触」は「他者接触」と「マニピュレーター」に分けることができます。



  まずは「エンブレム」について。エンブレムと言うのは、簡単に言えば単語やフレーズを代表する動作のことです。例えば、「あっちへ行け」という時に手で箒を掃くような動作をすると、された方は言葉を介さなくてもその意味を理解します。ただ、これには万国共通のものと文化特有のものとがあるので、それを理解していないと異文化の人間同士で思わぬ誤解が生じる可能性もあります。



  現在科学的に万国共通とされているエンブレムとしては、「止まれ」・「あっちへ行け」・「こっちへ来い」・「はい」・「いいえ」(ごく一部の地域に例外あり)などがあるそうです。一方文化特有とされるエンブレムとしては、首をかしげる(日本:疑問)、中指を立てる(アメリカ:侮辱)などがあります。ただし、エンブレムは後天的に習得されるものであり、マスメディアなどを通じた影響もあるとされます。



  次に姿勢について。万国共通な姿勢の研究として2004年アテネ・パラリンピックの柔道の試合における、生まれつき全盲の選手の勝敗時の姿勢が健常者のそれと同じであったというものがあります。つまり、こちらはエンブレムと違い先天的な動作と考えられます。

  三番目にイラストレーターとマニピュレーターについて。イラストレーターとは、会話をはっきりさせるための動作。マニピュレーターは身体の一部を自分の他の身体の一部や身の回りのモノなどに触れる動作を言います。例えば「すごく大きな」と発言しながら、その大きさを表現するために両手を大きく広げて見せたりするのがイラストレーターです。つまり、イラストレーターは頭の中のイメージと連動しているため、嘘をついていたりして頭のイメージが鮮明でない時などは減る傾向があります。



  マニピュレーターで良く知られているものとしては「腕を組む」動作があるでしょうか。マニピュレーターの起源は我々がまだ四足だった原始に遡るとされます。つまり四足動物は四肢が地面についている状態が心理的に安定した状態であり、そうでない場合が「不安」状態であると言えます。したがって、現代人もその名残で心理的に不安を感じると無意識に手を何かに触れ「四つん這い」の状態を作ることで心理的に安定を取り戻そうとするのだそうです。つまりマニピュレーターは感情のブレの表れと考えることができます。

  ただし、その感情のブレが必ずしもネガティブなものとは限りませんし、単なる癖である場合もあります。まして「嘘をついている証拠」などではないということには注意が必要です。



  「微動作」は上に挙げたイラストレーターやマニピュレーターが通常表れるはずのないところで、しかも注意していなければ分からない位、極わずかに表れる動作です。それは「微表情」と同じく抑制された何らかの感情があるために起こります。そうした「微動作」を察し、相手の感情に対する洞察を逞しくすることにより、我々の日常生活の様々な場面でより良いコミュニケーションが期待できるというわけです。



  そこで最後は、タイトルに「ビジネスマンのための」とあるように、生活の中で微動作を活かすヒントとして、販売と交渉の二つが紹介されました。

  まず販売についてです。良く言われる購買心理の7段階(1.注意→2.興味→3.連想→4.欲望→5.比較→6.確信→7.決断)の中で、第5段階の比較。これは購買者が迷っている段階なので、マニピュレーターが増加すると考えられます。一方、第6段階の確信に入ってしまうと、もう意思を固めているので逆にマニピュレーターは減少すると考えられるそうです。

  次に交渉について。交渉中、相手が掌を下に向けたり、下に押すようなしぐさを見せることがあります。これは「考え中」であると予測することができますので、こういう時は話を畳み掛けたりしない方が良さそうです。また、突然足が後ろに後退し、腕が組まれ、全体的に閉じた姿勢になった時は、何らかのネガティブな感情が起こっている可能性があります。そういう時は先にネガティブな要素をポジティブな要素と共に開示してあげるのが良いということです。

  今回も非常に興味深いお話の数々でした。

過去のセミナーレポートはこちら。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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