日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「バブル」の頃が懐かしい?

2016-12-04 21:12:02 | アラカルト

調べものをしていて、フッと目に留まった記事があった。
ダイヤモンドビジネスオンライン:「平成元年」驚きの回顧録

昭和天皇が崩御された時、日本は「バブル景気」の真っただ中にあった。
正しくは「バブル景気に翳りが見え始めていた」といったほうがよいのかもしれないが、世間は天皇崩御という暗い雰囲気の中で、どこか「変な熱」を帯びていたような雰囲気があったように思う。
それだけではなく、社会が大きく変わり始めたころだったのかもしれない。

その一つが、「男女雇用機会均等法」の施行だろう。
「男女雇用機会均等法」の実施によって、女性が企業で働くことが当たり前になったのではなく、結婚後も継続的に仕事をすることが、当たり前になった・・・という変化だ。
「男女雇用機会均等法」以前の頃は、「寿退社」が当たり前だったし、それが「女性の人生の理想形」のような捉えられ方をされていたような気がする。
「雇用や昇進、厚生面などの面で、性差に関係なくチャンスが与えられる」という施行時の目的ではなく、「仕事を継続的にできるようになった」ということ点のほうが、施行後の大きな変化だった。
と同時に、大卒女子を企業が積極的に採用になった、ということも大きな変化だったと思う。

とはいうものの「バブル=泡」のような、うたかたの時はアッという間に過ぎてしまう。
その後の経済変化は、社会にも大きな影響を与え、バブル崩壊時に小中学生だった人たちの多くは「堅実」な、生活志向になっていったように感じる。
自動車の取得率なども、「バブル期」に取得した世代と「崩壊後」の世代では、随分違う。
「公共交通機関を利用すれば、ほとんどの所へは行くことができる=クルマは無くても生活ができる」という、生活志向に代わってきたのもバブル崩壊後世代に顕著な傾向だろう。

だが、最近女性週刊誌などを見ていると「バブル期」を懐かしむような、記事があったりする。
「ビックコミックスピリッツ」で掲載され、その後大ヒットドラマとなった「東京ラブストーリー」が、同じ出版社から発刊されている女性週刊誌に掲載されるようになった。
「50代になった主人公たちの今」というのが、テーマのようだ。
それだけではなく、バブル期にもてはやされた?イケイケな女性たちを取り上げるような女性向けのコミックスもある。
ただし、このようなコミックスでは「いまだにバブルを引きずっているイタイ中年女性」という、扱われ方だ。

しかし、記事全体を読んでみると「バブルの頃が懐かしい」という部分だけではなく、「昭和」という時代の終焉が年号が変わったというだけの意味ではなかったような気がする。
とはいうものの、バブルの頃を懐かしむばかりでは、今という時代にそぐわない。
バブルで恩恵を受けた世代が、社会の責任世代となってきている今だからこそ、懐かしむのではなく「バブルの恩恵(=豊かさによって育まれた文化)」を社会に還元する必要があると思う。



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