詩はここにある(櫻井洋司の観劇日記)

日々、観た舞台の感想。ときにはエッセイなども。

とことんこだわれ

2017-06-30 19:44:17 | 日記
今日はホテルのバーベキューの初日です。ワンシーズンで1万人近く動員するホテル日航成田、夏の最大のイベントです。21年前、それまでのビアガーデンのようなオーダー制のバーべキューを止めて、セルフサービスで食べ放題&飲み放題のバーベキューを始めたのでした。

当時のK社長は、JALの広報にいた人物で、フジテレビの世界をまたにかけるクイズ番組を立ち上げたアイディアマンでした。
「おい、櫻井。俺はここを南フランスのリゾートホテルみたいにしたいんだ」と緑の柱に上品な赤いテントのある花いっぱいのホテルの中庭の写真集をみせられました。
「えっ、これを成田に再現するのですか?」なんて途方もないことをこの人は言うのだろうと半分あきれながら施設部の部長と顔を見合わせました。

それから毎日のようにジョイフル本田というホームセンターへでかけては、ああでもないこうでもないとK社長のわがままとしか思えないような無理難題をなんとか実現しようと奮闘が続きました。開店直前になって一旦決まっていた店の名前も南仏風ではないと却下。印刷した6000枚のチラシは全部廃棄して、「ジャルダンセリーナ」という名前が決まり、ロゴから作り直し。本当に泣きたかった。施設部の部長は写真集にあったランプを再現するべく、毎日夜なべ仕事でブリキを切り貼りして20個以上も手作りしました。確かテントの色は2度塗り直したと思います。本音は、そこまでやらなくてもとずっと思っていたのです。K社長のこだわりがなければ、頑張らないで適当にやっていたかもしれません。

こだわりにこだわりぬいたバーベキューの会場は、本当に南フランスのリゾートホテルを再現しました。緑の芝生、白いバーベキューテーブル、上品な赤いテントに囲まれた空間は最高でした。何かをやり遂げようとするには妥協は禁物。とことんこだわらなければ何も生まれないのだと学んだのでした。でも、実現しなかったことも。「同伴コンクール」は銀座のクラブじゃないのでやりませんでした。

周辺のホテルも翌シーズンから一斉に食べ放題&飲み放題のバーベキューを始めて一気に成田空港はバーベキューの激戦地になりました。そして20年が経過し、当初のコンセプトは見事に崩れ去り、貧乏くさい海の家みたいな雰囲気になってしまって。K社長のようなこだわりを持った人物がいなくなると安易な方向に人間は流されるということも知りました。

昨年からは、外部からディレクションをしてくれる人をお願いして「BBQ&BEER CAMP」。今年は「BBQ×BEER LAND」というテーマを設けて会場やメニュー、ユニフォームを刷新。21年前の感動がよみがえりつつあります。来場されたお客様の満足そうな笑顔はあの時と同じです。
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