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切実さを感じさせる、観光キャンペーンコピー

2016-10-29 21:00:12 | CMウォッチ

今日、所用があり出かけた時、2つの観光キャンペーンのコピーに、現実の厳しさのようなものを感じた。
一つは、福島県の観光キャンペーン。
もう一つは、大分県、別府の観光キャンペーンだ。

福島の観光キャンペーンのキャッチコピーは、これ以上シンプルな表現は無い!と思われる「来て」。
ご存じのように、福島県は、東京電力福島第一原子力発電所の事故の収束の目途が立たない、という状況が続いている。
福島県で栽培される様々な農作物などについても、「放射能汚染が心配」という生活者の根強い「不信感」があり、厳しい状況が続いている。
まして、原発事故で避難地域に指定され、現在は解除となった地域であっても、観光客どころか住民そのものが帰っていない、という状況に陥っている。
観光となれば、ますます厳しい状況になっているだろう、という想像はできる。

福島県の観光キャンペーンは、冊子で配布されたもので内容を見てみると、「事故前の豊かな福島県」というものを感じ、原発事故によって失われた「地域の資産」は、想像以上なのだろうと、感じさせるには十分すぎる内容だった。
作成をした福島県は「今の福島」を見てほしいという趣旨なのだと思うのだが、どの写真もキレイ過ぎて「今」を感じることが(私には)難しいのだ。
だからこその「来て」という、キャッチコピーとなったのだと思うのだが、その切実さとは逆に、現実の厳しさを感じてしまったのだ。

もう一つの別府のコピーは、まだユーモアを感じる内容で「今の別府にとって、お客様は(マジで)神様です」というものだった。
4月に起きた「熊本地震」の被害は、熊本県内だけではなく、隣の大分県にまで及んでいる。
しかし、震災名が「熊本地震」と名付けられたため、大分県の被災状況は伝わりにくくなってしまった感がある。
別府温泉も、震災発生時は話題にはなったが、今はどれほどの復興状況なのか伝わってこない。
そんな中で見た、別府温泉の観光キャンペーンのコピーは、お客様を呼び込もうという思いにユーモアを加えることで、全体的に明るいイメージを作ることに成功している。

もちろん、福島と別府とを比べるわけにはいかない。
福島の場合、原発事故発生以来復興そのものが、進んでいないに等しいからだ。
それに比べ、別府は少しづつかもしれないが、復興が進みつつある(はずだ)。
ただ共通していることは、復興そのものには時間がかかり、被災地の多くは「時間経過とともに忘れ去られる」不安がある、ということだろう。
それは先週起きた「鳥取県中部地震」も、同じだろう。

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