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18.貧血

2011-05-17 02:45:37 | 日記

18.貧血

貧血
1 症状が生じる病態生理
1.貧血とは
貧血とは,赤血球の産生と破壊のバランスが崩れ,血液中のヘモグロビン濃度が基準値を下回った状態をいう.
世界保健機関(WHO)では,女性は12g/dL,男性は13g/dL未満を貧血と定めている.
一般的には,ヘモグロビン濃度7g/dL程度から,顔面蒼白,動悸,呼吸困難,頭重感,注意力低下などの症状が明らかになる場合が多い.貧血の悪化が緩徐に進行する場合は,代償機構が働き,症状の自覚が遅れることがある.そのため,症状と血液検査データは直接的には合致しないことがある.
多量の出血や溶血で,ヘモグロビン濃度が急激に低下した場合には,10g/dL程度でも症状が明らかとなる.
長時間起立時(朝礼時など)に倒れる状態は,起立性低血圧(脳貧血)とよばれ,血圧の調節機構に関係する.これは,厳密にいえば貧血とは同義のものではない.起立性低血圧は血液検査値が基準値でも起こる.
しかし,貧血が起立性低血圧症状の出現に悪影響を与えることが多いため,一般には混同されやすい,したがって医療現場では,用語の使用に注意する.
2.貧血の起こるメカニズム
赤血球の産生と破壊
摂取された栄養成分は骨髄に運ばれ,腎臓から放出された造血刺激因子(エリスロポエチン)の刺激を受けて,赤血球が産生される.
赤血球の寿命は約120日といわれる.随時,脾臓,肝臓で破壊されているが,その一方で産生されて,産生と破壊のバランスが保たれている.貧血を起こすメカニズムは,①赤血球の産生低下,②赤血血球の破壊亢進,③血液の喪失によるもの,に大きく分類できる。
赤血球の産生低下
1)栄養摂取不足
摂取する食物から,タンパク質,ビタミンB12・C,葉酸などの栄養素が体内に吸収される.タンパク質は赤血球の基本的構造をつくり,ビタミンB12や葉酸は細胞の分裂に働く.
吸収された栄養素は骨髄に運ばれ,赤血球の産生に利用される.
栄養摂取が不十分な状態では,材料不足と細胞分裂が滞るため,赤血球の産生が正常に行われなくなる.
2)鉄の代謝異常
鉄はヘモグロビンをつくるために不可欠な成分である,食物中から吸収され,肝臓や脾臓に貯蔵された鉄は,組織にある鉄とともに骨髄に運ばれ,赤血球の産生に利用される.この経路が障害されると,鉄の不足をまねく.
鉄が不足しても,代償的に肝臓や脾臓から鉄が一時的に..

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