バアルはさらにコメントを続けた。 「わたしの姿が恐ろしいかい? わたしも初めて変幻した自分の姿を鏡で見たとき泣き叫んだ・・・されどその後間もなく、自分が素晴らしい武器を手に入れたことがわかったのだ。 なぜなら変幻中は爆発的に撥ね上がった霊力レベルが解放されることにより、前の姿のときは使えなかったレベルの技が使えるようになる。 また変幻は自分の意志でいつでも行うことができ、元の姿に戻ることもいつでも自由だ。 これが素晴らしい武器でなくてなんだというんだい?」 ここでようやく、ミッシェルが口を開いた。
4 茫然自失といった様子のミッシェルに対しバアルは言った。 「わたしが悪魔になってから知ったことだが・・・一定レベル以上の者がアポリュオーンに憑霊されると変幻が可能になる。 憑霊された者の霊力にアポリュオーンの霊力が混入することで化学変化のようなものが生じ、その結果憑霊された者の霊力レベルが爆発的に撥ね上がるのだ。 爆発的に撥ね上がった霊力レベルは普段は抑えられているが、変幻を経ることで解放される。 そして霊力レベルが爆発的に撥ね上がった結果、肉体までもが変質してしまうというわけなのだ」
自分の目に映る、悪夢のような、ドラッグのバッドトリップのような光景を前にミッシェルは嘆くように言った。 変わり果てたバアルの姿を言葉で表すとこうなる。 体の下半分が蜘蛛になっている。 体長160センチぐらいの蜘蛛がいて、その蜘蛛の背中からバアルの上半身が生えているのだ。 上半身は基本的に前と同じだが、4本の長い先端の湾曲した角が生え、それらが王冠のように頭部を飾っていた。 「見たかミッシェル! これが悪魔になるということだ!!」
それから2,3分ぐらいしただろうか、ようやく漆黒のオーラが霧が晴れるように晴れてきて、ものが見えるようになってきた。 そしてようやくものが見えるようになったミッシェルの前に、変わり果てた姿のバアルがいた。 「なんてことだ・・・」
新年明けましておめでとうございます。 今年も華猫舎をよろしくお願いいたします。 今年はカレイドスコープナイト(2007.4.07~)を始めてから10年目にあたります。 気持ちを新たにがんばりたいと思います。 キジとタビ