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『コンビニオーナーのための経営術』
2005年12月11日 第12号
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読者の方から第10号が難しかったという
感想をいただきました。
という事で、今回は、第10号の補足をしたいと思います。
第10号は
第10号では、「限界利益」を把握するところからスタートしました。
「限界利益」、馴染みのない方にはわかりにくいかもしれません。
お店の費用には変動費と固定費がある事はマガジンでも
書かせていただきました。
変動費とは、売上の変動に伴って変動する費用、
固定費とは、売上の変動に伴って変動せず固定的にかかる費用です。
お店の「利益」を計算するときはまず「売上」からかかった「費用」を
引いていくのですが、まず先に「変動費」を引いた段階の利益の事を
「限界利益」というのです。
「変動費」は商品を売るためにいわば必ずかかる費用です。
(商品の原価、レジ袋等の費用、本部に払うロイヤルティ・・・など)
ですから入ってきた「売上」のうち、必ずかかる費用を引いた残りが
限界(いっぱいいっぱい)の利益という意味で、「限界利益」と呼ぶのです。
しかし、お店には当然、人件費や、電気代など売上にかかわらずかかる費用が
あります。それを固定費と呼び、限界利益から引く事で最終的な儲けである
「利益」となるのです。
変動費と固定費をわざわざ分けるのにはやはり意味があるからです!!
当店の強みと弱みを把握しようとするとき、同業者や儲かっているところと
比較する事が有効です。
その結果、変動費が高いとしたらそれは、商品の販売単価か、仕入れ単価に
問題があるか、値引き販売のしすぎなどが考えられます。
一方、固定費が高いとしたら、人件費に問題があることが多いです。
つまり、労働生産性を改善しなければいけません。もちろん、お店の家賃
を下げてもらうように交渉したり、電気水道の無駄使いをしない事なども
必要です。
具体的に、コンビニの店の例を挙げます。
==変動費が高くなる要因と対策例==
1. 菓子、ファーストフード以外の食品、雑貨類の発注の精度が悪いために
不良在庫が多く、季節品の値下げ販売が多い。
→発注の精度の向上、早め早めに発注担当者に指示
2. 本部の値入率自体が他チェーンに比べて低い。
→各チェーンごとに、バイヤーの交渉力や本部努力の差により
平均の値入率(粗利率)が異なるため、加盟前に吟味する事が必要。
加盟後は、継続して本部が努力しているか監視する必要がある。
3. 自店の売上のうちに占める、サービス部門やタバコの売上が高い。
→サービス部門や、タバコは一般的に値入率は悪いです。
もし、他店と同じ売上でもタバコなどの比率が高いと利益率は悪くなり
利益は低くなります。
とっても、タバコの売上が高い事は悪い事ではなく、結果論であるので
他の値入の良い商品を売る努力を継続していけばよい事になります。
ただ、店内不正などによる、たな卸しロスがタバコや、サービス部門で
発生している場合は、原価率が高い分店にとっておおきなダメージです。
しかも、タバコやサービス部門はカウンター内で管理しているため
万引きよりは店内の内部不正の可能性が高く、店の管理体制に問題が
ある事が多いです。
==固定費が高くなる要因と対策==
1. 人件費が高すぎる
→一人当たりの生産性が悪いと人件費は高くなります。
やはり、売上に応じた適正な人件費でまわさないと経営は
苦しくなります。
アルバイトのシフトを1時間単位でアバウトに決めていたのを
15分単位で組む、効率的に納品・清掃・商品補充
ができるように役割分担を見直すなどの工夫が必要です。
また、雇い店長がいる場合は、固定制の給与から売上による変動制に
変更するのは良いかもしれません。
2. 商品廃棄が多すぎる
→これは、経営全体にもかかわってきます。
廃棄の一つ一つが意味のある廃棄だったか、発注前の分析は適正だったか
などの検証が必要です。
3. 水道光熱費が高すぎる。
→店員さん一人ひとりの意識づけができているかの確認。
特に、エアコンの設定温度や、ウォークイン(飲料冷蔵庫)の補充時の
扉の開閉を見直すだけでも効果があります。
4. 家賃が高すぎる。
→店の開発担当に見直し交渉をしてもらうように依頼する。
本部任せではなく、近隣の土地の相場などに敏感になっておく必要が
あります。家賃の見直しの交渉などは、本部の開発マンにとって
優先順位の低い業務だと思われるので、お店側としては、
定期的に家賃相場をチェックして、こちらからアプローチしていく
ことが重要です。
このように、費用を変動費と固定費を分けて考えるとお店の問題点が
よくわかる事が多いのです。特に小売業などは比較するデータがわりと
簡単に手に入ると思いますので(店舗指導員に頼むなど)、自店の強みと
弱みを把握してそこを解決していくように「カイゼン」していく事が
大切だと思います。
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超個人的!コンビニ日記
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カウンターフーズが多くなってきたように思います。
お弁当、おにぎりなどで各チェーンの特色を出すのは難しいですが
カウンターフーズは特色を出しやすいからかもしれません。
カウンターフーズといえばミニストップが突出していると思いますが
他のチェーンもあの手この手でラインナップを増やしています。
昔は中華まん、おでん、フランクフルト、から揚げくらいでしたが
最近は、コーヒー、ソフトクリーム、たい焼き・・・
とバラエティに富んでいます。
中でも私が注目しているのは、ハンバーガー、パニーニなどを
レジに持っていって、電子レンジではなく専用のオーブンで
焼いてもらって食べるタイプのものです。
厳密にはカウンターフーズではないのかもしませんが、
ひと手間加える事で、一段上の味わいが得られる差別化商品だと
思います。
なんといっても、レンジで温めてもらったときよりも
おいしさがちがいます!ホットドッグなどのパン系のものは
レンジアップするとどうしてもパンがふやけてしまいます。
ところがオーブンだとかりっとしておいしいんです。
これからの時期、温かいものがほしくなります。
各チェーンでどんな新商品が出るか見ものですね。
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『コンビニオーナーのための経営術』
2005年12月11日 第12号
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読者の方から第10号が難しかったという
感想をいただきました。
という事で、今回は、第10号の補足をしたいと思います。
第10号は
第10号では、「限界利益」を把握するところからスタートしました。
「限界利益」、馴染みのない方にはわかりにくいかもしれません。
お店の費用には変動費と固定費がある事はマガジンでも
書かせていただきました。
変動費とは、売上の変動に伴って変動する費用、
固定費とは、売上の変動に伴って変動せず固定的にかかる費用です。
お店の「利益」を計算するときはまず「売上」からかかった「費用」を
引いていくのですが、まず先に「変動費」を引いた段階の利益の事を
「限界利益」というのです。
「変動費」は商品を売るためにいわば必ずかかる費用です。
(商品の原価、レジ袋等の費用、本部に払うロイヤルティ・・・など)
ですから入ってきた「売上」のうち、必ずかかる費用を引いた残りが
限界(いっぱいいっぱい)の利益という意味で、「限界利益」と呼ぶのです。
しかし、お店には当然、人件費や、電気代など売上にかかわらずかかる費用が
あります。それを固定費と呼び、限界利益から引く事で最終的な儲けである
「利益」となるのです。
変動費と固定費をわざわざ分けるのにはやはり意味があるからです!!
当店の強みと弱みを把握しようとするとき、同業者や儲かっているところと
比較する事が有効です。
その結果、変動費が高いとしたらそれは、商品の販売単価か、仕入れ単価に
問題があるか、値引き販売のしすぎなどが考えられます。
一方、固定費が高いとしたら、人件費に問題があることが多いです。
つまり、労働生産性を改善しなければいけません。もちろん、お店の家賃
を下げてもらうように交渉したり、電気水道の無駄使いをしない事なども
必要です。
具体的に、コンビニの店の例を挙げます。
==変動費が高くなる要因と対策例==
1. 菓子、ファーストフード以外の食品、雑貨類の発注の精度が悪いために
不良在庫が多く、季節品の値下げ販売が多い。
→発注の精度の向上、早め早めに発注担当者に指示
2. 本部の値入率自体が他チェーンに比べて低い。
→各チェーンごとに、バイヤーの交渉力や本部努力の差により
平均の値入率(粗利率)が異なるため、加盟前に吟味する事が必要。
加盟後は、継続して本部が努力しているか監視する必要がある。
3. 自店の売上のうちに占める、サービス部門やタバコの売上が高い。
→サービス部門や、タバコは一般的に値入率は悪いです。
もし、他店と同じ売上でもタバコなどの比率が高いと利益率は悪くなり
利益は低くなります。
とっても、タバコの売上が高い事は悪い事ではなく、結果論であるので
他の値入の良い商品を売る努力を継続していけばよい事になります。
ただ、店内不正などによる、たな卸しロスがタバコや、サービス部門で
発生している場合は、原価率が高い分店にとっておおきなダメージです。
しかも、タバコやサービス部門はカウンター内で管理しているため
万引きよりは店内の内部不正の可能性が高く、店の管理体制に問題が
ある事が多いです。
==固定費が高くなる要因と対策==
1. 人件費が高すぎる
→一人当たりの生産性が悪いと人件費は高くなります。
やはり、売上に応じた適正な人件費でまわさないと経営は
苦しくなります。
アルバイトのシフトを1時間単位でアバウトに決めていたのを
15分単位で組む、効率的に納品・清掃・商品補充
ができるように役割分担を見直すなどの工夫が必要です。
また、雇い店長がいる場合は、固定制の給与から売上による変動制に
変更するのは良いかもしれません。
2. 商品廃棄が多すぎる
→これは、経営全体にもかかわってきます。
廃棄の一つ一つが意味のある廃棄だったか、発注前の分析は適正だったか
などの検証が必要です。
3. 水道光熱費が高すぎる。
→店員さん一人ひとりの意識づけができているかの確認。
特に、エアコンの設定温度や、ウォークイン(飲料冷蔵庫)の補充時の
扉の開閉を見直すだけでも効果があります。
4. 家賃が高すぎる。
→店の開発担当に見直し交渉をしてもらうように依頼する。
本部任せではなく、近隣の土地の相場などに敏感になっておく必要が
あります。家賃の見直しの交渉などは、本部の開発マンにとって
優先順位の低い業務だと思われるので、お店側としては、
定期的に家賃相場をチェックして、こちらからアプローチしていく
ことが重要です。
このように、費用を変動費と固定費を分けて考えるとお店の問題点が
よくわかる事が多いのです。特に小売業などは比較するデータがわりと
簡単に手に入ると思いますので(店舗指導員に頼むなど)、自店の強みと
弱みを把握してそこを解決していくように「カイゼン」していく事が
大切だと思います。
■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■
超個人的!コンビニ日記
■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■
カウンターフーズが多くなってきたように思います。
お弁当、おにぎりなどで各チェーンの特色を出すのは難しいですが
カウンターフーズは特色を出しやすいからかもしれません。
カウンターフーズといえばミニストップが突出していると思いますが
他のチェーンもあの手この手でラインナップを増やしています。
昔は中華まん、おでん、フランクフルト、から揚げくらいでしたが
最近は、コーヒー、ソフトクリーム、たい焼き・・・
とバラエティに富んでいます。
中でも私が注目しているのは、ハンバーガー、パニーニなどを
レジに持っていって、電子レンジではなく専用のオーブンで
焼いてもらって食べるタイプのものです。
厳密にはカウンターフーズではないのかもしませんが、
ひと手間加える事で、一段上の味わいが得られる差別化商品だと
思います。
なんといっても、レンジで温めてもらったときよりも
おいしさがちがいます!ホットドッグなどのパン系のものは
レンジアップするとどうしてもパンがふやけてしまいます。
ところがオーブンだとかりっとしておいしいんです。
これからの時期、温かいものがほしくなります。
各チェーンでどんな新商品が出るか見ものですね。
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