はんどろやノート

ラクガキでもしますか。

5・13詰将棋 解答

2009年05月23日 | つめしょうぎ
                持駒: なし


 山羊の雪ちゃんはハイジのお爺さんにこう言われました。「クララのからだのために崖の下の薬草を食べておいで。いいお乳がでるようにな。」 
 雪ちゃんは、「めんどうだな」とおもいました。雪ちゃんだって自分の事情というものがあるんです。 でも、あれこれ言い訳しても、雪ちゃんの気持ちはどうにも伝わりそうな気がしません。‘わかりあう’というのは、そんなに簡単なことではないのです。
 なので、「しょうがないか、行ってこよう」と、山羊の雪ちゃんは薬草を採りに行くことにしました。妥協ってやつです。 (ようするに雪ちゃんは、頼まれると断れない性格のようです。)
 さあ、出発。天気も良し。 ――ハイジはクララと家の中で遊んでいます。 のんきでいいね、と雪ちゃんはおもいました。 天気がよいからといって、気がゆるんではいけません。崖を踏みはずすと、アルプスの谷底に転落して死んでしまいますから。
                   (なんじゃこりゃ)


 さて(そんなことより)詰将棋を解きましょう。

 2二歩成から飛車をごういんに取るのは詰みそうにありません。
 それでは、3一と?  (正解です!)
 3一同玉に、5三馬。  (それは、不正解。 そのあと、手がありません。)
 どうやら4三の香が「じゃま駒」のようだ。  (正解!)

 というわけで――


 3一と、同玉、4一香成、…





 2一玉、3一成香、同玉、5三角成、2一玉、4三馬、3一玉、…

 


 5三馬、2一玉、4三馬、3一玉、5三馬、2一玉、4三馬、3一玉 … 
 あれ? これじゃあ、千回やっても詰まないぞ。
 実は盤上5四、6五の香桂も「じゃま駒」なのでした。
 では、消してしまいましょう。


 4一と、同玉、5三桂不成、…






 この5三桂不成のところで、先に5一香成としないように注意。そうすると詰みません。
 桂から先に、「じゃま駒消去」です。


 3一玉、4一桂成、同玉、5一香成、3一玉、…





 さて、それでは、薬草(桂馬)を取りに行きますか。
 どうやって?
 「馬ノコ」を使ってください。 えっ、「ウマノコ」って何かって? まあやってみればわかります。


 5三馬、2一玉、5四馬、…




 うんしょ、うんしょ、うんしょ。 
  …まだかいな?  ( ←まだ始めたばかりじゃん! )


 3一玉、6四馬、2一玉、6五馬、 …




 ふうっ。
 ゆっくりギコギコと崖を下っていきます。これが秘技「馬ノコ」です。(まあ誰でも出来るんですけどね。)
 敵の飛車の正面を素通りするのが、快感です。

 3一玉、7五馬、2一玉、7六馬、3一玉 …





 やった!!  ついに待望の「桂馬」が駒台に!

 でも、このあとは?  桂一枚で、詰むのか?
 ――詰むんです。 ここから5手詰め。  (←4三桂と打っちゃだめよ)


 2二歩成、同飛、2三桂、…





 おお! 詰んだ! 


 2三同飛、3二馬、まで35手詰め。


 最後の手は3二銀成でも正解。 ただし、こういう場合、強いほうの駒で詰めるのが相手(玉)にたいするマナーとされています。



   詰め上がり図



 こうして雪ちゃんは薬草をたべることができて、クララの健康はよくなったし、ハイジも機嫌がいいし、雪ちゃんは、まあよかったかな、と思いました。いやいややった仕事でも、それなりの満足感は得られるものなんだな。
 さあ、(ほんとうの)仕事です!
 彼女には(アルプスを支配するという)秘めたる野望があったのです!
 山羊の一生はみじかいのです。時間を無駄にはできません…。 


 ヨハンナ・シュピーリ『アルプスの少女ハイジ』は、知らない人がいないほど有名な物語ですが、シュピーリはクララの脚が奇跡的になおる、というエピソードは、実はどうでもよかったのでした。映画やアニメ版では、それがメインエピソードになっていますが、小説はそうではありません。それが証拠に、シュピーリの原作では、クララがアルプスにやってきて「歩ける!」ようになるまで、わずか30ページほどのあっさりした展開になっています。これは全体の10分の1にすぎません。
 真の主役は山羊の雪ちゃん。
 …って、それはウソ。 でも、クララの件はほんとうです。



     ☆      ☆      ☆      ☆

瀬川昌司四段が(遂に!)フリークラスを脱出!!
 C2クラスに昇級です!
 おめでとうございます!!!!!


 フリークラスというのは、順位戦最下層C2クラスの、さらに下ともいえるクラスで、ここには10年しか在籍できないという規則があります。ですから瀬川さんは、あと6、7年ほどで、このままだと(一定の好成績をあげないと)プロ棋士を引退しなければならない、というところだったのです。
 だから、「脱出」という表現になるのです。
 C2昇級を決めた対局の相手は、中座真七段でした。中座さんと瀬川さんは、かつて奨励会で戦った仲間でもあります。 後手番となった中座七段は(モチロン!)中座流8五飛でたたかい、瀬川四段はそれに打ち勝ったのでした。



◇名人戦
  羽生善治 2-2 郷田真隆

  先手羽生名人の相掛り「UFO銀」(この命名はだれだっけ? 島さん? 高橋さん?)に、後手の郷田九段が8五飛。(といっても中座流の8五飛とはちがう。あれは横歩取の戦法なので。) 郷田さんのかっこいいパンチが決まり、お互いに2勝2敗。

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