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あとの始末を誰がする?

2016-11-10 01:06:35 | Weblog

来年のことを言うと鬼が笑うとのことだが、来年の1月20日にトランプ米国大統領の就任式がある。子どものころ「年の始めのためしとて門松ひっくり返して大騒ぎあとの始末を誰がする」と歌った。トランプ氏の大統領選挙勝利が決まった日本時間11月9日、インターネットで米国の新聞をいくつか拾い読みをした。ワシントンポスト紙が「ドナルド・トランプの76の約束」と題して、選挙期間中を中心にしたトランプ発言を箇条書きにまとめていた。トランプ放言・暴言の集大成で興味深かった。76はちょっと多すぎるので、ここでは同じ日のBBC電子版が伝えた同じ趣の「ドナルド・トランプ30の信条」を引用しよう。トランプの後始末をさせられるのは、どこのどなただろうか?

1.アラブ系アメリカ人は9.11事件に喝采した。
2.アメリカ国内のモスクを監視せねばならならい。
3.ちょっと太った元ミス・ユニバースを、ミス・ピギー(ブタ)と呼んだ。
4.女の35歳はチェックアウト・タイムだ。
5.ISとの戦いでは水責め拷問などの手法をとらねばならない。
6.ISに爆弾をくらわせ、やっつける。
7.サダム・フセインやムアンマル・カダフィが生きて権力の座にいたとすれば、世の中もっとよかっただろうに。
8.合衆国とメキシコの国境に万里の長城よりもっと大きい壁を築く。
9.1,100万人の不法移民を大量送還する。
10.ムスリムを入国させない。
11.米国に亡命を求めてやって来たシリア人を送還する。
12.銃乱射による大量殺人を防ぐために精神療法に資金を投入する(銃規制ではなく)。
13.ウラジミール・プーチンは真のリーダーである。
14.税率の簡略化。
15.ヘッジファンド・マネジャーは殺人無罪の犯罪者のようなものである。
16.公平な対米貿易をさせるために、中国にやらせなければならないことがある。
17.現行の失業率統計は間違っている(20%、いや42%にもなる)
18.Black Lives Matter(黒人の命を守れ)運動はトラブルだ。
19.実質資産100億ドルを自称(ブルームバーグは30億ドル、フォーブスは40億ドルと推計)
20.退役軍人のヘルスケアの大々的な改革。
21. オバマケアは災難である。
22. 気候変動は人為的な災難でなく自然の変化であり、産業の規制は競争力を弱める。
23. ロビイストをもっと規制しなくてはならない。
24. 私はナイス・ガイである。
25. 日本と韓国は核装備すべきである。米国の核に頼り過ぎだ。
26. 北大西洋条約(NATO)は詐欺だ。米国の負担が多すぎる。
27. 人口流産を施した医師を罰すべきだ。
28. 共和党全国委員会は私に対してイカサマを仕掛けている。
29. 1時間当たり7.25ドルの連邦平均賃金を引き上げるべきだ。
30. ヒラリー・クリントンはリンチ司法長官を買収した。

ちょっと物足りなところがあるので、ワシントンポスト紙からも少し拾いあげて付録にしておこう。

 *軍備を強化し、どこの国も米国に対してちょっかいを出せなくする。
 *テロリストの親族をねらい、殺す。
 *ISに利用されるようなインターネットを切断する。
 *アフガニスタンから兵を引き、南シナ海、東シナ海の米軍プレゼンスを増強する。
 *イラン指導者に尊称をつけない。
 *中国の主席には国賓の夕食会でなくマクドナルドのハンバーガーを買ってやればいい。
 *経済成長率を6パーセント以上にする。
 *低賃金の外国人労働者は期限付きビザで入国させる。

どう読んでもお笑いの舞台のような発言内容だが、大統領になると、もっと深刻な事態が発生する。上記のような短絡的な発言をしてきた人物が、1962年のキューバ危機、あるいは9.11の惨劇のような事態に直面した時、どのようなふるまいをするだろうか。

鬼の顔もこわばるような4年間が来年から始まる。

(2016.11.9  花崎泰雄),

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3 コメント

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Unknown (mof)
2016-11-10 06:16:43
ドイツの経済誌ハンデルスブラットのデジタル版より追加します:

・パリを拠点として世界で活動する国境なき記者団はトランプに、大統領選の間の記者へのモビングや妨害に対し、「報道の自由に敬意を払う」よう要望した。大統領選時の記者団への報道の自由を制限する措置は、大統領任期における報道の自由に対する不安を示唆した、とする。

トランプの公約について

・アメリカがかつて与えたものを世界から返してもらう:ドイツ・韓国・日本には、アメリカの保護に対する支払いを要求する。

・不法移民に対する対策としてメキシコ側3000kmの長さの国境に10~15mの鋼鉄と「美しい」コンクリートの壁を構築。無所属研究所の分析によると、4年間、250億ドルで可能のため、どちらかというと、構築される可能性は実際にある。

・在米不法移民の強制送還。ニューヨークの保守派シンクタンク、American Action Forum分析によると、レストラン、農場、工場、土木現場での大規模な手入れが必要となり、警官と公務員の大幅な増員が必須。加えて千百万人の不法移民を移動させることになるため、6千億ドルの公費が入用となる。どちらかというと可能性はやや低い。

・大統領個人の権限の行使。変更は議会の承認を必要とするため、例えば社会福祉や税制に関する変更にはトランプ個人の権限は行使できない。が、イランとの原子力に関するディールの新規交渉は可能であり、イスラム教徒の入国関連法規には影響を与えうる。

・最高裁人事に関して。裁判官の現職任期終了により、トランプは裁判官を指名できるため、強保守派の裁判官を増やしてゆく可能性はある。



・トランプ勝利後、反共和党の州、特に伝統的に民主勢力の強い東海岸の州で、夫々数百人の反トランプデモが行われた:我々の大統領ではない!と。カリフォルニアのオークランドでは、トランプの人型が燃やされ、「オークランド・トリビューン」紙の窓ガラスが割られ、タイヤに火がつけられた。

・イタリアのソーシャルメディアでは、「やっとベルルスコーニを恥じることがなくなった。」とツイートが回った。

付けは、イギリスのEU脱退と同様、トランプを選んだ層にゆくのでは?

Unknown (mof)
2016-11-11 05:21:07
追加

今日のスイスのノイエ・チューリヒャーのデジタル版には、

「これほどの無知がこのような結果を可能にするということは怖ろしいことだ。が、専門家を無力化するインターネットの台頭を見れば、それは自明である。」

とありました。
トランプあれこれ (花崎)
2016-11-11 09:45:50
MOFさま
ヨーロッパの見方をご紹介くださり有難うございました。「ベルルスコーニを恥じることがなくなった」というイタリアのソーシャルメディアの一言に、わらっている場合ではないのですが、つい笑ってしまいました。米国でも「これでうちのジョージを恥じることがなくなった」と、ブッシュ・ジュニアの周辺で言っていることでしょう。

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