はんどろやノート

ラクガキでもしますか。

終盤探検隊 part90 ≪亜空間 最終戦争…の前≫

2016年12月26日 | しょうぎ
≪6六角図≫
 
 この図から後手5五銀引に、9三角成。そこで9四歩が後手の最強手だったが、終盤探検隊はついに“解”を得たのである。「3三歩、3一歩、4一飛」。(これを『黒雲作戦』とした)
 探求の結果、この道は、「勝利」へとつづく道であると我々は確信した。
 ずっと苦しい闘いだったが、ここにきてはじめて先手番を持つ我々終盤探検隊が敵に対して優位に立ったのだ。

 ところが―――我々が闘う相手、≪亜空間の主(ぬし)≫が、まだあきらめない。 時を巻き戻して、また“別の手”を繰り出してきたのだ。


    [超時空間]
「――人間が、三七世紀、はじめて亜空間航行を達成し、同時にはじめて、長年の宿願である時間旅行を達成した時、“超越者”のルールは、すでにそこにあった。われわれの旅行は、“超越者”の僕(しもべ)と名のる未来人たちによって、きびしく監視され、制限されてきた。」

果てしなき流れの果てには、なにがあるのか?
突然、アイは、上昇をはじめた。――滔々と流れ行く超時空間に、直交する方向へ向かって。
とまれ
階梯概念が指示した――だが、彼は、それにさからって、上昇をつづけた。     
                                  (小松左京著『果てしなき流れの果てに』より)



≪6六角図≫
 ≪亜空間戦争≫は、多重並行世界(パラレルワールド)の戦争なのだ。
 たとえ負けても、手をさかのぼってまた何度でもやりなおせる。
 ≪主(ぬし)≫は、この≪6六角図≫まで手を戻し、ここからまた戦おうと言っている。
 ≪主(ぬし)≫は、“3三歩”と、彼の見えない指で着手してきた。

≪3三歩図≫
 [炎]5五銀引  → 先手良し
 [灰]3三歩
 
 この後手が3三歩と打つ形は、後手の玉が閉所に閉じ込められたようなところもあり、直感的には、「先手に勝ちがある」と我々は感じていた。だが、直感ではそうであるのに、ソフトを駆使しても、なかなか“先手の正解”にたどり着けず、我々は少々焦った。そんなはずはない…、と。
 そうして、ようやく答えを見つけることに成功し、安堵した。答えは一つではなく、複数あるようだった。
 たとえばここで(G)7二飛と打つのもその答えの一つ。(7二飛以下は、6二歩、7三歩成、7五歩、8六玉、6七と、の手順が予想される)

 しかし我々が以下に紹介するのは、まず(H)9三角成とする手順である。

3三歩図01
 [灰]3三歩に、(H)9三角成。
 そこで後手の有力手は、〔1〕8四金と、〔2〕9四歩の2つがある。

 まず〔2〕9四歩(図)から。(この場合はこちらのほうが簡単なので)
 ここで先手は8二飛と打てばよい(次の図) 

3三歩図02
 この手は、3二金、同玉、5二飛成以下の“詰めろ”になっている。 なので後手は6二歩と受ける。
 そこで“8三飛成”とすれば、先手玉の8五玉からの“入玉”はもう遮る手段が後手になく、あっさり先手の優位が確定である。

3三歩図03
 そういうわけで、後手は先手(H)9三角成に、〔1〕8四金(図)が優る。
 この8四金には、今までも見てきたように、先手は8五金と道をこじ開けに行く。以下、7四歩、8四金、同歩、同馬と進む。そこで後手<a>8三歩(次の図) 

3三歩図04
 (先手6六角に)[炎]5五銀引のケースでは、ここで先手は8五玉(以下、8四歩、9四玉)しかなかった。(その時の分かれは「互角」だった)
 しかしこの場合は先手にここで「7四馬」の選択肢がある。[炎]5五銀引の時には7四馬には8四金があってダメだったが、この場合は、8四金なら5二馬として、この手が後手玉の“詰めろ”にもなっているので、先手の攻めのほうが早い。後手が3三歩を打って玉を狭くしているためにそういうことになったのである。

3三歩図05
 しかし、7四馬には、この図のように、「7五金」という手があって、これが警戒すべき手だ。同馬、同銀、同玉だと、6四角で、“王手竜取り”になってしまう。
 だから先手は、7五同馬、同銀、8五玉と銀を取らずにかわす。以下、8四銀、9四玉となり、そこで後手は7四角(次の図)

3三歩図06
 この7四角も見かけ以上に手ごわい手で、たとえば先手が油断して3二歩などと攻めの手を指せば、痛い目に合うことになる。すなわち、3二歩に、9三歩、同竜、8五銀、9五玉、9四歩、同竜、同玉、9二飛、9三香、9二桂(次の図)

3三歩図07
 これは先手大失敗の図である。

3三歩図08
 よって、戻って、7四角には、8六香(図)と、受ける必要がある。
 このまま8四香と銀を取れれば先手優勢がはっきりするので、後手もあばれてくる。
 9三歩、同竜、同銀、同玉、8四歩、8三銀、2六角成、4一金(次の図)

3三歩図09
 4一金と、先手に待望の攻めの手番が来た。
 これを後手は3一桂と受ける。以下、想定される手順は
 7四歩、3五銀引、7三歩成、1九馬、7四歩、6九飛、5四歩、4二銀、7五角(対して6四歩なら6三とがある)、6四馬、同角、同飛成、7二飛(次の図)

3三歩図10
 後手玉の脱出ができないし、受けづらく、先手優勢である。
 6二歩には、6三歩がある。 また9一香には、8二玉、6一竜、8一金で、後手の攻めは続かない。

3三歩図11
 戻って、<a>8三歩に代えて、<b>7三金(図)と打ってきた場合。
 これには9三馬とする。以下、8四歩、8六玉、8三桂(次の図)

3三歩図12
 ここで8二飛と打つ手がある。上でも出てきたが、これは5二飛成以下“詰めろ”である。なので後手は、7五銀、9六玉の後、6二歩と受けるが、そこで先手は8三飛成、同金、同馬と二枚替えだ。この場合は馬を残すほうが入玉しやすい(角を渡すと後手5八角があるから)
 8二飛~8三飛成があることは、後手はわかってはいても、先手の“入玉”を防ぐには8三桂しかないのである。
 そして、9三歩、7九香で、次の図となる。

3三歩図13
 9三歩は同馬と取ってもよいが(同竜は8一桂が生じる)、図の7九香で後手の銀を取ってしまうほうがわかりやすい。
 以下、6九飛なら、7五香、6六飛成、8六銀でよい。先手優勢。
 先手の“入玉”は決定的となった。しかしもはや“入玉”せずとも、先手玉の安全がよりはっきりしてきたら、4一銀のような攻めを決行すればよい。

 これで、<b>7三金も先手良しだ。


≪3三歩図≫
 以上より、[灰]3三歩は、9三角成とし、後手〔1〕8四金と〔2〕9四歩のいずれも先手優勢になる。

 これで、[灰]3三歩は「先手良し」、が決定した。
 我々が勝利したのだ。



 しかし、またも、時は巻き戻され、同じところ同じ場面まで盤面が戻されてしまったのである。
 ここから、また“新たな次の戦争”の始まりだ。

≪6六角図≫
  [炎]5五銀引  → 先手良し
  [灰]3三歩   → 先手良し

 また、ここで、[炭]4四銀には、5三歩で、先手良しである。
 “敵”(ぬし)が新たに出してきたのは、[煙]4四歩であった。(次の図)



≪4四歩図≫
 [灰]3三歩のときは直感的に「これは先手勝てる」と感じたが、この[煙]4四歩の図はまったく先が見えない気がした。急所は、どこだろう?

 たとえば9三角成、9四歩、3三歩、3一歩、4一飛と、[炎]5五銀引に対して行った指し方(黒雲作戦)を採った場合……、3三桂、9六歩、8四金となって―――

参考図a
 この図になる。しかしこの場合は“後手良し”になってしまうのだ。4三に空間が空いているために後手玉が広くなっていて、そのために8四馬からもう一枚金を補充しても、それでも後手玉は詰まないのである。
 これが後手番の《主(ぬし)》の狙いだったのだ。

 となると、先手(我々)は、また別の攻め筋を採用しなければいけない。

≪9三角成図≫
 まず、9三角成とする。
 そこで後手の手は、やはりここでも2つ、〔1〕8四金と〔2〕9四歩がある。

≪8四金図≫
 まず、〔1〕8四金。
 以下はやはりさっきと同じように、8五金、7四歩、8四金、同歩、同馬、そして<a>8三歩と進みそうだ。
 (この<a>8三歩ではやはり<b>7三金もあり、それは後でやる)

4四歩図01
 ここで7四馬が通るかどうかが一つの山になるが、この場合はOKだ。

4四歩図02
 7四馬に後手8四金なら、この場合も5二馬が後手玉の“詰めろ”になっているし、5二馬を同歩でも詰む。その詰み手順を確認しておくと、3二金、同玉、3一飛、4三玉、3二角(次の図)

4四歩図03
 以下、3三玉、5四角成、2四玉、1五金、3五玉、3六香まで。

4四歩図04
 さて、7四馬まで戻って、したがって後手はここでも図の7五金しかない。
 同馬、同銀、8五玉、8四銀、9四玉、7四角、7六角(次の図)

4四歩図05
 7四角まで、[灰]3三歩の時とまったく同じ進行になる。違うのは後手の陣形だ。それによって、結果がどう変わるか。
 今回は、そこで7六角がある(図)。
 後手玉に“詰めろ”をかけつつ、8五にも利かせ、後手の狙いの9三歩、同竜、8五銀と防いでいる。後手は3二歩と受けるが、これによって、先手は“もう一手”を指すことができる。
 すなわち、後手3二歩に、9三金と打って、先手良しとなる。
 (しかしこの見通しは甘かったことが、後になって明らかになった)

4四歩図06
 (<a>8三歩に代えて)<b>7三金(図)の場合。
 以下、9三馬、8四歩、8六玉、8三桂、7六歩(図)

4四歩図07
 [灰]3三歩の時より後手陣が攻めにくいので、ここは8二飛と打つ前に、図のように7六歩として、後手の7五銀の進行を阻止しておくほうが良いようだ。
 この図で、後手の有効な手がはっきりしない。ということは、ここは先手が少し模様良しかもしれない。
 後手7五歩として、その後を見ていこう。以下、8二飛(5二飛成からの詰めろ)、6二歩、8三飛成、同金、同馬、8五飛、9六玉(次の図)

4四歩図08
 すんなり先手玉が“入玉”できれば、先手良しになる。だから後手も必死でそれを阻止してくる。だが後手の持駒は桂と歩だけ。
 7六歩、8六金、3五飛、6五歩(次の図)

4四歩図09
 先手優勢だ。 6五同銀なら、3六香。 6五同飛は、同馬、同銀、2六桂。

〔1〕8四金は「先手良し」で確定。



≪9四歩図≫
 さて、〔2〕9四歩だが、これが難敵。
 ここで「3三歩、3一歩、4一飛」の『黒雲作戦』の攻めは、この場合は通用しないと先ほど述べた。また「3三歩、3一歩」だけでも利かしておこうという考えはあるも、3三歩を“同玉”(次の参考図)とされたときも、先手がいいのかどうかわからない。

参考図b
 この図は形勢不明。 この場合は3三玉が攻めにくく、たとえば3一飛、3二歩、1一角、4三玉のようになると、すこし先手が悪いかもしれない。後手玉には4三玉~5四玉という脱走経路があるのである。

≪8六角図≫
 しかし、我々はソフト「激指」の力を借りて、この難局を乗り切っていくことができたのである! (どうやらよい流れが我々終盤探検隊のほうに来ている!!)
 後手の9四歩、「8六角」と打つのだ! これが絶好打なのだった。
 この角は「7五」と「9五」に利いており、後手がなにも対策をしなければ、先手は8五玉とし、以下9五金、同角、同歩、9四玉のように、“入玉”が確実になり、先手良しだ。
 したがって、ここは後手は8四金しかないところ。

≪6五歩図≫
 そこで6五歩(図)だ。 7五銀なら、同角、同金、同馬で、圧倒的に先手良し。5五銀上とするのも、7二飛、6二歩、7三歩成で先手良しだ。
 お互いにとって、ここが勝負どころである。 後手の有力な候補手は次の4つ。
  <k>6五同銀
  <l>7四金
  <m>7四歩
  <n>7二桂

 それらの手を一つ一つ、先手を持つ我々は潰していかねばならないわけだ。

参考図c
 ところで、[炎]5五銀引のときには、この8六角~6五歩は通用しない。この図は、「5五銀引型」で、この攻めを敢行し、先手の6五歩に、後手“5六と”とした場面。
 これは次に後手からの6六とで詰まされるので、先手は7七玉だが、以下、6六銀、8八玉、7六桂、9八玉、7五銀上(参考図d)

参考図d
 以下、5九角に6八歩。 これは後手良し。

4四歩図10
 先手の6五歩に、<k>6五同銀とする変化は、以下同玉、7四金、6六玉、6四桂、4一銀(図)が想定される。この図、先手玉はほうっておくと6五桂と打たれて受けなしになってしまう。
 4一銀は後手玉への詰めろだから後手はこれを3一歩と受ける。(4二金、5一竜、4一金、同竜は先手良し)
 そこで先手は7九香が良いようだ。7四の金を取られてはいけないので、後手は6五歩とし、7七玉に、8五金と、金を出てくる。
 しかしこれは“足りない攻め”で、先手は5二銀成、同歩、4一飛と攻めることができる(次の図)

4四歩図11
 4二銀打と受けても、6四角で先手勝ち。
 したがってこの図では後手3三玉ということになるが、3一飛成、3二歩、4一竜左、4三銀、2五金、3四銀打、6四角、2五銀、4六角となって、やはり先手勝勢となる。

4四歩図12
 <l>7四金とする変化は、以下、6四歩(銀を取った)、8四桂(王手)、7七玉、8五金となって、この図となる。
 この図を見ても、後手の4六銀が働いていないので、後手の攻め駒が不足気味なのが感じられるだろう。とはいえ、現実は“角取り”になっていてこの角は逃げられない。
 先手はここで、9四馬と馬を活用する。7六金と出る手を防いでいる。
 そこで後手6五桂は、6六玉と逃げて、先手が良い。以下、角を取る8六金には、7五玉と、曲芸のような玉さばきで、先手玉は捕まらない。
 9四馬には、「激指」は6七とを推奨しているので、その変化を追って行こう、
 以下、6七と、同玉、8六金、同歩、4九角、7七玉、6五桂、8八玉で、次の図。

4四歩図13
 9四角成、同竜、6六角、9八玉、7七桂成、8九金(次の図)

4四歩図14
 以下、7六桂に、8七金と受けて、これで後手の攻めは止まった。
 後手の攻めが止まれば、3三歩、3一歩、6五角のような攻めで、先手が勝ちになる。
 後手<l>7四金も先手良しと判断する。

4四歩図15
 3番目の候補手<m>7四歩(図)。
 これには当然先手は6四歩だが、そこで7三桂が後手のねらいの手。次に8五金とするつもりだ。
 先手は5九角と金を取りながら、角を退避させる。
 以下、8五金、7七玉、6五桂、8八玉、6八と(次の図) 

4四歩図16
 この図はまだ、どちらが良いのかわからない。
 6八とを同角は7六桂がある。 次に後手は7六桂、9八玉、7七桂成が指したい手だ。
 先手は4一銀と攻めるような手もありそうで、迷うところだが、我々終盤探検隊は、ここでの最善は6六馬ではないかと判断した。(6六馬、5九と、6五馬は先手良し)
 以下の想定手順は、7六桂、9八玉、7五金(先手6五馬は許せない)、4一銀、3一歩、3三歩、同桂(次の図)

4四歩図17
 図の3三同桂に代えて「同玉」もあるが、1五角、2四歩、5六馬、7七桂成、8九金は先手良し。
 ここで先手はまた迷う。5六馬、7七桂成、8九金で先手良しかもしれない。
 ただし我々が追及して見つけた勝ち方は、次に示す別の手だ。 

4四歩図18
 3二香(図)と打つ。歩があればもちろん歩でよいところだが、ないので、3二香だ。これを同歩なら、5二銀成(詰めろ)で先手勝ち。後手が角を得ても、まだ先手玉は詰まない。
 よって後手は4二銀と受ける。以下、先手は4四馬。
 そこで後手5九と(角を取る)なら、3一香成、同銀、3四馬で、後手玉に3二金以下の“詰めろ”がかかっていてそれで先手勝てる。
 後手は7八とのほうが厳しい手になる。先手は5二銀成。次の図となる。

4四歩図19
 5二銀成(図)を同歩は、2一金、同玉、3一香成、同銀、1一飛以下の“詰み”。
 実はこのままでも後手玉には“詰めろ”がかかっている。その手順は、2一金、同玉、3一香成、同銀、3二金(次の図)

4四歩図20
 3二同玉(同銀は3一飛、同玉、5一竜)、4二飛、同銀、同成銀、同玉、4三歩、同銀、5三金以下。
 (途中4二飛に2一玉は、3二金、同銀、5一竜、3一金、3二飛成、同玉、4二成銀以下)

 だから前図から後手が指すとすれば、8八桂成、同馬、同と、同玉と先手の馬を消して、そこで5二歩くらいだが―――

4四歩図21
 それには4一竜(図)で先手勝勢。

 後手<m>7四歩も先手良しと決まった。 

4四歩図21
 さあ、残るは第4候補の<n>7二桂(図)だけだ。これを勝てばこの難局をクリアーできる。
 <n>7二桂に、6四歩だと、同桂、7七玉、6六歩、3三歩、6七歩成、8八玉、3一歩は、先手苦戦。どうやら簡単に後手に6四歩、同桂からあの桂馬を捌かせてはいけない。
 ということで、この図では、3三歩と手裏剣を投げ入れる。
 これを同玉は3一飛、3二歩、2一飛成で、先手やや良し。(同桂は後で示す)
 後手は3一歩と受け、先手は3九香と打つ(次の図)

4四歩図23
 この3九香に3五桂は、後手の攻め駒が減り、9二飛で先手良しになる。
 また、4三銀も、同じく9二飛で先手良し。
 3四銀取りを放置して、7四歩が有力手だが、6四歩、同桂、7七玉、6六歩、8八玉、6七歩成、3四香、3三桂、3六飛(次の図)

4四歩図24
 これも先手良しだ。

4四歩図25
 よって、先手の3九香に、3三玉が最強手ではないかと思う。
 対して先手は6一竜(図)と竜を活用する。この手の第1の意味は、7二竜と桂馬を取ることである。と同時に竜を戦場へと接近させた。
 後手はここで7四歩。次に7五銀を見せて、先手に6四歩を強要する手だ。
 すなわち、この図から7四歩、6四歩、同桂と進み、先手はこれを同角と取る。以下、同銀、同竜で、次の図。

4四歩図26
 このとき、後手玉には、先手2五桂からの“詰めろ”がかかっており、この図は先手優勢である。細かいところだが、先手が3九香と打った手で、3八香だったら、この図の場面で4九角で王手香取りになるところだった。だから香車は3九から打つのが正解ということになる。

4四歩図27
 戻って、後手の7四歩の手で、他の手を探してみよう。図の4九金はどうか。3九の香車を取りに行く手だ。
 以下、3四香、同玉。
 これで後手に香車が入ったので、7五香と後手から打つ手ができた。それは困るので、先手は6四歩と銀を取る、以下、同桂、同角、同銀、同竜、6七角、7七玉(次の図)

4四歩図28
 この場合も先手優勢で、実は後手6七角を同竜と取って、同とに、5六角から後手玉に“詰み”があるようだ。とはいえ、その“詰み”は変化が広いので、見送った。この図の7七玉でも、先手が勝てる将棋だ。
 ここでたとえば後手6二香なら、先手は2五銀と打ち、同玉なら、4四竜で寄り、3三玉と逃げれば、4一飛と“詰めろ”をかけて先手勝ち。

4四歩図29
 最後に、先手の3三歩に、同桂(図)と応じるとどうなるかを見て行こう。
 先手はここでも6一竜がよいと我々は考えた。以下、7四歩、6四歩、同桂、7七玉、6六歩、1一銀(次の図) 

4四歩図30
 この1一銀が狙いすましたかっこいい手だ。同玉なら、3一飛と打って、2一銀に、3二金で“必至”をかける。
 また1一銀に3一玉は、8四馬と金を取って、2二金以下後手玉“詰み”。
 よって後手は3二玉と逃げることになる。
 そこで5四香と打つ。かっこいい手の第2弾だ。これを同銀は、2二飛、4三玉、5二竜から“詰み”。
 後手も攻める。6七歩成、8八玉、7六桂打、9八玉、7八と、9六歩(次の図) 

4四歩図31
 9六歩で、先手は“詰めろ”から逃れている。
 なお、後手の7六桂打で、単に7六桂と跳ねると、8六の角が5三にまで通って、後手玉に2二飛、4三玉、5三角成という“詰み”が生じてしまう。だから“桂打”と打った。
 ここからは仕上げだが、4三玉に、5三香成、同金、7一馬と、あそんでいた馬を使う。5二歩に、5三馬(次の図)

4四歩図32
 5三同歩に、4二飛、5四玉、6四竜以下、“詰み”。(詰み手順は省略)

 <n>7二桂も先手勝ちと確定した。

≪9四歩図≫
 これで後手の有力手はすべて潰したので、この図、≪9四歩図≫は「先手良し」、が結論となる。


 もう一度戻って≪6六角図≫…

≪6六角図≫
  [炎]5五銀引  → 先手良し
  [灰]3三歩   → 先手良し 
  [炭]4四銀   → 先手良し
  [煙]4四歩   → 先手良し

 [炎]5五銀引には(9三角成、9四歩の後)、「3三歩、3一歩、4一飛」(黒雲作戦)と指し、[灰]3三歩には8二飛、[煙]4四歩のときには「8六角、8四金、6五歩」という攻めで、先手良しになると解明されたのであった。

 なんと気持ちの良い結論だろう!!!

 ところが―――――


 またまた奴―――≪亜空間の主(ぬし)≫―――は、時を巻き戻して再勝負を挑んできたのである。「お前の勝ちはまだ認めないぞ」ということだ。

(再掲)
 この図はすでに見てきた図だ。
 ≪6六角図≫から、4四歩、9三角成、そこで〔1〕8四金と後手が応じ、以下、8五金、7四歩、8四金、同歩、同馬、8三歩、7四馬、7五金、同馬、同銀、8五玉、8四銀、9四玉、7四角と進んで、先手が7六角と打ったところだ。

 ≪亜空間の主(ぬし)≫はこう言った。
 { お前たちは勝ったつもりでいる。だがほんとうにそうだろうか。たしかにこの図で私は先ほどは負けたと思ったので投了した。7六角に、3二歩、9三金…たしかにそれはこっち(後手)がわるいか…}

 {だが、この図で“9三歩”だとどうなる? }

 { さあ、もう一勝負だ } 嬉しそうに≪主(ぬし)≫がそう言った。


 嫌な感じがした。この勝負、勝っても勝っても、終わりがない闘いなのではないか。

≪9三歩図≫


                          『終盤探検隊 part91』につづく
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