はんどろやノート

ラクガキでもしますか。

終盤探検隊 part87 ≪亜空間 最終戦争…の前≫

2016年12月18日 | しょうぎ
 「先手の勝ち筋」の発見が、我々の、終盤探検隊の目的である。
 しかし「必ず答えが一つある」と御約束の詰将棋とは違って、この場合は答えが存在しないかもしれない。それが現実というものの冷徹さで、それがもたらす虚無感と闘いつつ、前進しなければならない。
 「勝ちがある」と信じて―――。

 ところで、我々は、この《亜空間戦争》の“姿の見えない敵”のことを、「主(ぬし)」と呼ぶことに決めた。


    [東中学出身、涼宮ハルヒ]
 ここまでは普通だった。真後ろの席を身体をよじって見るのもおっくうなので俺は前を向いたまま、その涼やかな声を聞いた。
「ただの人間に興味はありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上」
 さすがに振り向いたね。
 長くて真っ直ぐな黒い髪にカチューシャをつけて、クラス全員の視線を傲然と受け止める顔は、この上なく整った目鼻立ち、医師の強そうな大きくて黒い目を異常に長いまつげが縁取り、淡桃色(うすももいろ)の唇を固く引き結んだ女。
                                  (谷川流著『涼宮ハルヒの憂鬱』より)


 このSF小説は、中高生が読むときっと面白いだろうし、大人が読んでも、中高生の時のような気持ちで読めば、面白く読めるだろう。
 涼宮ハルヒという高校一年生の少女が、「宇宙人」、「未来人」、「異世界人」、「超能力者」と自分は友達になりたい、と願って、そうしたらいつのまにか望みどおりになっていたのだが、本人はまったく気づいておらず―――という設定。彼女は実は“世界(宇宙)の中心”で、彼女が望むことはすべて現実となるのだった。彼女がそう望めば、宇宙さえも消滅してしまう…。宇宙人や未来人は、その“中心”を見張るために、彼女に気づかれないよう、高校一年生の平凡な男女の姿の使者を送りこんでいるのだった。たとえば「宇宙人」は、地味で読書好きの女子だが、実は“宇宙の情報統合思念体から派遣された対人間用インターフェイス”なのであった。
 かれらは、涼宮ハルヒのきまぐれによってこの宇宙が消滅させられてはかなわん、と見張っているというわけだ。
 このばかばかしい設定が面白く、そしてSF的な描写が迫力があるので、最後まで一気に読者を運んでしまう。(この涼宮ハルヒのシリーズは二作目以降はその“迫力”はなくなって「おもしろ学園もの」になっていくが、それはまあそういうもので、しかたがない)

 “涼宮ハルヒ”という存在は、“遊びの中心点”ではないだろうか。
 
 昔、少年漫画で「ケンカもの」が流行った時代があった。そのころは漫画の中だけでなく、現実世界で、子供たちの間で、「親分(ボス)と子分」という関係づくりが流行った。おそらく全国には数えきれないほどの子供の「親分」と「子分」がいたはずである。その「現実」のほうが先にあり、漫画はそれを反映していたにすぎない。
 あれは後にして思えば、「親分(ボス)」を中心とした遊び集団づくり、という遊びだった。現実の小学生の中で「親分(ボス)」になるのは、漫画のように決してケンカが強い、乱暴者とは限らなかった。「親分」は、勝ち取るものではなく、自然発生的に選ばれるものだった。なんとなく、子供たちは遊びの中心となる「親分」を求め、それにいちばんふさわしいと思われる人物をそこに坐らせた。
 子供が10人も集まると、何をして遊ぶか、意見がまとまらなくなる。しかしいったん「親分」が「かくれんぼをやろう」と決めたら、もうだれも異論を言わない。「親分」がそういったのだから、それは正しいのである。「かくれんぼなどつまらない」と思っていた者も、いったんやると決まったなら、楽しまなきゃ損だ。それなら、かくれんぼをより楽しくするアイデアはないかと考え、それを「親分」に提案する。「それはいい考えだ」と「親分」が採用してくれるとうれしくなって、もっといいアイデアを出そうとまた考える。
 そうやってかくれんぼを始めてみたら、「かくれんぼってこんなに楽しかったか」と思うほどに夢中になって遊んだ。やっぱりこの「親分」といると楽しい―――。
 遊びがハチャメチャになり、最初は楽しかったのが、いつの間にか「悲しい」ものになりそうになった時、いちはやく察して「親分」が言う。「やめだ」。「親分」は正しく導き、その遊びを終了させる。親分は冒険の旅(あそび)に出た船の進路を決定する重要な船長なのである。
 「親分」という“遊びの中心点”をつくって、子供たちはダイナミックな「遊び空間」を創りだしていたのだ。


≪夏への扉図≫
  【あ】5八同金  → 形勢不明
  【い】3三歩   
  【う】7三歩成  → 後手良し
  【え】9一竜   → 後手良し
  【お】6五歩   → 後手良し

 我々――終盤探検隊――はこの図から「先手の勝ち筋」を見つけたい。それが我々の闘い――≪亜空間戦争≫――である。
 これから進む道は、【い】3三歩である。
 3三歩、同銀、3四歩、同銀、と進む(次の図)


≪3四同銀図≫
 ここで[]7三歩成と、[]9一竜が先手の候補手となる。
 今回は、[A]7三歩成の道を進む。 そしてこれを、『白波作戦Ⅲ』とする。
 “Ⅲ”なのは、ⅠおよびⅡがあるからで、それはすでに検討結果が出ている。

白波作戦Ⅰ
 『白波作戦Ⅰ』は、後手「3二銀型」に対する「7三歩成」である。
 これは「後手良し」が結論。

白波作戦Ⅱ
 『白波作戦Ⅱ』は、後手「3二銀3三桂型」に対する「7三歩成」。
 これは3三桂と桂をはねた形が後手に不利に働き、「先手良し」になると前回レポートで確定している。

≪7三歩成図≫
 そして後手「3四銀型」に対しての「7三歩成」が、『白波作戦Ⅲ』。 
 この図から「先手の勝ち筋」が発見できるかどうか、それが今回のテーマである。

 この「7三歩成」に、5九金、7四金という進行が予想される(次の図)

≪7四金図≫
 ここから、〔X〕7三銀、同金、6四銀、7四飛と進んで、次の図となる。
 その順が、ソフト「激指13」の示す最善手順だが、後手番のこの図では他にも有力手がある。
 〔Y〕7五歩、〔Z〕5五銀引である。
 そういう手もあるということをふまえて、〔X〕7三銀、同金、6四銀、7四飛(次の図)を本筋として、これからその道を進もう。

≪7四飛図≫
 図の「7四飛」に代えて、“7四金”もあるが、これは『白波作戦Ⅰ』(後手3二銀型)の時と同じく、8四桂(同金、同歩、同竜、7二桂)で、“後手良し”。
 よって、先手は「7四飛」と打って、この手に期待をかけた。
 『白波作戦Ⅰ』の時は、この「7四飛」に対しては、7五歩、8五玉、9四金、同飛以下、これも“後手良し”になったが―――

7四飛図1(7五歩の変化)
 後手「3四銀型」の場合は、同様に進んで、結果が逆になる。
 この図から、後手7三銀として“後手良し”というのが3二銀型の『白波作戦Ⅰ』であったが、この場合はこの図を見てもらうとわかるが、7三銀には、“3四飛”がある。この手が後手玉への“詰めろ”にもなっており、“先手良し”である。

 そういうわけで≪7四飛図≫で、(1)7五歩はこの場合は“先手良し”だが、(2)5五銀引はどうなるか。

7四飛図2(5五銀引の変化)
 (2)5五銀引には、5三歩(図)がある。この変化も、「3二銀型」と「3四銀型」の違いがはっきりと出て、「3四銀型」のために先手有利に働く場合が多い。それをこれから確認していく。
 図で、後手の最善手はおそらく〈マ〉8四桂と我々は考える。
 
 他の手――たとえば〈ミ〉7五歩や〈ム〉6二桂という手――も有力ではあるが、先手の5二歩成が後手玉への“詰めろ”になるので、後手のの攻めは届かない。
 具体的にその“詰み”を見てもらうために、〈ム〉6二桂(次の図)以下の手順を確認しておこう。

 7四飛図3
 先手7四飛、5五銀引、5三歩に、〈ム〉6二桂と打ったところ。
 これがなかなかの手で、先手同金なら、同金で、それは後手良しとなる。だからここで5二歩成が後手玉への“詰めろ”になっていなければ、後手勝ちになるところだった。
 ところが、この図から5二歩成、7四桂、4四角(次の図)と進んで―――

7四飛図4
 後手玉は“詰み”。 4四同歩(同銀)に、3一銀、同玉、5一竜以下。

7四飛図5
 「7四飛図2」まで戻って、7四飛、5五銀引、5三歩に、〈マ〉8四桂が後手の最有力手と考えられる。以下、8五玉(8六玉は7三銀、同飛成、8四金と進み後手良し)、9四金、8六玉、7三銀、同飛成となって、この図である。
 後手は先手5二歩成の前に先手玉を追いつめなければいけないが、ここでは7四歩、同竜、6二桂という手段がある。その6二桂に、先手は6五竜とするのが良い。5五の銀取りになっている。
 そこで6七と(同竜なら6六歩で後手良し)には、先手9六歩(次の図) 

7四飛図6
 後手は攻め続ける。8五金打、同竜、同金、同玉、6五飛、7五歩、6四銀、5二歩成。
 先手待望の“5二歩成”がここで入った。
 こうなると後手はもう先手玉を詰めるしかないが…
 7五飛、8六玉、7六飛、9七玉、8八玉、7六桂、8九玉(次の図)

7四飛図7
 詰まない。 よって、先手の勝ち。

7四飛図8
 今の手順の、7四歩に代えて、6六銀(図)ならどうだろう?
 ここでも9六歩が良い。以下、後手7五桂が“詰めろ”だが、7六銀と受ける手があり、どうやらこれで受かっている。
 以下、7六同桂、同玉、5五金(6五玉と逃がしては後手いけない)、8六玉、8四銀、5二歩成(次の図)   

7四飛図9
 やはり5二歩成が入り、先手が勝ちになった。
 図で7三銀(竜を取る)に、4四角から後手玉は“詰み”。

7四飛図10(8四桂の変化)
 (1)7五歩も、(2)5五銀引も“先手良し”になった。
 それでは第3の手、(3)8四桂(図)はどうだろうか。(似たような図をすでに検討したが、上で検討したのは5五銀引、5三歩、8四桂という展開で、違いに注意)
 この(3)8四桂には、8五玉と逃げる。(8六玉と逃げるのは7五金で後手良し。8五玉に7五金には同飛、同銀、7四玉で入玉できる)
 8四桂、8五玉、9四金、8六玉、7三銀、同飛成、7四歩、同竜、6二桂、7一竜行(次の図)

7四飛図11
 この場合は、先ほどのケースと違い、5三歩がまだ入っていない。よって、7一竜と入り、次に3一角(同玉なら5一竜以下詰み)からの寄せを狙う。
 図から、7四歩(詰めろ)に、3一角、3三玉、1一角、2四玉、6五銀、3五玉、9六歩、6六歩、6四角成(次の図) 

7四飛図12
 先手の攻めの方が早い。 6七歩成には、5三歩で先手良し。
 先手優勢。

 これでどうやら「7四飛」以下、“先手良し”で確定か――――と思ったが、そうではなかった。

7四飛図13(後手8五金の変化)
 いまの手順の途中、7四歩のところを代えて、8五金打(図)が、どうやら後手の最有力手段。(あまりに“俗手”だし、ソフト「激指」もこの手を第3候補手としていたため、この手の調査が遅れた)
 図以下の手順は、7七玉、7六金、同竜、同桂、6六角(次の図)

7四飛図14   
 後手に飛車を持たれていると、先手玉はもう相当に危ない。図の6六角が攻防の手。
 以下、5五桂、7六玉、7八飛、7七歩、6七と、7五角(次の図)

7四飛図15
 7五角(図)は、次に3一銀を狙っている。
 7七飛成、6五玉、6六と、6四玉、8五金、7三玉、7五竜、8二玉、6四角、7三歩、同角、7一玉、6四角、7二金(次の図)

7四飛図16
 「角」を犠牲に、先手玉はついに“入玉”を果たした。
 この図の形勢判断ははっきりせず、「互角」と評価するしかなさそうだ。
 先手は駒数が少ないので、もし“相入玉”になった場合、点数では優位には立てそうになく、ここから小駒を10枚くらい取って、やっと“持将棋引き分け”になる。その点では少し先手に分が悪い。
 しかし先手玉はすでに入玉を果たしており、後手がここから入玉するのはそう容易というわけでもない。後手は持駒が歩しかなく、先手の勝機も十分にある図である。
 ソフト「激指13」の評価値は[ -157 互角 ]

 そういうわけで、≪7四飛図≫以下の評価は「互角」(形勢不明)、を結論とする。

 先手が勝ちまではいかなかったが、「互角」の結論を得たのは、我々(終盤探検隊)としては、大きな収穫である。
 しかし…、まだ、問題が残っている。後手にはまだ、“有力な選択肢”が残っているからである。


≪7四金図≫(再掲)
 さてこの図は、いま探査してきた≪7四飛図≫の、4手前の図。(ここから〔X〕7三銀、同金、6四銀、7四飛で≪7四飛図≫になる)
 後手の“有力な選択肢”というのがこの図での、〔Y〕7五歩、および〔Z〕5五銀引である。
 以下、〔Y〕7五歩についてまず簡単に触れ、〔Z〕5五銀引について詳しく説明したいと思う。

後手7五歩図1
 ここで〔Y〕7五歩と打つ。
 これには8六玉と逃げるが、以下、9四歩、9六歩、9三桂(次の図)

後手7五歩図2
 後手の9四歩~9三桂が好着想。次に後手に7六金と打たれてはいけないので、ここで先手7七歩だが、それには7六歩(次の図)

後手7五歩図3
 後手の持ち駒は「金桂」で、先手の持ち駒は「飛角角」。 先手にも可能性のある図とも思えるが、ソフト「激指13」の評価は[ -570 後手有利 ]で、後手寄りに傾いている。
 図以下を調べてみると、先手良しになるケースも多く出てくるのだが、ここで先手最有力とみられる8三竜には、後手8五歩、9七玉、6七ととし、以下、7六歩、6五銀、7五金、6六銀という展開で、“先手苦しい”というのが今のところのこの図への我々の評価になっている。


後手5五銀引図1
 そして〔Z〕5五銀引(図)だが、結論から先に言えば、どうもこの〔Z〕5五銀引によって“後手良し”というのが我々の出した結論である。残念ながら、これを打ち破る道を発見できていない。(「激指13」はこの図を、[ -96 互角 ]と評価)
 ここで(ヤ)3二歩という鋭い手もあるが、4二銀と応じられて、その後に良い手段がない。
 (ユ)6五歩もある。以下、7五歩、8六玉、6五銀…、あるいは先手の勝ち筋がそこに潜んでいるかもしれないが、我々の調査では見つけることはできていない。

 ここでは、終盤探検隊は、先手の最有力手は(ヨ)8三竜だと判断し、その手を以下調査していくこととする。

後手5五銀引図2
 (ヨ)8三竜、7一桂、3三歩、3一歩、8二竜、8四歩(次の図)
 「3三歩、3一歩」の交換はだいたい後でも入る場合が多いが、早めに打っておくことで後手に一歩多く歩を使わせた。 
 
後手5五銀引図3
  ここで、<p>8四同竜と、<q>8六歩が有力手。
 <p>8四同竜、8三歩、同と、6二桂(次の図)

後手5五銀引図4
 ここでの後手6二桂(図)が好手。
 続いて、7三と、7四桂、同と、8三歩、8五竜(次の図)

後手5五銀引図5
 こうした変化の時、後手に余分に手段をあたえないよう後手を歩切れにさせた。
 先手は飛車角四枚を持ち、後手は金銀八枚を持っているという凄い戦いだ。どちらが勝つか。
 5六と、2六桂、6六と、8六玉、2五銀、3七飛(次の図)

後手5五銀引図6
 後手に5六と~6六とと、じわっと攻められて、先手は3七飛(図)が攻防の手。3七に打ったのは受けの意味で、3五飛や3九飛では、7六金と打たれ、同竜、同と、同玉、6五銀、同玉、6六金、7五玉、7七飛という攻めで先手玉が寄ってしまう。この3七飛はその最後の7七飛を打たせないための受けだ。そして金が入れば3二金と打って後手玉を詰ますことができるが…
 4二金、8二角、9四金(次の図)

後手5五銀引図7
 ここで9四金と、後手はいつでもあった“切り札”をここで出す。
 5五竜、7六金、9六玉、5五銀、3二歩成、同歩、5五角成、3三歩、7三角、2六銀(次の図)

後手5五銀引図8
 2六の桂を取って、後手は次に8四桂と打つつもり。 この図は、先手と後手の玉の安全度に差がありすぎる。

 こんな感じで、<p>8四同竜以下はどうも先手勝てない。

後手5五銀引図9
 竜を引くと、後手玉への攻め味が弱くなってしまう。では、<q>8六歩(図)とするのはどうか。竜は8二に置いて、攻めに使うつもり。
 後手は5六と。
 そこで先手の候補手は、〔a〕6七歩と、〔b〕8四金。

 まず〔a〕6七歩。 
 これは後手の6六とを防いだ手なのだが、6七同とと取られる手が先手にとって一番困る手になる。(同玉は6五銀で先手が悪い)
 以下、8四金に、9四歩(次の図)

後手5五銀引図10
 この9四歩が、どうやら後手の好手になっている。(この9四歩に代えて7五金なら6七玉で先手良し)
 先手は“あわよくば入玉”と目論んでいるのだが、この9四歩でそれを防がれる。もしここで先手8五玉なら、そこで7五金と打って、9六玉、9五歩、8七玉、6六銀で後手良し。
 図以下の進行例は、7四金、8四歩、同竜、7二歩(同とは8三歩)、8三と、6六と、8五玉、6五銀、7五金、8三桂、同竜、6四銀引(次の図)

後手5五銀引図11
 結局、この変化も、先手は攻められっぱなしで捕まってしまうことになった。
 先手負け。

後手5五銀引図12  8四金
 戻って、後手5六とに、〔b〕8四金。
 以下、予想手順は、7五金、8七玉、6六と、4一角(次の図)

後手5五銀引図13
 先手はもう入玉はきっぱりあきらめ、“9八玉”と引いて闘う覚悟を決め、4一角(図)で勝負。このほうが、可能性はありそうだ。
 図以下は、7六と、9八玉、3三桂、5二角成、同歩、同飛成、3二桂、4一飛、1四歩(次の図)

後手5五銀引図14
 1一角、1三玉、3一飛成、8七角(次の図)

後手5五銀引図15
 以下、8九玉に、8八歩、同玉、6九角成となって、残念ながら、先手が一手負けになっている。
 後手玉は3三角成の一手が入れば必至なのだが…、先手玉への“詰めろ”がほどけない。

後手5五銀引図16
 戻って、5二角成と攻める前に、7七歩(図)と工夫する。
 同とに、7八とと打って―――これを同となら―――(次の図)

後手5五銀引図17
 3二歩(図)で先手勝ちになる。
 これを同歩なら、5二角成、同歩に、2一金、同玉、7一竜以下の詰みがある。
 したがって3二歩には4二銀だが、それには6二とで先手が勝てる。

後手5五銀引図18
 それなら―――ということで、7七歩、同と、7八歩に、7六ととした場合。
 この場合は、5二角成以下、上で書いた手順で攻めていくと、この図になるが、この場合だと逆に“先手良し”になっている。今度は後手の8七角~6九角成がないので、先手玉に詰めろをかける手がないから、3三角成のほうが早くなっているのだ。

 それなら、これで“先手勝ち”なのか―――?

後手5五銀引図19
 いや、残念ながらそうはならなかった。
 7七歩には、後手6六銀(図)で、後手優勢だ。以下、7六歩、同金で、次に7七銀成が“詰めろ”になる。それを7八歩と防いでも、7七歩と合わせられ、先手勝てない。先手は飛角しか受け駒がないし、後手は6、7、8筋に歩が使えるので、どうにもならない。
 
 結論。5五銀引に(ヨ)8三竜、は、先手勝ちがない。


[今回のまとめ]

≪7三歩成図≫(再掲)
 この図、7三歩成以下(白波作戦Ⅲ)を調べてきた。
 以下、5九金、7四金と進んで―――

≪7四金図≫(再掲)
 この図になるが、ここから〔X〕7三銀、同金、6四銀、7四飛なら、「互角」の勝負。
 しかし、〔Y〕7五歩、または〔Z〕5五銀引で、先手自信なしが終盤探検隊の結論である。ここで手の選択権利が後手にあるのが、先手にとって痛いところだ。

 『白波作戦Ⅲ』は不発。


 「先手の勝ち筋」は、いまだ発見できていない。



                       『終盤探検隊 part88』につづく
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