はんどろやノート

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fineな秋の一日

2006年10月15日 | しょうぎ
 今日はいい天気でした。
 午後2時に起床(笑)。 今朝届いた「週間将棋新聞」をもって駅前のコーヒーショップへ行き、コーヒーを飲みながら読む。先日の竜王戦やイトダニ君の新人王戦優勝のことなどが載っている。
 その中で、じーんとこころに響いた文章がある。今日はそのことを書こう。(最近、将棋のことをたっぷり書いたので、べつのことを書く予定でいたのだが。)
 その文章というのは、早水千紗女流二段が書いた自戦記だ。(自戦記というのは自分が戦った将棋を自分で解説する文章のことです。) 早水は成績も顔も地味な印象で、彼女に関しての記事を読んだ記憶はほとんどない。だけれども、この今日読んだ彼女の自戦記で、ぼくの中で早水千紗のイメージは大幅アップだ。
 すなおな、敬愛に満ちた文章だなあ、とおもった。先輩や後輩や師匠を「敬う」きもちがさらりと書かれている。(「敬う」というと、堅苦しくて、マッコウくさい感じがするが、かといって「リスペクト」なんて言葉もどうかと思うので、あえて「敬う」と書くことにした。)
 それはこんな内容です。

 はじめに熊倉紫野(育成会員・女流プロのタマゴ)との対局のこと。「育成会員の後輩には負けられない!」と気負って対局場に入っていったら、熊倉さんはほんわかムードでパンをかじっていて「よかったらひとつどうぞ!」と相手のペースに乗せられたというエピソード。(でもその試合は早水勝ち)
 そしてメインは、先輩女流棋士・千葉涼子との対局。千葉涼子は「女流王将」タイトルをもっている。早水さんにとっては2コ上の先輩で、強い。その千葉さんが小学校4年生のときに将棋大会で、おとなの男性に質問されてしっかり答えているのを見て、小学校2年生の早水千紗は「わたしもあんなふうになりたい」と思ったというのだ。
 そんな敬愛する先輩とおとなになって対局する、そしてその自戦記を書く。その喜びが文章の奥からじわっと伝わってくる。
 その対局、千葉・早水戦は千葉が(実力どうりに)勝ち。「この将棋は勝てそうにない」とわかっていても最後までしっかりと指す意味を、早水は、彼女なりに書いている。
 そして最後は、先日亡くなった彼女の師匠・高柳敏夫さんとのエピソードを書いて感謝の気持ちを表している。
 この早水千紗の自戦記は、「ひと」と「自分のえらんだ職業」への敬愛がみちている。ひとのもつ良さをすなおに「敬う」ことのできるひとは、それをしっかり吸収できるちからを持っているだろう。そしてこの文章にはまったく飾り気がない。
 いい天気の日に、いい文章を読んだ。

 ところで、今日は大阪で佐藤ヤスミツが森内名人をぶっとばしたそうである。ヤスミツ君、強いなあ(羽生以外には)。


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