えっとご無沙汰してます(笑)
今日はちょっとまじめなお話し。
わたしの生まれた頃、1960年代より前は、写真というとモノクロ写真の時代でした。
なので現在50歳以上の方の子供の頃の写真と言えば「モノクロ写真」でした。
カラー写真が主流になったのは現像所が普及してきた1965年頃からです。
1975年頃には写真と言えば一般的に「カラー写真」を指すようになります。
原スタジオの創業は1979年。
つまり最初から「カラー写真」での記念写真をするためのスタジオでした。
では「モノクロ写真」を売っていなかったかというとそんなことはありません。
その時代写真館業界では「モノクロ至高主義」でした。
うすっぺらな「カラー写真」より重厚な「モノクロ写真」が勝っている、そんな考え方です。
実際その頃のカラー写真はまだまだ未熟で、本物の色にはほど遠く、色持ちも悪く長持ちしませんでした。
消えてしまうかもしれない「カラー写真」より、100年以上画像が失われない「モノクロ写真」の方が写真館の写真には合っていたのです。
そして写真館の技術は「撮影技術」だけではなく「現像技術」も必要で
「現像液の薬品配合」から「焼き付け技術」「写真修正技術」などを有していて
名人となるとそれはそれは現実の色も感じさせる「美しいモノクロ写真」を作ることもできたのです。
しかしカラー写真の技術はその後どんどん良くなりモノクロは廃れていきました。
さらに時代は進み2010年以降「デジタルカメラ」の普及により「フィルム」を使わない時代に突入。
すでに現在「フィルムカメラ」はほどんど売っていません。
モノクロが廃れて約40年。
当時のフィルムや現像液、印画紙はほぼ販売終了となっております。
ではもう本物のモノクロ写真は作れないかというと、それは「NO」です。
現在1から現像・焼き付け道具をそろえるとなると「かなりハードルが高い」のですが
富士フイルムの営業さんからの話によると「いつモノクロフィルムや印画紙の生産をやめてもおかしくない」状況でありながら、まだ手に入ります。
そして2000年に立て替えた「写真館原スタジオ」には「暗室」があります。
暗室道具も捨ててない。
最後の「本物のモノクロ写真」を来年売ってみようかと思います。
たぶん1日けて写真1枚程度しか焼き付けできないと思うのでかなり少数になると思います。
はらちゃん