日経新聞のWEBサイトに、NTTドコモが保険相談を始める、という記事が掲載されていた。
日経新聞:NTTドコモ、店舗で保険相談 9月1日から
ご存じの方も多いと思うのだが、かつて保険の販売と言えば「訪問販売」が主流だった。
それも、企業へセールスレディと呼ばれる女性販売員が、出向いて従業員に商品を勧める、という販売が主流だった。
そのため、販売担当者が変わるたびに、あらたな商品を勧められるまま契約をしてしまい、月額保険料が数万円という場合もあった。
そのような販売方法に一石を投じたのが、店舗を構えた「保険相談」というカタチでの、保険の販売だ。
このような形態での販売ができるようになった背景には、複数の保険会社の商品を扱うことができるようになったためだ。
実際「保険相談」を行っている店舗に行くと、複数の保険会社のパンフレットがおいてあり、相談員が保険商品を説明しながら、必要な保険を勧めてくれる。
もちろん、今でも訪問販売のような形態で保険を扱っている企業も、少なくはない。
そのような保険会社は「ライフコンサルティング」という、名前の販売担当者を顧客につけ、顧客のライフステージに合わせた保険商品を勧める一方で、加入している保険の変更をするなど、きめ細かなサービスを提供している。
場合によっては、保険商品を使った「資産運用」の提案までしているケースもあるようだ。
そのような保険事業にドコモが、参入するというのが今回の記事なのだが、「畑違い」と言うだけではなく参入する趣旨がイマイチわからないのだ。
記事によると、「これまで展開しているヘルスケア関連事業の商品やサービスと連携するため」ということのようなのだが、この「ヘルスケア関連事業」と「保険」が、結びつかないのだ。
確かに「保険」は、「万が一の時のため」に役立つサービスだ。
ただ「ヘルスケア関連事業」というのは、その「万が一のリスクを減らす」ための事業だ。
そのうえで「万が一のために、備えましょう」ということなのだろうが、自動車保険や火災保険のような損保は別にして、生保の契約をする人の多くは「貯蓄性」ということを考えている部分が大きい。
その反面、特約部分が大きいために高齢になってからの死亡保険金額は、思ったほどではない、という内容が多い。
少なくとも10年くらい前までの生命保険は、そのような内容が多かった。
それだけではなく、保険を販売するには「資格」が必要なのだ。
そのための人材を確保してまで、ドコモが「保険相談」をする意味は、どこにあるのだろう?と、考えてしまうのだ。
確かに「ヘルスケア関連事業」の一つとして、「保険相談」という発想はわからない訳ではないのだが、その実「ヘルスケア関連事業」と「保険相談」とでは、利用者の目的が違うような気がするのだ。
果たしてドコモは、その利用者の違う目的をどのように「マッチング」させるのだろうか?
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