医療制度改革批判と社会保障と憲法

9条のみならず、25条も危機的な状況にあります。その現状批判を、硬い文章ですが、発信します。

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新高齢者医療制度について

2007年09月24日 | 後期高齢者医療制度

 

  新高齢者医療制度について

 
 2008年4月からスタートする新高齢者医療制度について、福田自民党新総裁の政権公約に「高齢者医療費負担増の凍結を検討し、医師不足解消のための抜本的措置を講ずる」があります。また、公明党北側幹事長は「自民党の新しい総裁とは、参議院選挙の結果を踏まえて、しっかりと政策協議を行うことにしている。高齢者医療制度については見直しが必要だ」と述べています。
 
 福田氏の言う負担増の凍結は、「70歳以上の高齢者の1割負担を2割にすることの凍結を検討」であると思われます。そして、北側氏の言う見直しは「後期高齢者医療制度を凍結も含め見直し」と発言しています。
 自公政権で強行成立させておきながら、なにをいまさらという感がありますが、ともかく見直し・凍結の発言があります。 
 
 舛添厚労大臣が記者会見でこの問題について言及しています。その内容を厚労省HPの大臣等記者会見から紹介します。ここで、見直し・凍結の課題について、なにを課題にどうするのか、わけのわからない発言をしているのです。
 
 (記者) 高齢者の医療制度なんですが、今度の自民党総裁選の中で、負担増の見直しをすべきという意見が急浮上しているんですけども、現状で大臣はこの見直しについてどうお考えでしょうか。
 (大臣) 急浮上しているというより、正確に言うと、福田康夫候補の政権公約の中に、今申し上げた後期高齢者の医療費増について、凍結も検討するということなので。凍結すると決まったわけではないので、それぞれの麻生候補にしても福田候補にしても、それぞれ政権構想をお掲げになるのは自由ですから、検討するということですから、それは検討すればいいので、その結果としてどういうことになるかというのは、これはまた、これからの国会の議論に関わると思います。ただ、厚生労働省としては、政府全体の方針としても、来年の4月1日から一割を二割負担にするということを決めてますから、じゃあそれを凍結するということになると、またいろんな意味での議論をやり直さないといけなくなる。ですから、また混乱も生じるかもしれない。それは、各市町村においても、病院関係者においても、全部来年4月からそういうことになるということでプログラムの組み替えから始まっていると思うのです。だから、それに対してご迷惑にならないような形という配慮も必要です。したがいまして、そういう観点から、この問題を議論する必要があるので、現実に福田首相が誕生なさった時に、ご自分の公約ですからそこから次はどうするか、それは、与党と、そして厚生労働省ともよく議論をして、政府とも議論してやるということだと思います。検討するということですから。凍結するということではないので。それは申し上げておきたいと思います。  

 舛添氏は後期高齢者の医療費増といっていますから、「70歳以上の高齢者の負担増」ではないと思われますが、後段の来年の4月1日から一割を二割負担にするということを決めてますからというのは、やはり「70歳以上の高齢者の負担増」のことのようですし、単なる言い間違いなのか?制度の内容が理解できていないのか?はたまた何か企みがあるのか?ともかく、こうしたことから、新高齢者医療制度が話題になってきています。

 

 このブログの過去記事で、「高齢者医療制度」について数多く言及しています。
 問題意識を整理するために、そのなかのひとつを再掲しておきます。

 新高齢者医療の問題点 06年『医療制度改革関連法案』批判-3 http://blog.goo.ne.jp/harayosi-2/e/a50591d52f8ac7bf6d6fd9984bf0d1d6

3、新たな高齢者医療制度の創設  
 2003年(平成15年)3月28日、政府は「健康保健法等の一部を改正する法律付則第2条第2項の規定に基づく基本方針」を閣議決定しました。 
 付則に基づくとあるのは、02年(平成14年)の医療制度改革関連法の成立時点で、さらなる次の制度改悪を、年限を付けて取りまとめることが、その健康保険法の付則で、決定されていたからです。 
 この基本方針は(1)保険者の統合及び再編を含む医療保険制度の体系の在り方、(2)新しい高齢者医療制度の創設、(3)診療報酬の体系の見直し、この3点について、基本的考え方が示されました。閣議決定されたこの基本方針に基づいて、社会保障審議会・医療保険部会などで、審議・議論が進められてきましたが、とりわけ、注目しなければならないのが、新高齢者医療制度創設の方向や内容です。
 その審議のなかで、『75歳をこえた後期高齢者の生理特性の変化』『高齢者に相応しいQOL(生活の質)が確保されるべき』等の発言、そして、『医療の適正化』『医療費の適正化』の発言が相次いでいました。  
 まわりくどい表現をしていますが、要するに、後期高齢者の医療については、その老化(生理特性の変化)を理由に、医療内容や医療費を抑制・制限することが議論されてきたのです。  
 そうした議論に対して、日本医師会代表の委員が、「『お年を取った方は、もうこの医療でいいのだ』というような決め方をされますと、その方の将来受けるべき権利を剥奪することになりかねません。そういう面から考えますと、はたして75歳のところで、『昨日までは74歳でよかったですね。今日から75歳ですから、あなたの医療を受ける権利は制約されます』という制度をつくることが、本当に国民にとって安心してくらせる制度なのかどうか」と、唯一の、批判的な発言があったというのが実情です。

 4、後期高齢者に保険料負担・医療抑制  
 その高齢者だけの健康保険制度は、独立した制度とはいうものの、国保および被用者保険からの支援、社会連帯的な保険料、公費により賄うとしていることからも、決して自立した制度とはいえないものであり、さらに加入者である75歳以上の後期高齢者から、今まで保険料徴収の対象でなかった健保の被扶養者からも、保険料を徴収するという大きな問題を含んでいます。  
 保険料やその徴収方法・自己負担などは、介護保険と同様になることが予測され、後期高齢者に多大な負担を強要することになります。すなわち、制度の発足当初は、保険料や負担が低く設定されたとしても、赤字を理由にその引き上げが続き、保険料の徴収は年金からの天引きとされるなど、介護保険の抱えるさまざまな問題と、同じ問題を孕んでの出発となります。 
 後期高齢者については、療養の給付の取り扱い、要する費用の算定基準が、別途、定められることとなっています。介護サービス費の給付として、給付額の上限が定められたと同様に、医療内容や医療費の制限・抑制が企図されていると思われます。

5、前期高齢者には、国保料が年金天引き   
 前期高齢者は、新制度の保険料が年金天引きで徴収される予定でしたが、現役並み所得者(一定以上所得者)の、3割負担を今年の10月から、先行実施することなどから、その保険料徴収はなくなりました。 
 しかし、法案には前期高齢者の「国民健康保険料」を、年金から天引き(老齢等年金給付からの特別徴収)することが明記されています。 
 厚生労働省の、なんとしても、年金からの天引きを実施するという、既定方針固執の表れであり、また、70歳以上の長期入院患者(特定長期入院被保険者)の食費・居住費の自己負担化が、今年10月から実施されることになっていますが、2008年(平成20年)4月から、それを65歳に引き下げることも明記されています。 
 この医療制度改革関連法案は、前回の改革関連法と同様に、大変な改悪案であることを再確認するとともに、さらなる改悪に向けた準備や布石が、しっかりとなされていることを、読み取っておかなければなりません。
                              [ 医療制度 ] / 2006年03月04日

 負担増は高齢者だけではありません

 2006年(平成18年)10月からと、2007年(平成19年)4月からの負担増は既に実施されています。
 そして、2008年(平成20年)4月からさらなる負担増が 予定されているのです。
1、 新しい高齢者医療制度の創設として、75歳以上の後期高齢者だけの健康保険制度を 作り、その保険料を年金から天引きする。
2、65歳以上の前期高齢者は、現行の健康保険に加入しながら、前期高齢者の新制度を作り、保険者間の費用負担調整制度を導入する。
3、若年者からは、新高齢者医療制度を支えるための、社会連帯的な保険料を徴収する。
4、70歳から74歳の窓口負担を1割から2割とする。
5、長期入院患者(特定長期入院被保険者)の食費・居住費の自己負担化を、70歳から65歳に引き下げる  

 マスメディアでは正確な報道がなされていませんので、若年者の負担増が見過ごされています。高齢者のみならず若年者にも大きな負担増が予定されているのです。
 後期高齢者医療に必要な費用の4割が、若年者の健康保険からの支援金によって賄われることになっています。各健康保険の被保険者数に応じて負担するもので、一人あたり年額4万円程度と見込まれています。 
 その支援金相当分が、現行保険料の上に加算されることとなります。(老人保健拠出金が高齢者医療支援金となるだけで負担増にはならないという説???)
 そして、その保険料には、医療分・支援金分・介護分と区分ごとの明示がされることになっています。 国民健康保険料の最高限度額も、個々に設定され、医療分 限度47万円、支援金分 限度12万円、介護分 限度9万円、合計国保料 限度68万円と予定されているのです。  
 区分ごとの負担額を明示した保険料納入通知を発行することが、厚生労働省から強制されています。それには、将来に向けての姑息な意図が仕込まれています。
 高齢者医療支援金分は、制度上確実に増加してゆくことが予測されます。その繰り返される負担増に反発する若年者の怒りを、高齢者医療制度の改悪への「声」や「力」として、悪用しようとしているのです。そのための悪辣な布石なのです。
                                   2007・9・24 harayosi-2

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2 コメント

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一議員として (なかまた)
2007-09-24 22:37:27
福田氏が医療制度のことをコメントしてますが,自分たちはコイズミ内閣時代に,この法案に賛成票を投じているわけでしょ。
それを自分が総理なると人気取りに・・・と取られても仕方ないでしょう。それならどうして法案化の際にもっと審議しなかったのかと思いますね。

医療の実態にメス (佐藤一児)
2007-10-08 13:06:39
脳代謝付活剤が、CT等の高額な検査と併せて、はやった時期がありました。これは、今では、効果が認められないとして、殆ど、保険対称からはずされました。
今は、発達障害者支援や自殺対策などを理由に、学校でも盛んに使用されている、抗抑うつ剤が、薬効が無いどころか、猟奇的な、犯罪を多数引き起こしている。
無駄な医療と危険な医療を排除すれば、国民医療費、30兆は劇的に減らせる。

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