「青空の社会学」

小選挙区制はトリックの選挙制度です。
比例代表制が民意を鏡のように反映させます。

★「消費税」の本質(1)消費税は中小、小規模業者を壊滅させる!(格差拡大の税制)

2011年12月30日 | 政治

知られていない 


=「社会保障と税の一体改革」とは?=
民主党政府は大震災前から「社会保障と税の一体改革」を打ち出しています。
この内容は社会保障費の国民負担大増額(=大増税)と税(所得税、相続税、そして最大の消費税)の大増税を一体として推進するとしたものです。

それでは「消費税」とはどのような税であるのか?
単純なように見えますが、
実は複雑怪奇で、大きなトリックが隠されています。大多数の国民が未だ理解できていないと思います。
消費税の増税は今後さらなる自殺者や失業者、非正規労働者、ワーキングプアなどを生み出していくのは必定です。また日本の国内経済を根底から破壊していく事は間違いないでしょう。


消費税大増税シナリオは
=経団連「奥田ビジョン」(トヨタ会長)の提言から始まった=
グローバル企業と大企業が大儲けできる消費税!!

昨今の消費税大増税、大合唱は2003年当時の日経連(元トヨタ自動車会長)の「奥田ビジョン」から始まりました。背景には力を強めてきたグローバル企業の存在があります。
その後経団連会長は御手洗(キャノン会長)、米倉(住友化学会長)会長へと代わりましたが、
経団連の成長戦略は「社会保障と税の一体改革」を強く打ち出しています。(民主党政府と全く同じ)

経団連は1989年の消費税の導入当時(3%)から、消費税の増税と法人税の減税を一体として主張して実現してきました。その結果、社会保障は大改悪され、消費税は現行の5%に至っています。                           
一体何故?日経連は「消費税大増税」にこだわるのでしょうか?
その理由は労することなく莫大な利益を得ることができるからです。(不労所得)



理由のその1は大企業は本来社会的責任として社会保障費の負担責任があります

ところが消費税の増税(国民負担)で、
大企業の社会保障負担を肩代わりさせ、責任を免れます。(国民への責任転嫁)

現在野田政権は日経連の意のままに、消費税を10%に、また一体となって、法人税のさらなる切り下げを推進しています。それが実行されると以下の図(左側1番目、2番目が日本)のようになります。

現行でさえ日本の大企業等の事業主保険料負担は、OECD中最下位の類です。これをさらに消費税を10%に上げれば、消費税だけでもOECD中最上位の類になり、いわんや本人払いの保険料負担は郡を抜き、国民の大負担になります。
これは
社会保障財源の事業主負担を軽減させ、逆に国民大負担にしていこうとする財界の野望が見え見えです。

  

その2は消費税は実質、グローバル企業や大企業はほとんど税を納めることがありません。
それどころか「輸出戻し税」により莫大な利益を得ることができる仕組みになっています。(不労所得)

消費税は国内だけに課税され、輸出の取引では免除される法律です。輸出企業は形式上商品の消費税分は既に払い済みとなっており、後にこの消費税分が丸々還元される仕組みになっています。
還付金額は消費税の税率が上がれば上がるほど大きくなります。
こうして彼らは(その3のごとく)一円の消費税も払う事なしに、莫大な利益を得る仕組みになっています。

<グローバル企業が得た消費税還付金(ベスト10)>2007年度分                           
その3は、財界や大企業は経済上の強者であり、常に価格支配力を有し、消費税を自在に転嫁することができます。彼らは顧客にも、下請け業者にも消費税を転嫁し、自身は全く消費税を納めることがありません。



=消費税は国税滞納ワーストワン!=

=価格に消費税を転嫁できない中小、自営業者は苛酷!=
消費税は中小、自営業者を壊滅させる!!

消費税の納税義務者は実は消費者ではありません。消費者は物品を購入する時消費税分を支払っているのですが、
税務署に納める納税義務者は実はあくまで事業者となっているのです。事業者が消費税分を外部から預かって、それを税務署に納めるということになっています。

ところがここで
中小、零細などの事業者は消費税分を価格に転嫁できない場合が多いのが実態です。それでも中小、零細事業者は納税義務者として、事業の業績が赤字であろうと自腹をきっても、納期まで納めなければなりません。こうして中小、零細事業者には消費税の滞納が増える事になります。

その金額たるや現行でも売り上げ金に5%も課税されるために半端な数字ではありません。中小、零細事業者にとっては払いたくても払えないのが消費税です。しかし税務署は法律を楯にとり取立てを強制します。

消費税の本質は、顧客や下請けに転嫁できる財界、大企業は納税することがなく、価格を転嫁できない中小、零細事業者と消費者(総国民)に課税される税です。

とりわけ
売上金に課税される消費税は価格を転嫁できない中小、零細事業者にとってまさに苛酷で、現在の5%でも納税ができず、多くの自営業者が廃業に追いやられました。

しかしそれでも税務署の取立ては厳しく、多くの自殺者を生み出している主要な原因になっています。
消費税の本質は経済上の強者が弱者を喰らう「弱肉強食の税金」システムです。

<国税滞納の税種別比較>消費税がワーストワン!                                
<中小事業者の価格転嫁状況>                                                       

<参考文献>消費税のカラクリ(斉藤貴男)
日本税制の総点検(北野弘久、谷山治雄)
富裕者課税論(安藤実)
                               

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