詩はここにある(櫻井洋司の観劇日記)

日々、観た舞台の感想。ときにはエッセイなども。

谷内修三著『詩人が読み解く自民党憲法案の大事なポイント』を読んで

2017-07-14 23:36:25 | 日記
この歳になるまで「日本国憲法」を読んだことがなかった。もちろん「自民党憲法改正案」も読んでもいない。大多数の日本人は「日本国憲法」を読まないまま歴史の大転換期を迎えてしまうに違いない。詩人の谷内修三さんが書いた『詩人が読み解く自民党憲法案の大事なポイント』には、「日本国憲法」と「自民党憲法改正案」の全文が掲載されている。比較しながら「日本国憲法」と「自民党憲法改正案」を初めて読んだ。最初の印象は、「あまり変わっていないんじゃないかな」、「ほぼ同じことを言っているのではないかな」というものだった。

言葉に独特のこだわりを持った谷内修三さんは、詩人ならではの言語感覚で「日本国憲法」と「自民党憲法改正案」を読み解いていく。憲法に精通した学者ではなく法律の専門家でもない。研ぎ澄まされた言葉への感覚だけが武器となる。まさに徒手空拳。知ったかぶりはしない。知らない、興味のないことは正直に書く。そして「自民党憲法改正案」いかに為政者にとって都合のよいものに書き換えられてしまったのかを「主語」は何か、「テーマ」は何かといった法律の素人でも共感しやすく、分かりやすい表現で、その欺瞞を次々にあばいていく。


安倍晋三・自民党総裁は「日本国憲法」次のようにを話した。

日本国憲法の前文には「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」と書いてある。
つまり、自分たちの安全を世界に任せますよと言っている。そして「専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う」(と書いてある)。

自分たちが専制や隷従、圧迫と偏狭をなくそうと考えているわけではない。いじましいんですね。みっともない憲法ですよ、はっきり言って。それは、日本人が作ったんじゃないですからね。
そんな憲法を持っている以上、外務省も、自分たちが発言するのを憲法上義務づけられていないんだから、国際社会に任せるんだから、精神がそうなってしまっているんですね。
そこから変えていくっていうことが、私は大切だと思う。

歴史上、一番みっともなく、いじましい首相の言葉である。谷内さんは、『前文の主語は一貫して「日本国民」である。「主権者」である。安倍首相は、このことをまったく理解していない。ほんとうに憲法を読んだのかどうか、疑問を感じてしまう』とまで書いている。
安倍首相は「主権」が国民にあると考えていないことでもある。「主権」は政府にあり、と考えていることでもある。と読み解く。その切っ先は常に鋭い。先の大戦の反省の上に書かれた「日本国憲法」を誇りに思うことはあっても「みっともない」などとは言いがかりであると理解できる。

全編にわたり鋭い詩人の目が「自民党憲法案」の危うさを見抜いていく。凡人では気が付かないような罠がいくつも仕掛けられているのを知って愕然とした。本当に恐ろしい国へと日本は舵を切ろうとしている。もはや国民の3割しか支持していない首相のもとで急速に。いつでも目を開けて真実を見る人間にならなければと思う。これが書かれた2016年より、事態は急速に変化し、息苦しい日本に変わってしまったからだ。憲法第9条だけではない部分で、平和を求める市井の人々が自由を失いつつある。闘え、目覚めよと作者は敢然と反旗を翻している。続かなければならない。
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