はんどろやノート

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百折不撓

2008年09月30日 | しょうぎ
 羽生善治・木村一基の両者による王座戦第3局が行われています。
 羽生さんが勝てば、なんと王座戦17連覇(!)となります。
 相矢倉の戦いは、羽生の攻め、木村の受けで開戦、午後9時すぎの現在、羽生さんの攻めが息切れし木村が反撃、しかしその後もつれ…という展開。さあ、どうなるか。


 ところで、先週のA級順位戦の対局、佐藤康光・木村一基戦は面白かった。凄かった。 
 朝始まった対局が深夜2時までもつれ、持将棋(引き分け)。指しなおしで、終わったのが朝の6時すぎ。(さすがに僕も、全部は張り付いて観戦することは無理でした。)
 結果は、木村八段の勝ち。 この二人の将棋は熱いなあと思わせる内容でした。


 前年度の順位戦最終局(今年三月)でもこのふたり(佐藤・木村)は対戦しました。このたたかいもアツかった! 佐藤康光は負けたら降級というピンチでした。木村一基は「和服」を着てこの対局に臨みました。名人挑戦者は羽生に決定していたし、木村の残留はすでに確定していましたが、5連勝のあと3連敗という星の木村は、いいかんじでこのシーズンを終わりたかったのだと思います。「和服」は気合のしるしです。
 大熱戦になりました。この模様はNHK衛星放送で中継されて、緊迫した熱気の中でヨミを続ける両者の表情が感動を呼んだらしい。(僕はTV観ていないのですが、ネット中継を追っていました。) そして佐藤康光が勝ちました。佐藤はギリギリA級に残留しました。

 「和服の木村一基」は敗れた。
  …なぜか、「和服」で対局すると木村勝てない。


 数ヶ月前、NHK将棋トーナメント戦、木村一基八段・村中秀史四段戦が放映された。
 木村一基は「和服」で登場した。
 この対局はタイトル戦でもないし1回戦だし相手は四段…。ここでなぜ木村は「和服」なのか? …それはわからないが、想像するに「和服で勝てない」という妙なながれを、木村はここで断ち切りたかったのではないだろうか。
 将棋は村中四段が若々しく攻めた。木村は堂々対応した。「受け」は得意の木村だ。観ていた僕は、木村さん受けきった、村中さんの攻めは切れた、そう思った。実際、その攻めを続けるのは難しかったと思う。ところが、村中さんは切れそうな攻めをうまくつなげた。木村さんの油断もあったのかもしれない。村中さんがそのまま攻め切って、A級棋士からみごと金星を挙げた。

 またしても、またしても、「和服の木村一基」は敗れたのだった。
 なぜか「和服」で勝てない木村一基。


 僕は統計のマニアではないので、正確なところはわからないが、木村一基が「和服で勝つ」ところを一度も見たことがない。

 
 3年前、2005年度の竜王戦は、渡辺明に木村一基が挑戦した。木村一基のタイトル戦初登場であった。勝率7割の木村の成績は、そのまま竜王になったとしてもだれもふしぎには思わないものがあった。だが、内容は充実していたが、木村は終盤で渡辺にせり負け、0-4で渡辺明の圧勝という結果に終わった。タイトル戦だから、木村八段はこの時もちろん「和服」着用である。「和服の木村一基」はこのとき一番も勝てなかったわけだ。この時から、木村の「和服の苦悩」ははじまった…。



 そして今年の竜王戦の挑戦者決定戦三番勝負。 
 ご存知のとおり、2-1で羽生善治が木村一基に勝って挑戦者となったが、木村もここは1勝している。ところがこれはタイトル戦ではないということもあって、木村は「和服」を着用していない。「スーツにネクタイ」で1勝だ。


 そして羽生-木村の王座戦。
 木村は「和服」で臨んだが、第1、2局とも、羽生の勝ち。これで羽生善治は王座戦の対局12連勝である。
 木村一基は、タイトル戦で勝った経験がまだ、ない。 嗚呼、「和服の木村一基」は勝てないのか。

 「百折不撓」と木村八段は色紙に書いたそうです。100回折れても…。



 さて、対局中の王座戦第3局はどうなった?
 …まだ続いています。  160手を越えました。   →結果はこちらで。



◇倉敷藤花戦 挑戦者決定トーナメント決勝
   里見香奈○ - ●甲斐智美
  里見香奈、挑戦者に! (倉敷藤花位は清水市代)
  最終盤の大逆転だったようです。いよいよ里見香奈(16歳)がタイトル戦に登場ですね。 


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