おつまみ抱き茗荷

思うがままに述べていきます・・・

封神演義

2006-05-16 13:08:55 | 雑話
今は亡き横山光輝先生の漫画『殷周伝説-太公望伝奇-』(以下横山版と略記)をようやく読み終えました。
いわゆる封神演義を題材とした作品(内容をみる限り、魔法的な要素は少なく歴史物語的な作風になってますが・・・)。
封神演義は中国庶民に伝えられる娯楽文学であり、版本は複数ある。原型になったのは『商周演義』や『崑崙八仙東遊記』といった作品や、各地の民話伝承などがもとになったとされ、日本でも古くから読まれ、江戸時代に一部の人間が既に読んでいた記録があるそうです。
私が初めて封神演義を読んだのは大学に入ってすぐの頃、講談社文庫『封神演義』上・中・下の三巻(講談社版と略記)でした。しばらくして週刊少年ジャンプにて藤崎竜先生の『封神演義』(以下藤崎版と略記)が連載され一躍有名になりました。
私が読んだのはこれら三作品ですがそれがまた三者三様に面白い!

  ここから先は少なからず内容に触れていますのでこれから読もうと思う人は
  気をつけてください。

まず「講談社版」ですが原典を元にしつつ作者なりの改編がかなり加えられた「超訳」みたいです。私個人としてはこれが原点なんですが上・中巻と下巻の物語の進行速度が違うのが印象に残ってます。連載打ち切り前の限りあるページ数のつじつま合わせみたいな感じといえばわかりやすいでしょうか(大変失礼な例えですが)。まあ封神計画自体つじつま合わせの為の計画ですから問題はないですね。
次に「藤崎版」ですが原作は講談社版みたいですが少年漫画の為、設定変更がかなりあり、SF要素が強いです。 例えば低俗動物霊で小道具扱いだった妲己・たいして強くなかった聞仲が最高クラスの実力を持ってたりして・・・結末から先に言うと、「本来の歴史」(史実あるいは原作)通りの展開とはならないですね。けど宝貝等頭の中で想像してたモノがでてくるとワクワクしたもんです。
最後に「横山版」。二十代後半以上の人にとっては歴史漫画というと真っ先にこの名前を思い浮かべることでしょう。こちらは先にも述べたように「藤崎版」とは全く逆にSF要素は極力排除してます。仙人なども登場しますがあくまで普通人の延長線上(超能力者みたいな感じ)です。封神台も登場しませんし宝貝等もカラクリ武器のように描かれています。一見地味にみえますが作者の作風通りでジワリと効いてきます。
因みに私が殷の紂王さまならば「横山版」妲己(だっき)ではなく「藤崎版」妲己(だっき)に誘惑されたいものです。なぜならば「横山版」だと悪女が前面に出てて怖いですから・・・

といろいろ書いてきましたが封神演義の物語は、中国民衆の間に深く浸透している世界観(道教や神仙思想、仏教、などが深く絡み合った中国独特の宇宙観)を多少とも知っていれば、より楽しめるはずです。逆に封神演義から中国独特の世界観に興味を持たれた人もいると思います。中国、深いなあ・・・
また機会があれば中国の世界観に触れてみたいと思います。
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週刊少年ジャンプ 講談社文庫
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