母はふるさとの風

今は忘れられた美しい日本の言葉の響き、リズミカルな抒情詩は味わえば結構楽しい。 
ここはささやかな、ポエムの部屋です。

猫コスモス

2016年11月15日 | 花(秋)
冷たい風の吹き始めた日
コスモスはちいさく咲いていた
コスモスの花は野菊より小さくなり
高山の小さな花たちのようになり
それでもしっかり背を伸ばし気高く咲く

涼しい秋空は遠くなり北風が吹き始めると
咲こうと待ち構えているもっと小さなつぼみたちは
びっくりしたような顔で
いきなりやってきた冷気に首をすくめるが
やがて降りる霜は無情にも
彼女らを季節の中に凍らせてしまう

コスモスは恨みもない素知らぬ顔で
木枯らし吹く頃咲き終わってゆくさだめでも
小さなピンク色たちが風に揺れると
無心に遊ぶ仔猫のようで いと愛し



コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。