ちょっと思うところあって書かせていただこうかな(まじめモード)
「銀塩写真」
実はわたくし銀塩写真にこだわっています。
「写真屋さんなんだから当たり前じゃん」と思うなかれ、かなりの写真屋さんがどんどん銀塩写真離れしています。
「えっ?!」
って思うよね、じゃああの写真は「銀塩写真じゃないの?」
北海道はまだいい方なのですが、本州に行くとかなりの確率で銀塩写真ではないんです。
なぜかというと、
それはデジタルカメラで撮影しているから。
「銀塩写真」は「ネガフィルム」から「印画紙現像」して生まれるアナログ写真。
デジタルカメラは広告印刷用に開発され印刷に適している
「新聞・雑誌・ポスターなどの印刷物」や「インクジェットプリント」などと相性がいい。
原スタジオではデジタルカメラで撮影して「デジタル銀塩プリンター」を使用して「銀塩写真」をつくっています。
ですが銀塩写真は現像という化学反応で発色・安定させているために
気温・温度・湿度や現像液の劣化度や印画紙の作られた日などによってわからないほどですが多少のばらつきが出ます。
「じゃあ原スタジオも印刷写真にすればいいじゃない」
はい、そう思う事もあります。
でも私にはこだわりがあるんです。
強いこだわりが生まれたのはあの2011年3月11日に発生した東日本大震災での写真ボランティアでのこと。
瓦礫撤去に入った自衛隊の隊員さんは「写真アルバム」だけは「最重要品」として集めてくださりました。
しかしその写真は津波に飲まれてしまっています、
私は他の写真屋さんと共に写真の洗浄処理ボランティアとして現地に入りました。
その中のインクジェットでの写真や印刷物は画像が流れていたり紙がぼろぼろになり救う手立てはなく、
残ったのは銀塩写真だけ・・・あらためて銀塩写真の重要さに気づきました。
「最後に残るのは銀塩写真だけ」
20年くらい前にネガで写真を撮っていた頃「百年プリント」という写真の広告がありました。
今でも江戸時代の写真を見る事が出来るくらい銀塩写真は長持ちする。
カラー銀塩写真でも富士フィルムの実験では130年くらいの寿命があるとのこと(保存状態がよければですが)
「銀塩写真は長期間保存」をめざして開発されてきました。
100年は必要ないのかもしれませんが、写真館の写真だけでも100年はもって欲しい。
そう思っています。
「デジタルデータは劣化しないじゃない」
はい、そうですよね。
でもHDDには寿命があります、長くて10年程度。
品質のよいCD-RやDVD-Rの寿命は長くても30年。
品質によっては1年もたないものも多いです。
5年前携帯で撮った写真は今見られますか?
30年後まで本当に残るでしょうか。
原は想い出をずっと残したいと思っています。
だから「銀塩写真」
燃えたり捨てたりしない限りずっと残ります。
私の写真はデータROMの表面画像以外は写真集もすべて銀塩写真。
過去20年のネガもデータもすべて保存していくつもりです、それが写真館のカメラマンの使命だと信じて。
もしこのブログを読んで「昔原スタジオで撮った写真を焼き増しできるのかな」と思ったらご連絡ください。
たぶんあります。
たぶんかーい(>_<)
いえ、大丈夫です。
はらちゃん