北国の小さな家の大きな家族 "Happy Horse Inn"

競走馬、乗用馬のふるさと北海道の馬産地で、家族として暮らす二頭のサラブレッドの様子を中心に発信していました。

「余生」から「生涯現役」、の生き方へ

2014年06月26日 | うまや便り

宝塚記念が近づきました。ライスシャワーを思い出す方も多いでしょうか。あれから19年。。。19年前、何をしていたかな?プーちゃんが募集に出た頃でしょうか。。。

馬産地には、早くもアブが出現しました。

プーちゃんは。。。

基本的にはアブは寄って来ませんが、運悪く見つかってしまうとプーちゃんも吸血されます。今朝はお腹を吸血されてしまいました!

スピ君は。。。

 

昨年秋、海外馬具屋のセールで買った薄くて軽い虫除け馬着をつけてみました。


とてもデザインは良いのですが、プーがかじって来るので、すぐにやぶられてしまいそうです。効果はかなり高いですし、馬体が黒いスピ君にとって、白い上着を着るということは、とても涼しくて心地良いようです。

寝落ちしたスピ君。。。マスクがプーにかじられ、破けています。。。orz


最近は、競馬を引退した馬に余生を、という動きが過去になく活発になりました。低額で預託を受ける「余生牧場」も普及してきました。

2頭の競馬引退馬を持っている関係で、色々な方からご質問を頂きます。中には、「愛馬を自宅にひきとるために○○しました」という具体的な行動を起こした方もいらっしゃいます。すぐに馬を連れて来るのかと、あわてて参考情報収集して、よくお話を聞くと、「10年後くらいが目標。。。」など。。。あわてん坊なので、よくお話を聞くまでは、何も行動しないようにしようと思います。

また、若い競走馬を引退時ひきとったら余生牧場に預けたい、という方も多いです。コストを考えれば無理もないことかもしれません。しかし競走馬の多くは、3~8歳までに引退をします。その後、20年、生きます。働いた月日より、余生が長い?

正直、10人10色というか、10人10度というか、温度差があり、この手のお問い合わせに対応することは、時間と体力を奪われます。

「馬を漠然と生かす」より、「活かす」ことにこだわる私の考えは、あまり多くの人からは受け入れられないかもしれません。ただ、誰かを幸せにすることが、結局、自分の幸せになってかえってくる、ということを教えてくれたのは、馬達でした。

馬には仕事をさせる、というのが私の考えです。そして「引退馬」こそ、「生涯現役馬」として生きてゆけると思っています。老いて、ぎしぎし音を鳴らしながら歩く姿を見せることも、お仕事のうちでしょう。

皆さんには、我が家のプーやスピは、何も仕事をしていないように見えるかもしれませんが、彼らはちゃんと仕事をしていますよ。ゲストが来られれば、2頭それぞれの個性で、にんじんをアピールします。アブが飛んでいると、恐怖のあまりカチコチに固まってしまうスピ君も、ゲストがハエ叩きでまとわりついていたアブを全部倒すと、ほっとして再び放牧地の奥に歩いてゆきます。スピ君は、「ありがとねー。」と言いながら去ってゆくのですが、そんな様子を見つめるゲストの表情の変化を見ていると、二頭はちゃんと仕事している、ということがわかります。

また、そんな馬達の様子をネットを通じて私が公開することで、見ている方達が笑ったり、呆れたり、怒ったり泣いたりして、日ごろのストレスを忘れて頂けるのではないでしょうか。

余生を過ごしている、というより、彼らは人に、「馬という命」がどんなものかをお示ししながら、人と共に生きることで、「見る人を癒す」、という仕事をしている、と思いますが、いかがでしょう?

プーもスピも、競走馬から乗馬となり、現在に至ります。死ぬまで現役として「人のために」働けたら。。。競走馬が、第一の馬生であったらとすれば、その次に、乗馬としての馬生もありました。今は、余生ではなく、プーちゃんはスピ君の相棒としての仕事があり、サポーター様に元気な姿を見せるという仕事もあります。

スピ君には素顔の「馬という命」の素晴らしさを皆さまにお示しするという大切な仕事があります。そんな二頭の小競り合いや、ひがみやっかみ、かじり合いなどなど、さまざまなな行動を見ているだけで癒されると思います。

 

ただ「生かす」のではなく、「生涯現役として人のために働いてもらう」という発想でこれからも家族一丸となって、頑張って行けたら、と思います。




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2 コメント

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とても素敵です。。 (mewkas)
2014-07-03 17:54:13
はじめまして、私は20年あまり北の馬産地浦川に住ませて頂き育成牧場にて競争馬たちと生活を共にしてきた者です。
自分が育成した子たちの引退後の事なども気になりつつ経済動物であることで自分を納得させてきたのですが、浦川を離れて10年‥
今の日高にそんな素敵な事をなさっている方が居る事を知り胸が熱くなる想いでコメントさせて頂きました。。。
【生涯現役!】素敵なことですよね!

余った命じゃないですもん (宿のおかん)
2014-07-03 18:00:49
mewkas様

コメントありがとうございます。

私の想いが伝わったかな、とほっとしました。

以前、「人生のロスタイムを生きている」とおっしゃった引退大臣さんがいました。何かにじゃまされて、前進できなかった時間を取り戻すという考えに感銘を受けました。

しかし余生は、余った時間、、みたいに感じられ、おまけ、みたいな、無料、、みたいな印象を受けてしまうのです。

馬は人を癒すと言いますが、ハッピーな馬でなければ、芯から人を癒すことはできないと思います。

そして馬は、ハッピーな人から癒されているのだと思います。

ハッピー人馬、癒し癒されの様子を徹底的にお見せすること、それによって、スマホやPCの画面を通じて、癒しのパワーが多くの方に飛んで行き、ハッピーな人達が生きている馬のもとに集まり、馬さんをハッピーにしてくれると思います。

全ての馬さんがそんな時間をもらえないことはわかっていますが、一頭でも多くの馬をハッピーにしてもらうためにも、ハッピーな人が増えて欲しい。。。そんな想いをこめた宿の名前、ハッピーホースインです。

お見知りおき頂ければ幸いです。

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