風が醸す古里の
えも云われぬそこはかとない匂い
私がまだ小さかった頃、
今はもう無くなってしまったが
隣に藁葺き屋根にそのままトタンを張った古い農家があった
牛小屋があって牛を飼っていた
飲み水は裏山から流れてくる水を
水がめにためて使っていた
よくその水がめにひしゃくを突っ込んで
汲んで飲んだものだった
その水は
今にして思えば
独特の匂いがあった
決していやでない
懐かしいような
その家独自の匂い
今はその家もその匂いもどこかへ行ってしまった
えも云われぬそこはかとない匂い
私がまだ小さかった頃、
今はもう無くなってしまったが
隣に藁葺き屋根にそのままトタンを張った古い農家があった
牛小屋があって牛を飼っていた
飲み水は裏山から流れてくる水を
水がめにためて使っていた
よくその水がめにひしゃくを突っ込んで
汲んで飲んだものだった
その水は
今にして思えば
独特の匂いがあった
決していやでない
懐かしいような
その家独自の匂い
今はその家もその匂いもどこかへ行ってしまった