Podium

news commentary

支離滅裂

2016-02-18 23:17:01 | Weblog

順不同に記憶をたどれば、甘利・前経済再生相の「現金入り羊羹袋」、高市総務相の「電波停止」、島尻沖縄北方相の「歯舞」、丸川環境相「1ミリシーベルト」、宮崎謙介・前衆議院議員の「不純異性交遊」と、国会劇場には休む間もなく自民党議員によるお笑いの出し物が続いている。不純異性交遊がばれた宮崎氏は議員をやめたが、これは珍しいケースである。

間髪をいれず、今度は自民党の丸山和也参議院議員だ。彼は2月17日の参院憲法審査会で、「アメリカは黒人が大統領になっている。これは奴隷ですよ。建国当初の時代に、黒人・奴隷が大統領になるなんて考えもしなかった」と発言した。

新聞各紙に詳しい発言内容が載ったが、ここではインターネット新聞『ハフィントン・ポスト』が掲載した発言内容を引用しよう。

「憲法上の問題でもありますけれど、ややユートピア的かもわかりませんけれども、例えば、日本がですよ、アメリカの第51番目の州になるということについてですね、例えばですよ、憲法上どのような問題があるのかないのか。例えばですね、そうするとですね、例えば集団的自衛権、安保条約、これまったく問題になりませんね。それから今、例えば、拉致問題ってありますけれど、拉致問題って恐らく起こってないでしょう。それからいわゆる国の借金問題についてでも、こういう行政監視の効かないような、ズタズタな状態には絶対なっていないと思うんですね」
「これはですね、例えば日本がなくなることじゃなくて、例えばアメリカの制度によれば、人口比において下院議員の数が決まるんですね。比例して。それとですね、恐らく日本州というような、最大の下院議員選出州を持つと思うんです、数でね。上院は、州1個で2人。日本をいくつかの州に分けるとすると、十数人の上院議員もできるとなると、これはですね、世界の中の日本というけれども、日本州の出身が、アメリカの大統領になるという可能性が出てくるようになるんですよ。ということは、世界の中心で行動できる日本という、まあ、その時は日本とは言わないんですけれども、あり得るということなんですね」
「バカみたいな話だと思われるかもしれないかもしれませんが、例えば今、アメリカは黒人が大統領になっているんですよ。黒人の血を引くね。これは奴隷ですよ。はっきり言って。リンカーンが奴隷解放をやったと。でも、公民権も何もない。マーティン・ルーサー・キング(牧師)が出て、公民権運動の中で公民権が与えられた。でもですね、まさか、アメリカの建国、当初の時代に、黒人・奴隷がアメリカの大統領になるとは考えもしない。これだけのですね、ダイナミックの変革をしていく国なんです」
「そういう観点から、例えば日本がですね、そういうことについて、憲法上の問題があるのかないのか、どういうことかとお聞きしたい」

この丸山発言は招かれた参考人の一人から「考えてみたこともなかった。答えようがない」と一蹴された。参議院の審議中継(2月17日)の録画を見たが、憲法論議とは関係のないいかにも唐突な発言だった。丸山氏は陳謝し発言の削除をすると表明。野党は議員辞職勧告決議案を提出した。

2012年の7月ごろ、『ニューヨーク・タイムズ』をはじめ、米英の新聞がオバマ大統領は植民地時代のアメリカのアフリカ系奴隷の子孫かも知れないといっせいに報道したことがあった。アメリカの家系調査を専門にするサイト Ancestry.comがオバマ大統領の母親で白人のアン・ダナム博士の祖先にアフリカ系の奴隷がいたと報じたためだ。同時に、Ancestry.comによると、大統領はアイルランド系、ドイツ系の祖先も持ち、有名な投資家ウォーレン・バフェット氏やティー・パーティー運動のサラ・ペイリン氏、タカ派のラジオ・パーソナリティーのラッシュ・リンボー氏とも遠いどこかでつながっているそうだ。

DNA研究のパイオニアの一人でノーベル賞受賞者のジェームズ・ワトソン博士は、人種差別主義者であり、アフリカ系の人々の知能を貶める人種による知能格差を口にして、非難の的になった。ワトソン博士は自らの遺伝子情報を公開したが、染色体上の遺伝子が持つ遺伝情報であるゲノムを解析した結果、ワトソン博士のゲノムの16パーセントはアフリカ系の特徴を示していたそうである。一般的なヨーロッパ系の人々の16倍以上の濃さだった。

(2016.2.18 花崎泰雄)

『政治』 ジャンルのランキング
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« パラドックス | トップ | ゲリマンダー »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む